【開催見解】第21回園田競馬(2016/12/28~2017/1/4 重賞:兵庫ゴールドトロフィー、園田ジュニアカップ、新春賞)
私たち現場トラックマンが最も睡眠不足に陥るのがこの年末年始期間。今年もまたこの季節がやってきたかとなると何となく憂鬱になってしまう。仕事柄、仕方のないこととは言えもうかれこれ30年以上、一般標準家庭並みの年始を迎えたことがないような気がする。ちなみに今年は26日から年始2日まで8連荘での早朝(深夜)起きである。そんなワケですのでファンの皆様、私どもの疲れが吹っ飛ぶぐらいの馬券購入、予想紙購入お願いしますね。
園田競馬、年末年始シリーズは28~31日(水、木、金、土曜)と年が明けて2~4日(月、火、水)の開催。この間、兵庫ゴールドトロフィー(28日)園田ジュニアカップ(31日)新春賞(3日)と重賞は3鞍。
まず兵庫G Tだが、今年で16回目となるのだが、過去の勝ち馬はすべてJRA勢で地方勢は4頭の2着が最高、しかも地元勢に限ればアルドラゴンの2着、オオエライジンの3着があるのみ。今年も地元勢は苦戦だろう。しかし、地方他場馬はチョット違う。岩手ラブバレット、門別オヤコダカの前走、笠松グランプリ1,2着コンビが充実しているではないか。特にラブはレコード駆けの反動も一切ない様子、軽ハンデを生かして大物退治だ。JRA勢は前走カペラSの1,2着コンビ、ノボバカラ、ニシケンモノノフに更に勢いが付いた感じ。共に小回りコースも無難にこなすし、追い切りもシッカリ動いている。やはりこの2頭を中心視するのが妥当なのか。ドリームバレンチノは59.5キロのトップハンデがどう影響するかだが、 このレースは過去に1,2着と相性がいい。グレープブランデーはフェブラリーS勝ちの実力馬、それ以来、勝っていない点は気懸かりだが、力が力。しかも鞍上には武豊Jを配しただけに…。
31日の園田JCは10頭前後での争いになるか。3勝馬はホープクリスエス、ブレイヴコールの2頭だが、ホープは前走から1カ月半開いたローテーションに若干の不安、ブレイヴは前走内容と距離に若干の不安と勝ち頭でも絶対的存在ではない。ならば2勝馬マジックカーペット、キョウトブッサ。前走4カ月ぶりの一戦でも実にうまく内から抜け出したマジックは無敗の2勝馬、馬体センスからもまだまだ伸びしろはあるし、上昇度ならこの馬が一番と言ってもいいだろう。対するキョウトはスピード上位でもスタミナ 的に若干の不安。1勝馬からはマイタイザンの半弟イオタイザンが注目を集めることになるだろう。先行馬有利の流れの中、前走向正面から豪快に捲ったあの脚は本物。上がりも37秒9と他馬を遥かに上回る好タイムだった。鞍上は昨年ノブタイザンで勝利を射止めた杉浦J、果たして連覇となるのか。
年明け3日の新春賞はエーシンクリアー、サウスウインド、アクロマティック、トーコーヴィーナスと昨年、数々の重賞を射止めてきた馬たちの回避でやや小粒なメンバーに。となると前走金盃で完全復活したバズーカが一番か。川崎オールスターカップにもエントリーがあるが、確勝を期してどうやら地元戦に向かう見込み。中間の動きからも反動云々はない。ベルサリエーレは目下2連勝中、それも共 に完勝とまだ底を見せていない感、ポイントは1870メートルにどう対応するかだけ。オーケストラピットは3走前快勝の田中Jとのコンビで挑む。何故か、彼が乗ると道中の動きが変わる馬、伏兵以上の存在になりそう。タガノトリオンフも牝馬とは思えぬ根性があるし、上昇馬ウインゴスペルも軽量を生かせば意外と面白くなってくるかも。エイシンニシパは久々の地元戦、他場遠征で蓄えてきたパワー、このメンバーでどこまで通用するか、これは見ものである。また同馬管理の橋本忠師は翌4日で調教師勇退、花道を飾ることはできるのか。
(文:競馬キンキ 北防 敦)