【開催見解】金沢競馬 県営第15回[通算第17回]後半(11/13・15 重賞:北國王冠)
2016年度・第17回の金沢競馬は前半週が終了。残す後半週は11月13日(日)、15日(火)の2日間。
13日(日)のメイン(最終10R)は伝統の長距離戦「農林水産大臣賞典 重賞 第64回北國王冠」(3歳以上オープン・2600m・1着賞金350万円)
過去5年の勝ち馬は…
2011年 第59回 ジャングルスマイル(牡5)…吉原寛人 不・2分50秒7
2012年 第60回 ナムラダイキチ(牡4)…畑中信司 不・2分50秒4
2013年 第61回 ナムラダイキチ(牡5)…畑中信司 良・2分32秒8(2300m)
2014年 第62回 ケージーキンカメ(牡3)…青柳正義 不・2分51秒0
2015年 第63回 ジャングルスマイル(牡9)…平瀬城久 不・2分54秒3
※2013年は5月5日に2300mで施行
まずは年齢や性別の傾向。かつては6歳以上のベテランが活躍したが、2008年ノーブルシーズ、2009年トウショウデザイア、2014年ケージーキンカメは3歳馬の制覇、2004年センジュチカラ、2007年マツノショウマ、2011年ナムラダイキチが2着と、近年は斤量も2キロ軽い3歳馬の好走が増えている(2010年と2013年は出走なし)。ただ、今年は出走馬なし。牝馬の優勝は、近年では1999年ヒノデソシアル、2000年トラベラーの2頭だけだが、出走馬自体が少ない。
次は人気面。2009年こそ5番人気の伏兵が勝利も、過去10年で1番人気が7勝、2番人気が2勝と、勝ち馬の大半が人気馬。1番人気の好走確率はかなり高く、特に抜けた人気の馬は圧勝するケースが多い。また、2~3着に極端な人気薄が来るケースも少なく、2010~2014年は3連単880円、1380円、710円、720円、1370円と堅い決着が続いた。3連単導入後は万馬券決着が3回あるものの、いずれも1万円台。2着が5番人気コスモマイギフトだった2015年も8800円。大きくは荒れないレースだ。
最後に展開面。例年、レース中盤まではスローな流れ、2周目の向正面辺りからペースアップして上がりの速い決着になることが多い。つまり、長距離に対応するスタミナに加え、スピードや鋭い決め手も要求されるレース。差し一辺倒では流れが向かないケースも多々あり、好位より前で競馬をする馬が有利というのがこれまでの傾向。
さて今年のメンバー
1番 ヒロノプリンス 青柳正義
2番 グルームアイランド 吉原寛人
3番 カフジスター 桑野等
4番 コスモマイギフト 中島龍也
5番 トニーポケット 藤田弘治
6番 オープンベルト 堀場裕充
7番 ヤマノミラクル 塚本弘隆
8番 クランキングアップ 山口勲(佐賀)
9番 ジャングルスマイル 田知弘久
絶対的な存在はいなくなった金沢のオープン戦線。が、グルームアイランドが前走で復調を示す快勝。後退はないと見て期待したい。中日杯→川崎・報知オールスターCの重賞連勝が強かった昨冬には及ばないまでも、馬体の感触や動きは夏場より良くなっており、前走は勝負所のモタつきもマシだった。未知の2600m云々を案じる馬でもない。ねじ伏せて欲しい一戦だ。
まだまだ健在ジャングルスマイルが対抗格。10歳となった今年も春の百万石賞の制しているし、その後も順調。前々走イヌワシ賞こそ展開が厳しすぎて崩れたが、前走・笠松オータムC3着もハナを切れなかっただけに内容は悪くない。このレースも過去1着・2着・1着で、長距離戦で先行なら無類の強さ、道悪なら更に割増。他の先行馬も同厩舎の1頭くらい。展開も有利に思える。
調子を上げて参戦する昨年の2着馬コスモマイギフトにも注目。土曜・日曜こそ雨は降らないが、水分が残って得意の馬場になるはず。元々距離が延びてこそのタイプ。立ち回り一つで首位にも肉迫するかも。
A1を連勝→盛岡・芝の重賞3着ヒロノプリンスも面白い。8月のA1(1900m)では現にグルームアイランドを撃破(ハナ差)。1700m以上で先行して渋太さを生かすと遜色ないはず。少しレース間隔は開いたが不安ない攻め内容。展開一つだ。
伏兵を挙げるならトニーポケットとカフジスター。共に中央時は長距離で良績がある。差しが届く流れになれば上位進出も可能。
15日(火)はA級競走など目玉となるレースは組まれていないが、メイン(10R予定)は「オッズパーク杯」(B2-6組・1700m)。
ライフトップスター、アポロセイバー、クイニーアマン、エポナ、ラブノキセキ、メイショウナギサ、トウショウアパッチ、クワイトファイン、ウィステリアガール、キホンハシコ、アイラヴキャンディ、が出走予定。
この辺りのクラスでは珍しい1700m。距離適性が微妙な馬も多く、展開も流動的。判断の難しい一戦だ。
能力的には転入後連勝のトウショウアパッチだが、3着がある中央時も1200m以下の起用で、気性も短距離向き。自身との戦いに。好内容が続く先行馬ラブノキセキ、前走2着キホンハシコも距離延長に不安が残るタイプで、何とも言えない面。追込一辺倒だが前々走も1700mで惜しい2着ライフトップスターの一発があるかも。距離が延びてスムーズに運べた時のクワイトファインも穴っぽい存在。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)