【開催見解】第11回浦和競馬(2/20～24　重賞:ユングフラウ賞）

平成28年度、第11回浦和競馬は２月20日から24日までの連続５日間開催。今開催のメインレースは３日目の22日、水曜日に行われる３歳牝馬による桜花賞への前哨戦、ユングフラウ賞となっている。

　初日のメインはＢ２三組Ｂ３一組による梅見月特別1500メートル。抜けた馬不在で上位拮抗といった感じだが、今回で３戦連続の浦和遠征になり、中間の意欲的な調整も目につくサチノマリアージュ。転入後、使いながら確実に良化中の実力馬トーセンスパンキー。休み明け３戦目の前走で変わり身を見せての連続浦和遠征となるリュウノプリンス。浦和1500メートルは３戦無敗のスティレット。この４頭によるＶ争いか。他では条件緩和で巻き返しがありそうなトゥモローウィング、終い一手でも嵌まれば切れるルックスグー、単騎逃げに持ち込めれば渋太いエースヴィクトリアなどに注意を。

　２日目のメインはＢ１Ｂ２一組による1400メートル戦の如月特別。ここでの注目は４月26日に同じ浦和1400メートルで行われる予定の重賞、しらさぎ賞(４歳以上牝馬)を目指して出走してくる大井・小林所属のエクレアオールだろう。ここまで９戦６勝で現在５連勝中。父ゴールドアリュール、母の父エンドスウィープの社台ファーム生産馬で、まだまだ良くなってきそうな感じがある。現在Ｂ１の身、重賞出走を確かなものにするためにも、初コース、初の左回りでも確実に勝っておきたいところ。ヘレニウムは昨年のしらさぎ賞４着馬で、浦和の1400メートルでは３戦２連対。前走はＡ２下条件で直線失速しての７着だったが、今回の条件なら巻き返し十分。他では地元帰りで変わり身が見込めそうなニチドウリュンヌ、追って味のあるパッパーレ、ファイトユアソングなどに要注。

　３日目のメインは３歳牝馬による重賞、ユングフラウ賞1400メートル。春の大舞台を目指して南関東３歳牝馬の一線級が顔を揃えたが、注目は何といっても東京２歳優駿牝馬の勝ち馬ピンクドッグウッド。前走後に船橋の稲益厩舎に移籍して南関東所属としての緒戦を迎えるが、ここまで順調に乗り込みを消化。機動力があるので小回りの浦和コースにも難なく対応できそうで、初コースを気にするタイプでもない。別定戦で56キロを背負うが、大きく割り引く必要はないとみる。力通りの走りができれば当然、Ｖ最短の存在。アップトゥユーはピンクドッグウッドと同じグランド牧場生産のサウスヴィグラス産駒で東京２歳優駿牝馬では２着。前走の桃花賞では人気を裏切ったが、状態面に不安はなく、小回りの浦和コースで巻き返しを期す。シュアハッピーは大井に移籍後、２連勝中で前走は準重賞の桃花賞勝ち。ホッカイドウ競馬時代には昨年９月のリリーカップでピンクドッグウッド、アップトゥユーに先着しており、ここでも互角以上の期待が。他では今年も南関東のリーディングを狙う小久保厩舎所属の２頭。ニューイヤーカップ４着のスターインパルス、東京２歳優駿牝馬３着のアンジュジョリーにも地の利があるだけに警戒が必要。なお、当レースの１着から３着馬には３月29日に実施予定の第63回桜花賞への優先出走権が与えられる。

　４日目はＡ２下による梅花賞1900メートルがメイン。タマモホルンは昨年11月の浦和記念で掲示板を確保して以来となるが、鉄砲には実績があってここまでＡ２下を計３勝。この条件では完全に一枚抜けている存在だけに、復帰戦から主役に。ドラゴンヴォイスは９歳馬だが、長いところに適性があって昨年10月の浦和1900メートルの重賞、埼玉新聞栄冠賞でコンマ８差の５着。うまく展開、流れが嵌まれば決め手炸裂のシーンも。ビッグジャイアントは休み明けを３戦して１着、２着、１着。地元浦和では８戦５勝、２着２回で、これから期待の４歳馬。長いところにも良績があるだけに、一気の相手強化でも勢いに期待する手も。

　最終日のメインはＢ２二組による早春特別1400メートルがメイン。ミキノブルーグラスは浦和の1400メートルで５戦４勝の実績。ここ２戦は格上相手のＢ１下で案外な結果に終わっているが、自己条件の組み合わせでベストの舞台に戻ればガラリ一変があっても不思議なし。スーパープルームも浦和の1400メートルでは３戦２勝、２着１回。まだまだ上積みが見込める４歳馬だけに、今回からＢ２に昇級でも即通用の期待。また、初コースでも浦和向きの機動力を持っているドリームキング、浦和で２戦２勝のキャッシュフローなども互角以上の評価が必要。

（ケイバブック・木村悟）