さきたま杯 (JpnII) 2023｜特集

「新星コンシリエーレの走りに注目」

デビューから２連勝で挑んだサウジダービーでは、果敢に先行してゴール前セキフウに差されはしたが３着に善戦したコンシリエーレ。帰国初戦の兵庫チャンピオンシップも３着までだったが、２着ノットゥルノとはコンマ１秒差。その後のノットゥルノの活躍からも重賞で通用する器であることは確か。その後は間隔をあけながら３戦して３勝。前々で流れに乗れる器用さがあり、トリッキーな浦和コースを克服できれば勝負になる。
シャマルは、昨年このレースで僅差の３着で、その後テレ玉杯オーバルスプリントを制している。浦和1400㍍で好成績を残しているのは強味で、別定戦で56キロというのも恵まれた。ここまで交流重賞で４勝を挙げているが、その内1400㍍で３勝し、1200㍍で１勝。かしわ記念は距離が微妙に長かった印象で、この舞台なら巻き返しは可能だ。
エアアルマスは、転入初戦の東京スプリントでは、スタート直後に不利を受けて離れた最後方からの競馬。しかし、直線だけで４着に追い上げて、上り３ハロン35秒１の末脚。中央時は東海Ｓ（京都ダート1800㍍）を制しているが、本質的には短距離の差し馬。揉まれ弱い面はあるが、この枠からうまく馬群の外につけられればその末脚を繰り出せる。
ギシギシはハナには拘らないのだが、スタートが速すぎるので自然とハナに立ち、どうしても目標にされてしまう。今回は２番枠を引き当てただけに当然ハナを切ることになる。外からバスラットレオンが競りかけてくる可能性があり楽な競馬にはなりそうにない。しかし、今回は的場文男騎手が鞍上、馬場を味方に最後まで渋太く粘り込む可能性はある。
バスラットレオンはの評価は正直難しい。国内では３歳時にニュージーランドＴを勝って以来勝ち切れない。しかし、ＵＡＥでゴドルフィンマイルを制し、サウジアラビアでターフスプリントを制しており、国際級の実力があることは確か。昨秋の武蔵野Ｓ３着からダート適性は十分あるが、地方のダートとなると未知数。逃げたいところだが、内枠にギシギシがいるので逃げられない。しかし、この枠なら外から被せられることがなく、２番手の外あたりにつけられる。色々と課題は多いが、あっさり優勝があって不思議はない。
イグナイターは、昨年黒船賞、かきつばた記念と交流重賞で中央馬を破って連勝。その後の走りは物足りないが、今回はベストの1400㍍。かしわ記念は微妙に長い1600㍍で粘れなかったが、道中の行きっぷりは良くここにきて復調気配。前走に引き続き笹川騎手を鞍上に迎え、復活の勝利というシーンもある。

◎コンシリエーレ
○シャマル
▲エアアルマス
△ギシギシ
△バスラットレオン
△イグナイター

（文：勝馬　山形宗久）

2023年5月のラストを飾るのは浦和競馬場で開催される、さきたま杯[JpnII]。春シーズンに活躍したスプリント界の強豪が1,400mコースで覇を競います。昨年の大会は5番人気の大井所属・サルサディオーネ号が得意の逃げを披露し、迫る牡馬らをアタマ差押さえて2017年ホワイトフーガ以来の牝馬によるさきたま杯Vとなりました。なお来年からは新たに3歳馬にも門戸が開かれ、JpnI競走へと昇格、春のスプリント王座決定戦として生まれ変わります。JpnII競走として最後となる今大会を制する競走馬は果たして。どうぞご期待ください！