【開催見解】第13回門別競馬(10/4～13 重賞：サンライズカップ、瑞穂賞、エーデルワイス賞）
第13回門別競馬展望
10月に入って秋競馬真っ盛り。若干、出走頭数が少なくなった印象は否めないが、２歳、古馬を問わず、オープン、準オープンはハイレベルの戦いが繰り広げられている。今開催の重賞レースは、前節３日に２歳オープン馬によるサンライズカップが行なわれ、後節５日目には古馬オープン馬による瑞穂賞、６日目には２歳牝馬の頂点となるＪＲＡ交流重賞のエーデルワイス賞（Ｊｐｎ3）が組まれている。
【重賞レース】
○10月６日 第16回サンライズカップ ２歳オープン 距離1700ｍ
１．ソッサスブレイ
２．ヒガシウィルウィン
３．ブラックハンマー
４．カンテサンス
５．スウィフトハート
６．ミルグラシアス
７．スーパーステション
８．エスプリゾーン
９．バンドオンザラン
10．ビービーアルボーレ
11．シュラーゲン
12．リコーソッピース
【展望】11月１日に行なわれる北海道２歳優駿の前哨戦という位置づけの一戦だが、中心は６戦２勝２着４回と10割の連対を誇るヒガシウィルウィン。６月の栄冠賞、８月のブリーダーズＧＪＣはいずれも２着と涙をのんでいるのだが、サウスヴィグラス産駒とは思われない瞬発力を駆使して、前走は1700ｍのウィンチャレンジＣを快勝。馬体も一戦毎に成長しており、この安定感は信頼が置けるだろう。実績面では、栄冠賞、イノセントカップの２重賞を制したバンドオンザラン。中央の函館、札幌の芝を除けば、この馬も連対10割。この両馬はがっぷり四つ。ここにきて２連勝と完全に勢いづいたスウィフトハートは、ＢＧＪＣを制したストーンリバーと２度に亘って接戦を演じており、地力はここに入っても甲乙つけ難い。盛岡から遠征帰りとなるミルグラシアス、２戦２勝のリコーソッピースの素質の良さも注目しなければならない。
（厩舎の談話）
１．ソッサスブレイ 連闘したあとなので前開催は休ませて備えました。流れに乗れて、尚かつ粘れるというのがこの馬の良さ。重賞でもヒケは取らないと思います。
２．ヒガシウィルウィン 使う毎に進境を見せてくれますね。前走は外回りでも結果を出してくれたのは、自信になりました。今なら、確実に脚を使ってくれます・
３．ブラックハンマー 距離は長い方が向くタイプだと思っているんです。短距離の経験が気持ちのうえでプラスになっているはずです。ただ、相手が強くなって…。
４．カンテサンス この２戦で力を見せてくれましたが、長い距離は初めてですから、経験値の高い他の馬と比べると、少なからずハンデがあるでしょうね。
５．スウィフトハート この中間も順調に調整。外回りは初めてですが、レースが上手な馬ですから大丈夫でしょう。相手は強いですが、いいモノを持っていますよ。
６．ミルグラシアス 前走は予想以上に芝に苦労していました。小回りと相まって、力を出せずに終わりました。走り慣れた門別なら違う姿を見せられると思います。
７．スーパーステション 新馬戦を勝って次の栄冠賞でも際どいレースをしたように、潜在能力は高いものがあります。距離も２度目なら、チャンスがありそうです。
８．エスプリゾーン キャリアが浅いですし、距離も初めてですからねえ。将来はともかく、現時点での重賞挑戦は、高いハードルかもしれません。
９．バンドオンザラン 前走後も順調。芝の1800ｍでは思うような結果が出ませんでしたが、ダートなら違うはずです。北海道２歳優駿へ向けて期待したいものです。
10．ビービーアルボーレ 前走はじっくりと構えていれば、もう少しやれたと思います。父はスプリンターですが、1700mは守備範囲。仕上がりに不足はありません。
11．シュラーゲン ここ２戦は凡走続きですが、気持ちが向かなかっただけでしょう。フレッシュ戦のあの内容からも、距離は長くなった方がいいタイプです。
12．リコーソッピース ここ目標に、いい状態で臨めます。トビが大きく、距離は延びた方が良さが出るでしょう。まだまだ伸びしろを感じる馬ですよ。
○10月12日 第49回瑞穂賞登録馬 ３歳以上オープン 距離1800ｍ
・グランプリブラッド
・コルージャ
・オヤコダカ
・セントマーチ
・ジュエルクイーン
・スティールキング
・ビッグバンドジャズ
・バラブシュカ
・ヘブンズゲート
