【開催見解】第17回大井競馬(2/13～17 重賞:金盃)

　大井競馬は２月13日から17日までの５日間の昼間開催。

　２月15日には第61回金盃が行われる。古馬一線級が揃う歴史あるレースだが、2015年にはそれまでの距離2000mが2600mへと変更。日本で一番長い距離で実施されるダートの重賞となった。道中お互いに牽制しあっているうちに逃げ馬が振りきってしまったという例が多々あるように、長丁場はペース配分が鍵。2600mで繰り広げられるジョッキーたちの頭脳戦が見モノである。上位２頭にはダイオライト記念（３月15日船橋）の優先出走権が与えられる。

　さて、初日は「フェブラリー賞」がメイン。Ｂ２三組による1200m戦だが、実力拮抗する混戦ムード。休み明けを叩きながら良化しているオウカランブを中心視する。馬体も徐々に絞れ、本来の粘り強さが戻ってきている点に注目。

　リフレッシュ放牧明けになるウチデノコヅチは急仕上げの感もあるが休養前を比べると地力にそう差はない。キーパンチャーも秋以来のレースになるがTCKディスタフやトゥインクルレディー賞を豪快に差し切った母アウスレーゼ譲りの切れ脚を1200m戦でも炸裂させてほしい。ジュンサザンクロスは久々の大井コースになるが大井1200mでは４戦して１勝２着１回と好相性。

　２日目メインはＢ１二組、Ｂ３二組の「バレンタイン賞」。金盃にもエントリーしている登録馬もいる1800m戦。転入戦を叩いた上積みが大きいサヴァティアーノ。前走は金盃トライアルのガーネット賞で、スタート後手を踏むかたちから向正面で好位にとりつく想定外の競馬。そのぶん終いが甘くなって３着もメドは立った印象。

　マイネルリボーンはこれまで大井1800m戦を18回走っているが５勝２着１回、３着３回と大崩れがない。今回は前走から２キロ減の55キロになる斤量はプラス材料だ。明け８歳となり図太さが出たのか砂を被るレースにも対応できるようになっているスパイア。前走の船橋戦では先行策からパタリと止まってしまったドライヴシャフトは連闘策が功を奏すか。

　３日目は「第61回金盃」。半世紀以上歴史を刻んできたレース条件が、2600mのマラソンレースへと一昨年から変更。冒頭でもふれたように、長丁場のレースでは道中お互いに牽制しあっているうちに逃げ馬が振りきってしまったという例が案外多い。いかにペース配分をするか、2600mで繰り広げられるジョッキーたちの頭脳戦という面白さがある。

　距離未知数とあって難解なレースでもある。中央時代にはブラジルカップやベテルギウスステークスで２着するなどダートの長距離線で活躍していたオリオンザジャパンが大井に移籍し、緒戦から狙い目となりそう。差のないレースをしてきたミツバが川崎記念で４着していることからも帝王賞に向けた闘いに加わっていくことになるだろう。

　年末の師走オープンではセイスコーピオンを破りお見事だったジャルデイーノ。昨年の金盃優勝馬であり、マイルから長丁場まで幅広い対応力が身上。連覇を目指す。

　トライアルのガーネット賞を６連勝とまだ底を見せていない強者レイディルアレナ。2400mの東京記念の覇者ユーロビート。タイムビヨンドは道営時代から距離が伸びるほど本領発揮。牝馬ながらに道営記念を勝っており軽視はできない。

　４日目には準重賞「雲取賞」が組まれている。京浜盃の前哨戦としてクラシックへのステップレースとなる重要なマイル戦。上位３頭には京浜盃（３月22日）への優先出走権が与えられる。

　クラシックの有力候補が集まって、春の足音が近づいてるのを感じさせるが、本命視するのはティーケーグラス。小さかった馬体が成長すると共に切れ脚に磨きが掛かり、前走の白鳥特別では直線一気に突き抜けた。今回は内回りコースへの対応力が問われるが、切れ者の一撃に期待する。

　佐賀から移籍してきたスーパーマックスは自己条件と両にらみだが、デビューから無傷５連勝のスピード値高い走りに注目したい。平和賞勝ち以来になるスカイサーベル。平和賞で１番人気に推されながら３着だったマルヒロナッツオーは久々の実戦も巻き返し必至。

　５日目メインは「うぐいす賞」。Ｂ２四組、Ｂ３一組の1600m戦。マイルでも確実に終い伸びてくる末脚が魅力なマホウジン。距離短縮されるのがプラスに働きそうなガーデンズキュー。リフレッシュ休養を挟んだクインザヒーロー。東京プリンセス賞除外から骨折が判明し以来リズムを崩していたラッキーバトルも復調の兆しが見えてきた。

競馬ブック　中川明美