【開催見解】第22回名古屋競馬(1/16～20　重賞：新春ペガサスカップ)

　第22回名古屋競馬は１月16日(月)～20日(金)までの連続５日間開催で行われます。今開催からはもうおなじみとなった金沢からの冬期遠征馬が出走。弥富トレセンには40頭が入厩してきました。担当の厩務員さんもすっかり顔なじみになった人や今季が初めての遠征となる人などなど、にぎやかな３カ月間の交流となります。ジョッキーは中島龍也騎手（名古屋滞在は初）と柴田勇真騎手（昨年に続き２度目）が短期騎乗する予定。昨年、笠松開催では好成績を残した金沢所属馬でしたが、名古屋開催では思うような結果を残せませんでした。今季は果たしてどうでしょうか。

　では、各日のメイン競走を紹介していきましょう。

　初日はＢ－１組の「孔雀座特別」（1400ｍ）です。勝ち組の７ハロン戦で激しい攻防が予想され、展開次第では波乱も十分ありそうです。本来なら明け４歳馬のウォーターディル中心なのでしょうが、前走後は歩様に乱れが生じて、順調な過程とは決して言えません。普段から乗り込み主体の調整で使ってくる馬にしても、調教を休んだ期間が長かっただけに信頼は置けないでしょう。移籍後６戦４勝のカフジイーグル、地力をメキメキつけてきたチムニーロックにも勝機は十分。伏兵陣もジェイエルフリート、ボールドハートと多彩です。ナムラリボンは同型が強力で、ハナへ行けないときにモロさを出してしまうかも。

　２日目はシリーズメインでもある３歳馬の重賞「第19回新春ペガサスカップ」（1600ｍ）。昨年、雪で順延になった重賞競走で、今年も週末の大雪で「すわ…」と心配されましたが、まあ何とか大丈夫かなあと。まずは残念なニュース。名古屋生え抜き馬でここへ向けて調整してきたメモリーファルコン（２戦２勝）が追い切り後の不安発生で回避。ミスオリオン引退後の主役と高い評価を集めていた素材だっただけに、陣営にとっても、名古屋競馬にとっても、あまりにも痛い。復帰にどれぐらい時間を要するのかは不明ですが、何とか再起を目指してほしいと願うだけです。となると、フリーゴーイングが俄然有力に。均整のとれた好馬体でダイナミックなフォーム。なぜ、これほどの馬が道営で未勝利だったか不思議なぐらい。一戦毎に強さを増してきていますし、すでに対戦したドリームズラインやサザンオールスターとは勝負付けが終わっていると見るべきか。ヤネは木之前葵騎手で、彼女にとっても早くも今年の重賞２勝目が目前に。笠松から単騎参戦のマルヨアキトもなかなかのセンスの持ち主で、兄マルヨスバル（笠松Ａ級で活躍、名古屋でら馬スプリント２着）以上の器ともっぱら。暮れのライデンリーダー記念２着だったメモリーミラクルは僚馬メモリーファルコンのぶんまで頑張ってほしいものです。他では名牝と言われたクインオブクイン（重賞９勝、エンプレス杯３着）の仔、クインザドリーム。華奢な馬体に似合わない根性娘。混戦になれば決め手が生きてくるかも。　

　３日目はＡ－３ａ組の「プリムラ特別」（1600ｍ）。復調気配にある元オープン馬のエーシンフルハウス、南関東時には重賞で好走歴のあるタケルオウジ、１ハロンの距離短縮でキクノレヨンあたりが上位を形成しそう。また、金沢から遠征のヒロノプリンスにも注目。

　４日目はＡ－２組の「まんさく特別」（1600ｍ）。オープンで勝ち負けできるようになったゴールドブラザーは馬体がひと絞りできていれば。でら馬スプリントの勝ち馬ハナノパレードはハナへ行けるようならでしょうか。新春盃２、３着のピースフルリバティ、ケントリュウコウも差はないのでは？　気配良好のゴールドピューマもマイル戦は好相性で折り合いひとつでしょう。他ではアカデミックドレスあたりか。

　最終５日目はＡ－１組の「ガーネットオープン」（1800ｍ）です。注目はなんといっても移籍後２戦２勝、出遅れながらも圧倒的な脚力で東海ゴールドカップをぶっこ抜いたアサクサポイント。中央1600万特別勝ちの実績はやはりダテではなかったようです。ここも問題ないのでは。それにしても大畑雅章騎手にはこれでもかと有力馬が集まってくる。カツゲキキトキトと重なったらどうするのだろう？と余計な心配をしてしまうぐらいです。現時点では２番手候補として最有力のヴェリテですが、アサクサポイントには戦々恐々で回避して笠松戦のプランも。となると、コスモナーダム、ヴェリイブライトが浮上。尾張名古屋杯の勝ち馬カツゲキライデンは意外と折り合いもついただけに、１ハロンの延長もこなすのではないでしょうか。新春盃を勝ったワンダフルタイムは楽な展開が望めそうにないだけに、試金石の一戦となりそうです。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）