【開催見解】金沢競馬 県営第13回[通算第15回]後半(10/16・18 重賞:金沢シンデレラカップ)
2016年度・第15回の金沢競馬は前半週が終了。残す後半週は10月16日(日)、18日(火)の2日間。
16日(日)のメイン10Rは「サーモンフィッシング特別」(A2・1400m)
1番 エムティサラ 青柳正義
2番 ウエスタンプリンス 田知弘久
3番 ルールゴールド 栗原大河
4番 スマイリーキュート 桑野等
5番 コスモマイギフト 中島龍也
6番 エイダイムーン 吉田晃浩
7番 ヴァリアントアロー 畑中信司
8番 ナツ 吉原寛人
9番 モンスターバローズ 藤田弘治
10番 ナリタシーズン △塚本弘隆
前回のA1、A2、A3の勝ち馬も揃っており、好メンバー。1400mという短い距離と展開がポイントに。
変わってきそうなウエスタンプリンスを狙いたい。夏休み明けを2走したが、共にベストの「逃げ」が叶っておらず、持ち味を出せていないのも直線甘くなった要因。攻め内容や気配も上向いており、ここは遠慮なくハナを主張できる顔ぶれと枠順。すでにA2は3度勝っているし、本来は短距離向き。
前回A2が強かった3歳馬スマイリーキュートにも注目。ハナを切った前走は外から次々と来られる展開。それに付き合わず一旦下げてから追い上げ、後続を千切った内容は圧巻だった。このところ、しっかり攻められて馬体のボリューム感が増しているように、サラブレッド大賞典を制覇後の方が感触を上げている印象。短い距離にも対応できるスピードもある。同じA2でも相手強化だが、今の充実ぶりなら楽しみ。
好調なエイダイムーンも展開一つ。中1週続きでも追い切れている辺りが以前より体質強化の証。前走はスローになった分、届かずの3着だったが、ラストの脚は目立った。元々は1400~1500mでの瞬発力勝負を得意としていただけに、この条件でも不安はない。
前回A1勝ちコスモマイギフトは距離短縮で流れが速くなる点、そして馬場が乾く天気予報なのが割引材料だが、重賞でも好走ある実力馬が調子を上げているのは間違いない。課題のスタートを決めて先団に食らい付ければ、連勝も十分可能。
18日(火)のメイン11Rは重賞「GRANDAME-JAPAN2016 北國新聞社杯 第1回 金沢シンデレラカップ」(2歳牝馬・地方全国交流・1500m・1着賞金300万円)
今年新設された重賞で過去のデータ等はないが、ホッカイドウ競馬から3頭、笠松から2頭が参戦して、ハイレベルな一戦になりそうだ。
他地区からの出走予定馬は
アンジュジョリー(道営)…吉原寛人(金沢)
イケノアサ(道営)…佐藤友則(笠松)
ハリアー(笠松)…筒井勇介
フィールザファイア(道営)…東川公則(笠松)
メモリーロイヤル(笠松)…向山牧
金沢からの出走予定馬は
ヴィーナスアロー、ゴールドハリアー、ベアームート、バーバリアン、サウザンアイランド、ヤマミダンスの6頭
非常に比較が難しく、結論を出しづらいが、地元の無敗2頭に注目してほしい一戦。
ヤマミダンスは圧巻の2連勝で、前走時計は古馬A級レベル。逃げる競馬しかしていない点が大幅な相手強化でどうかなど、クリアすべき課題はあるものの、4月に門別の能検で800m50秒7の好タイムを出していたほどで、血統的にも逸材は間違いない。突破できると見た。
パイロ産駒のヴィーナスアローは5勝目の前走・金沢プリンセスCが初めて内で砂を被る競馬になったが、直線だけで差し切って見せた。この好センスと非凡な瞬発力は、もっと強い相手でも通用するはず。攻めも益々快調だ。
園田プリンセスCから転戦の道営2頭も再度の遠征さえ応えなければ当然首位候補。2着だったフィールザファイアは3着には3馬身差。1500mに延びるここもスンナリ先行できるかだけに思える。4着イケノアサはスタートでバランスを崩した影響も大きかったし、2勝は逃げ。本来の競馬なら巻き返していい。
同じく道営の連勝中アンジュジョリーはデビューが遅かった分、認定勝ちこそないが、追ってからもしっかりしており、楽しみな存在。道営から転入後2着→1着の地元バーバリアンも気分良く運べれば上位争いに加われていい。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)