【展望】オヤコダカは今季緒戦となったコスモバルク記念でウルトラカイザーに惜しくもハナ差負けしたが、その後は、赤レンガ記念、星雲賞、旭岳賞と破竹の重賞３連覇を成し遂げている。２歳当時から全国区で活躍していただけに、順調に成長してきた姿が見て取れる。道営記念という大一番前のひと叩きだが、勿論、重賞Ｖ４を目指して態勢は整えてくるはずだ。逆転を狙うのは、昨年の道営記念の覇者グランプリブラッド。旭岳賞はオヤコダカに完敗の２着だったが、４カ月ぶりの実戦であり、相手が得意の内回りコースということを考えると、前走の開きは確実に縮まるはずだ。転入後、無傷の５連勝中のバラブシュカ。それも今回と同じ1800ｍの距離でやってのけたのだから、試金石とはいえ魅力は十分にある。３歳二冠馬スティールキング、相手なりに走れるヘブンズゲートも圏内へ虎視眈々。見応えのあるレースになるのは間違いない。
○10月13日 第19回エーデルワイス賞登録馬 ２歳オープン牝馬 距離1200ｍ
・スノードーナツ
・タケショウベスト
・デスティニーソング
・リエノテソーロ（以上ＪＲＡ）
・ピンクドッグウッド
・ハタノオヌール
・オーブスプリング
・シェアハッピー
・ハタノフォルトゥナ
・アップトゥユー
・ポリカ
・ジュンアイノキミ
・オルディル
・チェリースプリング
・ギンチャン
・ジュエリーアイス
（補欠）
・アイルキャッチユー
・ハッピーランラン
・アズールムーン
・サルタート
・ブルーヘヴン（以上ＪＲＡ）
・プティソレイユ
・テセラプルーニア
【展望】中央馬の補欠５頭というのは珍しく、優先出走馬の中には強行軍になる馬もいるだけに、その動向に注目しなければならないが、先の札幌戦で新馬、すずらん賞を連勝したリエノテソーロは、先行力もあり、追われてからの伸びも実にしっかり。すずらん賞２着のタイムトリップが、先週の中山カンナＳを快勝しただけに、さらに株がアップした格好。当初から、この一戦を目標にして、中間の調整過程も熱を帯びている。センスの良さからも中心は動かせない。父はアメリカのブリーダーズＣスプリントの覇者だから、初ダートに対しての心配はまったくない。新潟の直線競馬を一気に逃げ切ったスノードーナツのスピードも見逃せないし、叩き２走目でキッチリと変わり身を見せたデスティニーソングも勝負根性の良さはなかなかのものがある。迎え撃つ地元勢では３勝馬ピンクドッグウッドは、差す競馬を覚えたことで、さらに安定感が出てきた印象。このレースの前哨戦であるリリーカップを勝ち上がったハタノオヌール、２着のシェアハッピーの両馬も、まだまだ伸びしろがありそうだから、中央馬を相手に回しても遜色はないはず。
【初日メイン】
○10月４日 10Ｒ 北のフルーツ王国よいち特別 ３歳以上Ｃ２－２組以下 距離1200ｍ
１．ルンタアグサン
２．イケノコナン
３．チェリーブラウン
４．ヤマノラバーズ
５．シリカ
６．エルブランシュ
７．グランロディア
８．サクラクロノス
９．ニットウハルキ
【展望】中央からの転入２戦目で鮮やかな勝ちっぷりを演じたエルブランシュ。もともと素質の良さに期待を懸けられていた馬だけに、いずれは中央再入厩の道を選択してくるだろうが、そのためにもここは負けるわけにはいかない。当面の相手は、立て直されて明らかに復調ムードのニットウハルキだが、末脚が切れるイケノコナンは、展開に注文はつくものの、嵌まった時の破壊力で首位肉薄のシーンは十分だろう。安定感が出てきたグランロディア、逃げるサクラクロノスも道中のペースひとつで食い下がりを警戒したい。
（厩舎の談話）
１．ルンタアグサン 前がかりに攻めずに、前走のようなレースが理想ですね。終いは確実に反応してきますから。あとは、展開が嵌まってくれるかでしょう。
２．イケノコナン 末脚に安定感が増してきました。時計が速くなっても対応できる馬ですから、不安な要素は少なくなりました。前走以上の期待を持って臨みます。
３．チェリーブラウン そう決め脚のある方ではないですが、相手なりに結構渋太い走りをしますからね。馬場さえ乾けば、崩れることはないでしょう。
４．ヤマノラバーズ この馬本来の走りができていない現状ですから、ここも多くは望めませんね。復調には時間がかかりそうです。
５．シリカ なかなか善戦の域から脱出できません。このクラスを勝つ力は持っていると思うのですが、キッカケが掴めません。ここも勝ち負けまではどうでしょう。
６．エルブランシュ 前回休ませたのは、いい休養になったでしょう。攻めもできていますし、動ける態勢です。前走のあの内容なら、昇級も苦にしないと思います。
７．グランロディア ここ数戦は、レースの流れと追い出しのタイミングが合えば、勝利に手が届く内容ですからね。今なら大きく崩れることはないでしょう。
８．サクラクロノス プレッシャーに強いタイプではありませんから、マークがきつかったり揉まれると力が出せません。この２戦の敗因は、そこにあると思います。
９．ニットウハルキ 前走後、牧場へ下げて調整してきましたが、順調にきています。前走は久しぶりに地力を見せてくれました。ここでの力関係だけでしょう。
（競馬ブック・松本英博）
