【開催見解】第17回 名古屋競馬(11/16・18~20)
名古屋けいばは「東海菊花賞シリーズ」と銘打って、11月16・18~20日の計4日間で開催されます。ここでは各日のメインレースの展望をお伝えします。
初日のメインはB-1組「さそり座特別」1600m
いわゆる勝ち組の特別戦で、上位陣の力量はかなり拮抗しています。そんな状況では甘くないかもしれませんが、ウォーターエイトを中心視。劇的に調教パターンが変わったわけではないものの、順調にレースを重ねることができるようになって体質の強化がうかがえます。前走は逃げ切りましたが、ハナにこだわるタイプではなく、最近は自在性も備えてきました。軸にぴったりでしょう。今年の昇り馬の一頭、ジューヌノーブルが手ごわい相手で、軽快な逃げは要注意です。この2頭が主導権を握って粘り込む競馬を想定。しかし、予想以上に速い流れになった場合は、決め手のあるテイエムレオネッサ、ロワサーブルが一気に浮上しそうです。
2日目のメインはA-3a組「名古屋CCディアナ賞」1400m
地元勢で生きのいいのは下級挑戦のトーホウハンター。確かに前走の大差勝ちはインパクトがあったし、時計的には通用しておかしくない勘定になります。ただ、現況は硬さが感じられるフットワークで、2走前は自滅した格好。あくまで気分良く先行できることが条件になりそうです。ただ、前開催同様に中央勢の顔ぶれも通常より少し落ちる印象。その中ではアートオブキング、サクラテイオーが戦績から一歩リードとみていますが、当地との相性がいいサチヒメは休養明けでもマークしておきたいところです。最近は道悪になっても以前ほど先行有利とはならないので、展開を読みきることが馬券的中の大きな鍵になるでしょう。
3日目のメインはA-2組「さざんか特別」1600m
既存勢力では、A級に昇級後も4戦2勝2着1回のコスモナーダムがここでも上位とみています。珍しく先月は2走しましたが、今回は適度に間隔をあけてきたのも好感が持てます。2走前の交流戦では崩れましたが、地元馬同士なら安定した走りを見せてくれるでしょう。前開催の2着馬アルベルトバローズは前走だけでは飛びつけないというのが本音で、ここが正念場。交流戦を人気薄で逃げ切ったドニゼッティにも同じことが言えそうで、出脚の鋭い同型ピンクノサイロがいては展開的に微妙な立場になるでしょう。そして注目は転入新馬のマルカファイン。中央1000万級からの移籍は、高額条件の馬が数多く転入している昨今では目立つものではありません。しかし、同馬はダートの1000万条件で2、3着があり、2組にしてはやや手薄と思えるメンバーとなれば、いきなり好走が期待できそうです。
4日目はシリーズメインの地区交流重賞「東海菊花賞」1900m
不動の中心は今や名古屋の大将格になったノゾミダイヤ。前走はヒヤッとさせる場面がありましたが、最後は力でねじ伏せる競馬を見せてくれました。連戦の疲れがうがかえた今夏に比べると状態は明らかに上向いています。実績馬のサイモンロードは乗り込みが実に入念で、このままでは終われないという意欲を感じます。中距離は比較的得意としているだけに、地方馬同士なら見直す手でしょうか。ほかにも前走で接戦を演じたクアイアーソウルとアップアンカー、末脚に定評があるマヤノクレド、展開に融通が利くようになったメモリージルバ、2組を圧勝したベルラインなど、多士済々の顔ぶれ。高知から参戦のリワードレブロンやゴールドゼウスが脇に追いやられそうな地元勢の布陣といえるでしょう。
(文:競馬東海 寺澤 正勝)