【開催見解】金沢競馬 県営第11回[通算第13回]前半(9/11・13 重賞:サラブレッド大賞典)
2016年度・第13回の開催となる金沢競馬は、9月11日(日)、13日(火)、18日(日)、20日(火)の4日間。重賞が二つ行われる開催だが、18日(日)に行われる2歳牝馬重賞「金沢プリンセスカップ」の展望は出走馬が固まる次週に。ここでは前半週の展望を。
11日(日)のメイン11Rは「重賞 北陸四県畜産会長賞 第51回サラブレッド大賞典」(3歳・2000m・1着賞金250万円)
秋の3歳チャンピオン決定戦としてお馴染みのレース。大半の馬が未知の距離に挑むこととなるが、2012年から距離が1900mから2000mに、2014年から施行時期が10月から9月に。(この重賞が行われる開催で3歳戦終了。次回から3歳馬は一般編入。)
過去5年の優勝馬・勝ちタイム・配当などは
2011年 ナムラダイキチ(1番人気・中川雅之騎手)…前走・A2 1着
重 2分04秒0(1900m) 馬単1070円 3連単7250円
2012年 アルドラ(2番人気・米倉知騎手)…前走・A3 2着
良 2分11秒8(2000m) 馬単9390円 3連単215110円
2013年 ポセイドン(1番人気・吉田晃浩騎手)…前走・3歳A3 1着
稍 2分12秒1(2000m) 馬単3470円 3連単21870円
2014年 ケージーキンカメ(1番人気・平瀬城久騎手)…前走・イヌワシ賞 2着
良 2分12秒0(2000m) 馬単1150円 3連単7230円
2015年 ライブザドリーム(4番人気・鈴木太一騎手)…前走・3歳A1 1着
不良 2分13秒3(2000m) 馬単4600円 3連単36010円
過去1番人気で勝った馬の大半はこの時点で既に重賞勝ちがあるという共通点も。2012年の牝馬アルドラも春に北日本新聞杯を勝っていた。古馬A級で好走歴ある馬の好走率は高い。ただ、下のクラスで好成績を挙げて臨んだ馬も好走。実績もしくは勢いが必要か。
かつては金沢デビューの生え抜き馬が強かったが、今は中央出身馬が優勢で、過去10年で5勝(2009年セイリュウザクラ、2010年ナムラアンカー、2011年ナムラダイキチ、2013年ポセイドン、2014年ケージーキンカメ)・2着7回(2008年トラブルメーカー、2009年ヒカルサプライズ、2010年マイネキラ、2011年サーストンヴィンス、2012年ヤマカツティラノ、2013年マイネルリボーン、2014年デューイ)。他地区地方からの移籍馬は出走数自体が少ない。
牝馬は過去10年で3勝・2着3回。近年、勝ったのは2002年トゥインチアズ、2006年チヨノドラゴン、2012年アルドラ、2015年ライブザドリーム。ライブザドリームを除けば古馬オープンでも活躍の実力馬ばかり。
今年のメンバーは
1番 マイネルブルローネ 牡(JRA→名古屋) 鈴木太一
2番 エエカゲンニセイジ セン(JRA出身) 青柳正義
3番 ウインプリマ 牝(JRA出身) 中島龍也
4番 ブライトエンプレス 牝(金沢デビュー) 田知弘久
5番 ハーモニーエール 牡(JRA出身) 吉田晃浩
6番 ケイティマーヤ 牝(道営→岩手→名古屋) 畑中信司
7番 キュティリー 牝(金沢デビュー) 沖静男
8番 ザウアー セン(道営→岩手) 堀場裕充
9番 スマイリーキュート 牝(道営→浦和) 桑野等
5月の北日本新聞杯の覇者バーバリライオンは回避。そうなれば、北日本新聞杯2着、東海ダービー3着、MRO金賞2着と1700m以上の3歳重賞で常に好走しているザウアーが一歩リード。気性難を抱えていた馬が去勢して今春当地移籍後は素質開花。2開催パス(待機)した後の前走1700mも力の違いが歴然の6馬身差圧勝。1900mでの好走歴、展開に注文が付かないなど、死角らしいものは見当たらないが、珍しく直前の攻めが軽かったことがどう出るかだけ。
古馬A4と牝馬重賞を3連勝中のケイティマーヤも、この世代屈指の実力は間違いないが、鍵は距離延長への対応。現に1700mの北日本新聞杯で最下位に沈んでおり、更なる延長は割引が必要だろうが、当時は僚馬バーバリライオンがいて逃げられなかったのも確か。今の充実ぶりで単騎逃げなら克服の可能性はある。
充実ぶりが目立つウインプリマも楽しみ。前走・牝馬重賞も最後は迫った2着でケイティマーヤとは1300m適性の差が出ただけ。十分に攻められる今なら3歳トップクラスの力を付けたと見ていいだろう。体形が短距離向きに思えるだけに未知の2000m克服だけ。
エエカゲンニセイジも上昇一途。突如の豪雨で1週スライドの前走だったが、キツい流れの1700mを2番手から強い勝ち方。時計以上の評価ができるし、距離延長も心配なしを証明。中間もいい調整ができている。揉まれなければ好レースになりそうだ。
重賞で3着2回のスマイリーキュートも当然圏内。前走・牝馬重賞はスタートで落馬のアクシデント、その際の負傷明けにはなるが、問題ない中間気配。距離にも対応できる体形でもあり、1900mまで経験済みも大きい。立ち回り一つだろう。
13日(火)のメイン11Rは「JRA交流 金沢城賞」(JRA500万下・金沢A3~B1・1500m)
JRAからは、ナムラカグヤヒメ(池添謙一)、マルカロゼッタ(松山弘平)、クラウンビュレット(荻野琢真)、リバーコンサート(加藤祥太)、デューイハミテージ(柴田未崎)、セルリアンコスモ(金沢・藤田弘治)、が出走予定。
金沢からは、ルールゴールド、ベネフィットユー、チャームドライフ、シンカンイチコ(回避の可能性あり)、エイダイサンデー、ショウナンバスター、が出走予定。
同条件の6月21日・金沢犀川賞は、1・2着がJRA勢、3着が金沢馬(ラストノート)。当時同様、地方交流で現級勝ちはいるものの(ナムラカグヤヒメとマルカロゼッタ)、中央の500万下で連対している馬はいない(リバーコンサートの3着が最高)。今回も金沢馬が圏内突入の可能性もありそうだが…。
地方交流での良績を加味すればナムラカグヤヒメ、マルカロゼッタが有力候補。前者は安定した立ち回り、後者は一昨年冬に金沢で勝っている点が強味。中央での実績ではリバーコンサートが上位も、未勝利勝ちは1000m、500万下3着は1150mだけに距離対応が鍵。地元勢では、差し脚が魅力ベネフィットユー、堅実なチャームドライフ、もっと上でも好走実績シンカンイチコが圏内の候補。
(文:競馬カナザワ 大井明洋)