ダートグレード競走：JBCクラシック（JpnI）2020

　主役はクリソベリル。これまで8戦7勝で負けたのはサウジカップのみ。
この舞台ではジャパンダートダービー、帝王賞ともに快勝で適性の高さを示しているし、
間隔が開いても力は出せるタイプで態勢も万全。新興勢力の存在も見当たらず、
ほぼ勝負付けがメンバー構成なら普通に走って今回も結果を残せるはずだ。

当面の相手はオメガパフューム。前走の帝王賞ではクリソベリルに敗れたもののきっちり2着を確保したし、ジャパンダートダービー2着、18年、19年東京大賞典を連覇で昨年は帝王賞も制している。大井の2000メートルは滅法得意としており、大きな崩れはないと考えていいだろう。

　チュウワウィザードは浦和2000メートルで行われた昨年の覇者で、今年に入ってからは1月の川崎記念を制している。昨年の帝王賞2着、今年の帝王賞3着からこの舞台でも十分パフォーマンスは発揮できるだけに、上位の一角を形勢する。

　デルマルーヴルは勝ち味に遅い印象だが、その反面、相手なりで走りは手堅いし、地方では9戦して馬券圏外になったのは僅か1回だけ。今回はかなり強力なメンバーだが、力を要する地方のダートなら大差は感じない。

　ダノンファラオは今年のジャパンダートダービーの勝ち馬で、兵庫チャンピオンシップでも2着と地方のダート適性は高い。前走の日本テレビ盃は７着だったが、休み明けで中身が伴っていなかったのは事実。一叩きされた今回は違うはずだし、ジャパンダートダービーの勝ち時計も2分5秒台なら例年通りハイレベル。一変を警戒する必要があるだろう。

　地方勢ではジャパンダートダービー、フェブラリーステークスなど制して実績十分のノンコノユメが一番手。昨年のサンタアニタトロフィー以来、勝ち星からは遠ざかっているが、昨年の東京大賞典では2着に好走とまだまだ衰えは見られない。混戦になれば上位に食い込む余地はある。

　古豪サウンドトゥルーは今年の金盃と前走の東京記念をともに圧勝と存在感をアピールしている。元々冬場に向けて調子を上げるタイプだけに侮れない存在になる。

(勝馬　小栗啓裕)

ダートグレード競走「JBCクラシック（JpnI）」は、ジャパンブリーディングファームズカップ（略称：JBC）における競走のひとつで、アメリカのブリーダーズカップを参考に2001年より設立されたレースであります。開催場は持ち回り制で、今年は大井競馬場2,000mが舞台。昨年はJBC初開催の浦和競馬場で、チュウワウィザード号が迫る2番人気馬をかわし、1番人気に応え堂々ゴール、念願のビッグタイトルを手中に収めました。