【開催見解】第9回 川崎競馬(11/16~20)
川崎競馬は11月16日~20日まで5日間開催。『どうなる川崎!? 競馬・怪獣 2重賞(SHOW!) 』と題して、牝馬重賞2連戦で盛り上がり、怪獣もやって来るというにぎやかな開催。
17日には2歳牝馬による第15回ローレル賞が、18日には3歳牝馬限定戦の第26回ロジータ記念が行われる。
ロジータとは1988年に川崎の福島幸三郎厩舎からデビューし、わずか1年4ヶ月の競走生活の間に、ニューイヤーカップ、京浜盃、桜花賞、羽田盃、東京ダービー、東京王冠賞、東京大賞典、川崎記念を制覇。牝馬ながら南関東三冠馬に輝き、さらには東京大賞典と川崎記念の二大タイトルを制して引退した女傑。母としても大成功して、GRANDAME-JAPANシリーズでは「ロジータふたたび」と銘打たれているように地方競馬の宝とも言うべき牝馬である。
さらに、最終日の川崎競馬場は「川崎競馬場×帰ってきた怪獣酒場」のコラボにより『怪獣酒場の川崎競馬侵略作戦』が繰り広げられる一日。全レースをウルトラ怪獣たちにジャックされるというスペシャル企画で川崎競馬場には怪獣たちもやって来る。
さて、初日メイン競走はB3二組による「横須賀製鉄所創設150周年記念」1500m。休養明けを叩かれつつ状態を上げているウィーゴーを中心視。兄に東京ダービー馬プレティオラスを持ち、デビューから2連勝して注目されたが平和賞後にヒザ骨折が判明。二度の長期休養を余儀なくされてきた。休養明けからは兄と同じ本橋騎手が手綱を取っている。脚質的に展開に左右されやすいが兄同様の鬼脚炸裂に期待。
前走の大井戦は自分の競馬ができず大敗したコーズウェイだが、前々走は今回と同じ条件戦で後続を6馬身ふり切る圧勝。再び地元で弾ける好機。
動きが変わってきたエンドオブジアース。強気の連闘策で臨むユーコーフラッシュ。
2日目は第15回ローレル賞。2歳牝馬の地方交流で、3着馬までに東京2歳優駿牝馬への優先出走権が与えられる。GRANDAME-JAPANシリーズ2歳シーズンの一戦という位置づけでもある。
他地区からは北海道マックスガーデン、モダンウーマンの2頭、笠松からはラブミーチャン記念3着のシャイニーネームが参戦。なかでも完成度の高さで注目したいのは道営・角川秀樹厩舎のモダンウーマン。デビューから6戦6連対。すでにフルールカップ、リリーカップと重賞二勝。のちに北海道2歳優駿を勝ったタイニーダンサーをスピードで封じたこともある。距離や左回りといった課題もあるが、距離については折り合いがつくタイプなだけに難なく克服する可能性が高そうだ。
南関東からは新鋭・佐藤裕太調教師が送り込む船橋のスアデラに注目。もっか無傷の三連勝している逸材。前走ではローレル賞を目論んで川崎コースを経験。初めての輸送もクリアして直線突き抜ける楽勝。まだまだ伸びしろを感じさせる強い内容だった。
3日目は第26回ロジータ記念が行われる。女傑ロジータを記念したレースがつくられたのはロジータが引退した年の暮れだった。すでに26年の月日が流れたが、今でも旧福島幸三郎厩舎にはロジータが使っていたゴム張りの馬房が残されている。
3歳牝馬限定戦で、2011年からは地方交流。今年は道営のジュエルクイーン、園田のトーコーヴィーナスといった次代を担う実績牝馬が出走予定。例年なら春の実績馬vs新興勢力の図式になるはずが、南関東からもクラシックをにぎわしたスターホースたちが揃ってエントリーして再び激突。
桜花賞馬ララベルは、東京ダービー4着以来の実戦となる前走のスターバーストカップを快勝。クラシックで好走した牡馬たちをねじ伏せて2000mでの適性も見せた。馬体が成長途上でありながら好走したクラシックからひと夏を越して成長し今後の活躍が楽しみになってきた。
牝馬クラシックでララベルと覇を分け合った東京プリンセス賞馬ティーズアライズ。東京ダービー以来の復帰戦スターバーストカップは4着だったが上積みは十分見込める。左回りが鍵になりそうだ。
関東オークス3着トーセンマリオン。ユングフラウ賞で目が覚めるような直線一気の切れ脚を見せスターローズは7ヶ月ぶりの実戦。もう一頭見逃してならないのは上がり馬ミスアバンセ。クラシックこそ無縁だったが今夏4連勝の新興勢力。前走では並み居る牡馬を蹴散らし戸塚記念戴冠。勢いなら一番だ。
4日目メインは「連絡協議会記念」。B1二組、B2一組の1600m戦。ハッピーウエーブの巻き返しに期待する。前走こそ後手に回って8着に敗れたが、園田時代を含め掲示板を外したのは3回だけという抜群の安定感。勝ったときのインパクトが大きく狙わずにはいられない。
好調マイネルヴェルディ。直線切れるワイルドロジャー。流れに自在に対応するトーセンハリケーン。
川崎競馬最終日は『怪獣酒場の川崎競馬侵略作戦』。川崎駅の川崎競馬場行きバス乗り場の目の前にある『帰ってきた怪獣酒場』とのコラボレーションで、この日のレースがすべて怪獣たちによってジャックされる。
1R 最初にウルトラマンと戦った! 宇宙怪獣ベムラー杯
2R 怪獣墓場記念 亡霊怪獣シーボーズ杯
3R キングを目指せpart1 どくろ怪獣レッドキング杯
4R キングを目指せpart2 宇宙怪獣エレキング杯
5R キングを目指せpart3 宇宙ロボットキングジョー杯
6R 頭脳で勝負! 悪質宇宙人メフィラス星人杯
7R 力で勝負! 古代怪獣ゴモラ杯
8R 狙われた街~川崎~ 幻覚宇宙人メトロン星人杯
9R 変幻自在に勝負! 三面怪人ダダ杯
10R 怪獣酒場特別 バルタン店長杯
11R 最強を決めろ! 宇宙恐竜ゼットン杯
予想大会に登場するというバルタン星人がどんな予想トークをするのか楽しみでならないが、メインは「怪獣酒場特別 バルタン店長杯」。A2下のマイル戦で注目はメジャーアスリート。現在は浦和所属だが、かつては川崎に在籍しており川崎コースはお手の物。中央時代に遡れば全日本2歳優駿に出走して二着した実績もある。末脚を武器に毎回直線伸びてくるがあと一歩勝ちきれないレースが続いているが久しぶりの川崎コースで弾みをつけたい。
前走に続く川崎参戦プリンセスバリュー。持ちタイム上位モズブラックアイ。先行力生かしてアサヤケ。
競馬ブック 中川明美