【開催見解】第7回金沢競馬後半(6/29・7/1)

2014年6月28日

 2014年度・第7回の金沢競馬は前半週が終了。残すは6月29日(日)、7月1日(火)の2日間。

 

 29日(日)のメイン(10R)は「岩間の噴泉塔群特別」(A1・1900m)

 1番 ヤマチョウサン 藤田弘治

 2番 トウショウバラード 吉田晃浩

 3番 メッセージ 中島龍也

 4番 エーティーショパン 池田敦

 5番 マイネルリボーン 吉原寛人

 6番 ケージーアメリカン 米倉知

 

 百万石賞後の開催や遠征の関係もあって残念ながら少頭数となってしまったが、好走を続けているマイネルリボーンが今季初勝利を挙げるべく吉原騎手を配して登場。ここ4走はナムラダイキチとセイカアレグロにしか先着を許していない点や長距離でより力を発揮する点を考えれば、ここは明らかに勝機。あら探しをするなら、長距離重賞を目一杯走った後の中1週と勝ち味の遅さだろうが、セーブ気味ながらも追い切りの動き自体は悪くなかったし、出遅れ癖も解消に向かってレース運びにも安定感が出ている。今なら何も心配はないはずだ。

 良血トウショウバラードはA2で8着→4着後のA1では常識的に厳しい条件だが、これまでと追い切りの動きが雲泥の差。陣営が手の内に入れてきた印象が強く、前開催をパスしたのは百万石賞参戦を嫌ったにすぎない。元々折り合いさえ付けば距離が延びてこそのタイプ。変わり身を期待。

 ケージーアメリカンも前開催をパスしたが、中間は十分な乗り込みで、体つきと動きがシャープになってきた。昨季も7月以降に成績を上げているように、本領発揮はこれから。1900mはベストとは言えないものの守備範囲。難なく前で立ち回れるメンバー構成も有利。

 上記3頭の争いと見るが、一角を崩すなら距離も向くヤマチョウサンの差し込み。

 

 7月1日(火)のメイン(最終11R)は「重賞 第32回読売レディス杯」(3歳以上牝馬・全国交流・1500m)。4年前から、牝馬の世代別重賞シリーズ・GRANDAME-JAPAN・古馬シーズンの第2戦として行われてきたが、昨年から施行時期が2週ほど早まって第1戦に。なお、北陸・東海・近畿地区の所属馬が1着になった場合はJRAのGIエリザベス女王杯のトライアル競走への出走権が与えられる。

 過去5年の勝ち馬・騎手・タイムは

 2009第27回 金沢・アウロラプラネット(牝4)岡部誠騎手 不良・1分35秒9

 2010第28回 兵庫・キーポケット(牝6)田中学騎手 良・1分35秒0

 2011第29回 笠松・エーシンクールディ(牝5)岡部誠騎手 稍重・1分33秒8

 2012第30回 笠松・エーシンクールディ(牝6)岡部誠騎手 良・1分35秒4

 2013第31回 川崎・センゲンコスモ(牝6)吉原寛人騎手 良・1分35秒6

 

1997年の第15回から交流競走として行われているが、名古屋5勝、笠松5勝、金沢5勝、兵庫1勝、川崎1勝。2009年こそ金沢馬のワンツーだったが、2008年は1~3着を東海勢が占め、2010年と2011年は他地区が1~3着を独占、2012年も地元勢はロッソトウショウの3着が最高、2013年は1~6着まで他地区勢。出走馬のレベルが上がったことで地元勢はやや分が悪いというのが近年の傾向。人気・配当面からは、人気馬がキッチリ勝つ傾向にはあるものの、2~3着に人気薄が突っ込んで高配当を提供しているケースがたびたび見られる。

 今年の出走予定メンバーは、

 キモンレッド(大井)…森泰斗

 エミーズパラダイス(船橋)…吉原寛人(金沢)

 ピッチシフター(名古屋)…大畑雅章

 エーシンサルサ(兵庫)…木村健

 クロスオーバー(高知)…畑中信司(金沢)

 ゴールドソレイユ(笠松)…吉井友彦

 ジョウテングレイス(金沢)

 ガッツオブトップ(金沢)

 イイデジャスト(金沢)

 ラピッズトウショウ(金沢)

 ダブルスパーク(金沢)

 マックスシャルビー(金沢)

 現状の力関係の比較は難しいものの、戦績を見ても他地区勢が優勢なのは間違いないか。

 最有力候補には名古屋のピッチシフターを挙げたい。金沢も昨年8月・MRO金賞(1着)と11月のJBCレディスクラシック(5着)で2度経験。今春に戦列復帰後もいきなり1400m重賞を圧勝し、GIIIかきつばた記念も見せ場十分の0秒7差4着。昨年までより馬体重も増えており、地方屈指の力を付けたと見ていいだろう。やや手緩い攻めだった前走も完勝したが、目標はここ。展開が不透明なメンバーだけに、自在に運べる点も心強い。

 大井のキモンレッドはJRA所属時とはいえ昨秋・JBCレディスクラシック(同じ1500m)ではピッチシフターに先着の3着。実力的には上と言っていい存在。大井転入後が案外で評価に迷うところだが、今回の方が戦いやすい相手なのは確かで、スンナリ運べれば変わってもいいはず。

 昨年2月GIIエンプレス杯で2着もある船橋のエミーズパラダイスも楽しみ。その後はやや物足りない成績ではあるし、約2ヵ月ぶり。加えて、気分良く先行が理想だけに大敗の前走1400m同様忙しい流れだと微妙な面はあるが、力さえ出し切れれば上位争い必至。

 兵庫のエーシンサルサは着実に力を付けてA1を3連勝してここに。4走前2着時の勝ち馬トウショウセレクトがピッチシフターに完敗している事実は物差しとしては気になるものの、逃げた方が強さが増しており、参考にならないと言えるかも。大目標は地元の次走だろうが、集中力が途切れない展開に持ち込めれば。

 地元勢では快足ジョウテングレイスが筆頭格。前走は少し長い1700mで競られただけに仕方ない。適距離のここに向け、これまで以上の追い切りも消化。これまでと相手とペースが違うのは確かだが、まだ上積みが見込めるはず。どこまで踏ん張れるかだ。

 大穴でダブルスパークを挙げておく。中央時は短距離で良績を挙げている馬だけに前走2100mは厳しい条件だったが、2着に踏ん張れた点は評価できる。元々、適距離のここ目標の転入。当地2走目で体も引き締まって更に仕上がりが増してきそう。揉まれない展開に持ち込めれば。

 

(文:競馬カナザワ 大井明洋)

 

 

 

 

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