レディスプレリュード(JpnII) 2023｜特集

「南関東の女王が前哨戦から圧倒」

　11月３日に大井競馬場で行われるＪＢＣレディスクラシックの前哨戦。過去１９回はＪＲＡ所属馬が優勝と地方馬にとっては鬼門だが、今年は昨年の２冠牝馬にして現在の南関最強クラスのスピーディキックが参戦。ジンクスを破り本番へ向けて高らかに凱歌を上げられるかに期待が高まる。

　本命は昨年の南関東牝馬クラシック２冠のスピーディキック。３冠制覇が懸かった関東オークスでは惜しくも３着に敗れてしまったが、距離適性と立ち回りの巧さに敗れた格好。その後、南関東では戸塚記念、ロジータ記念、東京シンデレラマイルを圧倒的な強さで勝利。年が明けて果敢に挑戦したフェブラリーＳはＪＲＡの強豪マイラー相手に６着と大健闘。帝王賞連覇のメイショウハリオとは２馬身差だった。かしわ記念でも地方馬最先着と今回のメンバーでは実績面で抜けている。この実績にして５５キロの斤量は有利だし、【３０００】と得意にしている大井コースも後押し。捲り一撃で仕留めるとみた。

　対抗は３走前に今回と同舞台のＴＣＫ女王盃を制覇しているグランブリッジ。交流重賞４勝と牝馬路線の安定株。前走は新馬戦以来久々に崩れたが、発馬で躓き内枠を生かせなかったのと４ヵ月の休み明けが響いた形。スムーズなら際どい勝負になっていたはずだ。昨年のＪＢＣレディスクラシックで敗れたヴァレーデラルナには今年２戦２勝と借りを返しているし、斤量も１キロ軽いのは好材料。また、鞍上には今年の地方交流重賞で９勝とインパクト絶大の川田将雅騎手も心強い。

　３番手評価は昨年のＪＢＣレディスクラシックを制覇したヴァレーデラルナ。早目先頭で粘りに粘って、交流重賞４連勝のショウナンナデシコやグランブリッジの猛追を凌いだレースは強いの一語に尽きる。以降は勝ち星から見放されているはもどかしいが、先行自在に捌ける脚質は魅力。久々がカギだが、乗り込み量は豊富で好仕上がりで臨めそうだ。

　ライオットガールがメンバー唯一の３歳馬。過去に３歳馬の優勝は１度のみと古馬の壁に阻まれているが、レパードＳの勝ちタイム１分５０秒８は、過去を振り返っても（良馬場の中で）優秀。０秒２差速いタイムで勝利したグレンツェントはその後、古馬相手の東海Ｓを勝利している。レース内容も２番手を先行して最後まで抜かせない勝負根性が光っていた。今回は絶好枠を引いて斤量は５３キロ。未知の魅力に賭ける手も。

　逃げが予想されるテリオスベルの粘り腰は常に注意が必要。前走のブリーダーズゴールドカップはダッシュひと息だったが、江田照男騎手の叱咤に応え１コーナー手前でハナを奪取。そして４馬身差の圧勝と牝馬同士なら力が上であることを証明した。今年のＴＣＫ女王盃は４着だったが、勝負付けが済んでいると判断するのは時期尚早。

　武豊騎手が騎乗するアーテルアストレアも要注目。初の交流重賞挑戦だったエンプレス杯は４着だったが、明らかに距離適性の差が出た印象。これまでの勝ち星５勝は全て１８００メートル。得意の距離に替わって差が縮まりそうだし、右回り克服なら更に上位も目指せる。


◎スピーディキック
○グランブリッジ
▲ヴァレーデラルナ
△ライオットガール
△テリオスベル
△アーテルアストレア

(ケイシュウＮＥＷＳ　堀越裕己)