【開催見解】第1回笠松競馬（4/1～4/3・6）

　新年度に入り最初の開催を迎えた笠松けいばは４月１日～３日、６日の合計４日間の予定で「新緑賞（ＳＰ2）シリーズ」が行われる。ここでは各日のメインレースの展望をお送りしていきたい。

　まず初日（４月１日）はシリーズメインとなる３歳オープンのＳＰ2「第４１回新緑賞」。今年は超のつく大物の参戦こそないものの、粒ぞろいかつ好調な馬が多く馬券的には楽しめそう。中でも注目を集めるのは南関東からの転入初戦となるヴァイキング。３月24日の名古屋・若草賞にも登録があったが、最終追い切り後、「まだ動きがピリッとしない。１週待って地元の新緑賞から使おうかな」との陣営の判断により、ここが移籍初戦となった。まだ佐藤騎手は「先週よりいい程度ですよ」と強気ではないが、１週待ったぶん上向いているのも確か。道営、南関東での戦歴からみても、一線級がいないここならいきなり好勝負できるはず。昨年暮れのライデンリーダー記念を制したマルヨバナーヌもこのメンバーなら実績上位。前走ではＡ４Ｂ３組で０秒１差の３着。古馬にモマれた経験は大きな糧となるはずで、直前の気配もまずまずだった。名古屋からは２月・梅桜賞３着のミトノレオ、同じく４着のルックスグーが参戦予定。ともに堅実なレースができるタイプだし、笠松でも好走実績があり楽しみ。フェードロワはこのミトノレオを前走で撃破。転入以来７走、中央交流を含めてすべて掲示板を確保と大崩れしていないのは魅力だ。

　２日目はＡ－３・Ｂ－３組による「臥龍桜特選」。ここは抜けた実力、勢いを持った馬がおらず、混戦ムードが漂う。ただ、安定感では先行力としぶとさを兼備したエスケイティアラが一歩リードと言えるか。前走はハイレベルなメンバーがそろったＢ－１組で時計差なしの２着。Ａ級混合戦になったとはいえ、この程度の相手強化なら問題なさそう。潜在能力だけなら、重賞戦線で活躍してきたリックタラキチが一枚上。ただ、「少し良化しているけど、まだ好調時の出来には及ばない」と陣営が語る通り、休養明けの２走が平凡で、取捨に悩むところだ。逆に転入後、４→３着と調子を上げているのがエーシンイグアス。中央での実績から考えてもそろそろ勝機があるかも。ほかにもゼンノアロウ、ガラパゴスなどが近況の気配がよく、圏内をにぎわしそう。

　３日目はＡ－１・Ｂ級以上オープンの「東海クラウン」。まず目が行くのは前開催の東海クラウンを勝ったエーシンシャラクと、同じく０秒１差の２着だったドリームバスケット。前者は前走が転入初戦で体調面に多少の不安を抱えながら快勝。環境に慣れてきた効果が見込める今回は連勝を期待したくなる。後者も中間の調整ぶりは順調そのもので、マイペースに持ち込めれば逆転の目はある。２月の東海クラウンを勝っているのがディアデラバンデラ。名古屋、船橋と続いた遠征では結果が出なかったが、直前の追い切りで上々の時計をマークし、遠征疲れは感じさせない。２戦２勝の笠松なら巻き返しがあって当然だ。名古屋からはアップアンカーが参戦予定。前走こそ２組で２着だが、すでにオープンで好走実績があってここでもヒケは取らないし、転入以来（３５１１）、最悪でも４着という堅実味は高く評価できる。さらに４歳の昇り馬コパノサムタイム、安定した先行力で好走が続いているマルカリードの好調さも無視できず、熱戦が期待される。

　４日目はＣ－１組による「笠松町商工会特別」。前走で勝ち鞍を挙げた勢いのある素質馬が集まる、笠松でも屈指の激戦区だが、今回も出走すべてが前走勝ちの好メンバーとなりそう。そんな中でも能力では前走このクラスを勝って連勝を４に伸ばしたヤマニンシュワイエが頭ひとつ抜けた存在。２走前には１分26秒６とＡ級上位でも通用する時計をマーク。そして前走も３馬身差の快勝で、先行・差しと自在な競馬ができるのが強みだ。これに待ったをかけるとすればフジサンマーケットが筆頭候補か。こちらは３走連続で１分28秒台。このクラスとしてはハイレベルな数字を残してきたし、先行力としぶとさを兼備しており大崩れの不安はほとんどない。この２頭が軸になってきそうだが、スピードだけならマルヨラピドも相当なものがあるし、名古屋アームストロングも転入後（２３１０）底を見せておらず、出走してくれば上位の一角を占める。いずれにしても、これだけ好調馬がそろうとひと筋縄で収まりそうになく、思わぬ波乱も一考しておきたい。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）