【開催見解】第9回水沢競馬（12/24～12/31　重賞：桐花賞）

【開催見解】第９回水沢競馬（12/24～12/31）

　平成28年度の第９回水沢競馬は12月24日から前半３日間、12月30日から後半２日間の計５日間開催される。

　この開催の最注目レースはなんと言っても５日目（31日）に行われる岩手版・有馬記念、重賞『第42回桐花賞（とうかしょう）』ダート2000ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は14頭。

　ナムラタイタンはファン投票第１位。今シーズンはここまで３戦のみと使い込むことができなかったが、４月の赤松杯はラブバレットに６馬身差、５月のシアンモア記念はライズラインにやはり６馬身差の圧勝劇。休み明けの11月の絆カップこそナリタポセイドンにハナ差敗れたが、出走してくるからにはファンの期待にしっかり応えるあたりはさすがの地力。桐花賞は一昨年こそ展開のアヤで２着に敗れたが、昨年はキッチリ雪辱。今回は絆カップ→北上川大賞典と重賞を連勝中のナリタポセイドン（ファン投票第２位）の登録がないだけに負けられない戦いとも言えそうだ。

　コミュニティはファン投票第３位。今シーズンの重賞勝ちは５月のあすなろ賞のみ。この馬の実力を考えると少々不満だが、前々走の初冬特別を勝ち、前走の北上川大賞典が３着と復調気配。桐花賞は３年連続の参戦で、過去(1)(2)着。このレースではナムラタイタン以外に先着を許しておらず、水沢2000ｍへの相性は抜群。

　ライズラインはファン投票第４位。こちらも今シーズンの重賞勝ちは７月のすずらん賞のみだが、10月の南部杯(Jpn1)７着は地方所属馬としては最先着であり、それなりに地力は強化してきたと考えていいだろう。桐花賞は昨年、ナムラタイタン、コミュニティに続く３着。２度目の今回はそれ以上の期待がかかる。

　チョイワルグランパはファン投票第６位。元中央オープンの実績馬だが、８月の再転入以来、最高着順は平場の４着。ここでは荷が重い。

　ユッコはファン投票第８位。７月に移籍してきた中央１勝の牝馬だが、８月のビューチフルドリーマーカップで強力道営勢の一角を崩す２着と健闘。１番人気で３着と敗れたタイムビヨンドはその後、道営記念を勝ち、今月のクイーン賞(Jpn3)でも３着に食い込んだ実力馬だけに価値は大。この馬自身はその後、レディスプレリュード(Jpn2)９着、ＪＢＣレディスクラシック(Jpn1)８着、クイーン賞(Jpn3)12着と牝馬のダートグレード戦線を歩んだため着順こそパッとしないが、走り自体は悪くなく、強力メンバー相手によく食い下がってきた。牡馬相手の重賞は初登場となるが、今回の最大の惑星馬はこの馬かもしれない。

　マツリダアンバターはファン投票第10位。昨シーズンは３連勝ののちトウケイニセイ記念で４着に食い込むなど活躍したが、今シーズンは平場で掲示板すらままならない状況。ここでは出番がない。

　アントニオピサはファン投票第11位。中央４勝馬で、この秋、大井から移籍すると11月の霜月特別を快勝し、前走の北上川大賞典が２着と、まずは額面通りの活躍。先行力があり、この時期の馬場、距離＝2000ｍへの適性も高いと思われ、引き続き好勝負が期待できそうだ。

　トーホクアローはファン投票第12位。降格した今シーズンはＢ１が主戦場となったが、この桐花賞は３歳時から出走し、(4)(3)(4)(4)着。常に人気以上の走りを見せており、水沢2000ｍへの高い適性を示す追い込み馬。５年連続の掲示板確保という偉業？なるか？

　シャークはファン投票第13位。ここまで岩手で積み上げてきた勝ち星は26。重賞挑戦は５月のあすなろ賞３着以来の２度目。ただいま平場ばかり５戦連続２着と勝ち切れないでいるが、相手なりに走るという面もあり、見逃せない存在。

　サプライズハッピーはファン投票第14位。３歳牝馬ながら古馬Ａ級ランクの実力馬。全５勝中、重賞で４勝。グランダムシリーズのプリンセスカップ、日高賞で遠征馬を退け、岩手版オークス・ひまわり賞勝ちと大一番に強いイメージがあり、軽くは扱えない１頭。

　ファン投票第30位のナリタスーパーワンは競馬専門紙記者推薦。先週の白嶺賞が走路状態悪化で取り止めとなったため、ここが移籍緒戦となる中央ダート５勝馬。勝ち鞍はすべて1400ｍということで今回は距離がポイントになりそうだが、前々走のみやこステークス(G3)が勝ち馬から1.6秒差、前走の霜月ステークスが1.0秒差と状態面の低下は見せていない中での転入。絆カップ→北上川大賞典を連勝中のナリタポセイドンとは同厩舎・同馬主であり、ここは不気味な存在となる。

　ファン投票第40位のメテオライトも競馬専門紙記者推薦。このところ平場で３連続着外と近況はピリッとしないが、６月の大一番・みちのく大賞典２着がキラリと光る実力馬。当時と同距離の2000ｍを舞台に復活の足がかりを窺う。

　また、この他に補欠馬として、ミラクルフラワー（ファン投票18位）、サンエイホープ（ファン投票21位）の登録がある。

（文：エイカン　内山達明）