【開催見解】第７回盛岡競馬（9/21～9/30）

　平成25年度の第７回盛岡競馬は９月21日から前半３日間、９月28日から後半３日間の計６日間開催される。

　前半週の最注目レースは２日目（22日）に行われる２歳馬による地方全国交流重賞『第15回ジュニアグランプリ』芝1600ｍ。フルゲート12頭に対して登録馬は12頭。
　まずは他地区枠いっぱいの４騎がエントリーしてきた道営勢から。いずれも芝経験がなく、地元馬との比較で不利な材料だが、道営馬は昨年ワンツーフィニッシュなど、５年連続連対馬を輩出中。今年も目が離せない。
　カカリアとダマスクインゴットはともに２戦目を勝ち上がり、層の厚い道営の２歳上位戦で早くから揉まれてきたキャリアが魅力。
　プレイアンドリアルは１戦１勝。1700ｍのスーパーフレッシュチャレンジを５馬身差で楽勝。こちらは逆に未知の魅力がたっぷり。
　ナデシコスピリッツは唯一、ＪＲＡ認定勝ちがないが、昨年の函館記念(G3)２着馬・現中央オープンのイケトップガンの半妹という血統面に注目したい。
　地元勢。大将格はトライアル・若鮎賞を快勝したターントゥタイド。デビューからここまで３戦３勝、うち芝は２戦２勝。1000ｍの新馬戦は逃げ切り、1600ｍの若鮎賞は中団からの差し切りと、文句のない内容。地元の利を味方に道営勢の撃破なるか？
　続くのはトライアルで２着に逃げ粘ったミスノブタ、同３着のライズラインだが、巻き返しを期待したいのはランデックキング。トライアルではスタートで後手を踏んで５着と凡退したが、芝の新馬戦では前記・ミスノブタを寄せ付けず、59秒６の好時計で快勝しており、見限るのは早計というもの。
　なお、この競走はＪＲＡ「朝日杯フューチュリティステークス」ブロック代表馬選定競走となっており、優勝馬は東北ブロック代表馬として「デイリー杯２歳ステークス(G2)」「京王杯２歳ステークス(G2)」「東京スポーツ杯２歳ステークス(G3)」いずれかのレースへ駒を進めることができる。

　後半週の最注目レースは５日目（29日）に行われる３歳以上オープン馬による地方全国交流重賞『第15回岩手県知事杯ＯＲＯカップ』芝1700ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は16頭。
　道営のケイアイライジンは中央芝４勝。弥生賞(G2)がロジユニヴァースの５着。プリンシパルステークスを勝ってダービー(G1)に駒を進め10着。他にも京成杯オータムハンデ(G3)４着などがある芝の一流馬。４勝の距離は1800～2000ｍでマークしており、盛岡は初遠征だが、ここは格好の舞台と言えそうだ。
　川崎のナターレは昨年の覇者。芝経験はなかったが、積極的なレース運びで見事に１番人気に応えている。今年の５月には浦和のしらさぎ賞を制して重賞４勝目をマーク。連覇も夢ではなさそうな雰囲気。
　大井のハテンコウは昨年、そのナターレに半馬身差の２着。前走のせきれい賞（盛岡芝2400ｍ）は５着までだったが、1700ｍということならオパールカップの３着もある。盛岡の芝遠征は今回で４度目。これまで掲示板を外したことはないのだからマークは欠かせない。
　高知のファイアーフロートは中央芝７勝。３年前の京成杯オータムハンデ(G3)の勝ち馬であり、勝ち鞍は1400～1600ｍ。前走で高知の伝統重賞・建依別賞を制しており、高知からの長距離遠征ということも含め、今回の最大の注目馬と言えそうだ。
　なお、８月のせきれい賞２着馬・ウインペンタゴン（川崎）は補欠第１位。盛岡芝で２勝をマークしているリュウノボーイ（船橋）は補欠第２位。この稿締め切りの段階で除外対象となっており、他地区枠＝４頭の座は熾烈を極めている。
　地元勢。転入初戦でいきなりトライアル・桂樹杯を制したマイネルファルケはさすが2009年のマイルチャンピオンシップ(G1)２着馬という走り。２戦目の今回はさらに状態を上げてくるだろうし、引き続き主役級の評価。
　３歳の星・ハカタドンタクは桂樹杯でマイネルファルケをアタマ差まで追い詰めた。盛岡の芝は７戦４勝、２着２回、３着１回とデビュー以来、凡退は１度もない。上積み大きい若駒だけに一気に頂点に立つ可能性も。
　不気味なのは前開催の新設重賞、牝馬限定のヴィーナススプリント（水沢ダ1300ｍ）で、転入初戦ながら２着と好走を見せたアラマサコマンダー。中央では１度も使うことのなかったダートでの好走だけに、本職？の芝でどれだけ動いてくるのか注目が集まる。
　なお、この競走はＪＲＡ「マイルチャンピオンシップ」ブロック代表馬選定競走となっており、優勝馬は東北ブロック代表馬として「富士ステークス(G3)」「スワンステークス(G2)」いずれかのレースへ駒を進めることができる。

（文：エイカン　内山達明）