ダートグレード競走：マリーンカップ（JpnIII）2021

　「ダートで開眼！フェアリーポルカに熱視線」

　新年度を迎えた船橋競馬の重賞第１弾は牝馬のダートグレード競走であるマリーンカップ。今年は７頭という少頭数になったが、昨年の覇者や芝の重賞勝ち馬など、個性派が揃って人気も割れそう。配当面の妙味はあるだけに注目の一戦だ。

　フェアリーポルカは今回がデビュー以来、初めてのダート戦。砂の適性に評価は分かれるが、血統面を紐解くと、叔父のサイレントディールが初ダートの武蔵野Ｓで１着、叔母のトゥザヴィクトリーは同じく初のダートだったフェブラリーＳで３着に好走しており、同馬には心強いデータ。昨年は中山牝馬Ｓ、福島牝馬Ｓと芝の重賞を連勝。力通りならいきなり主役に。

　サルサディオーネは昨年の当レースの覇者。ハナを奪って主導権を握れば、速力を前面に生かして容易にバテないタイプ。前走のエンプレス杯では３コーナーからマドラスチェックの強襲をがっちりと受け止めながら、勝ち馬マルシュロレーヌとは０秒１差の２着に健闘した。船橋は重賞を３勝している得意のコース。連覇を目指して一目散の逃げを披露するか。

　テオレーマは今回が初の重賞挑戦。ＪＲＡ２勝クラスを５戦でクリア、３勝クラスを２戦でクリアして本格化ムードが漂う上がり馬だ。特に前走の小倉ダート1700メートルでは水の浮くコンディションの中、絶望的な位置から大外一気の離れ業。上がり３ハロン35秒６は並みの馬ではできない。鞍上に川田騎手（今年、ダートグレード競走を５勝）を迎えて注目の存在。

　レッドアネモスは昨年のクイーンＳを勝った実力馬。初のダートになるが、力のいる洋芝の札幌で良績を残し、パワー型のヴィクトワールピサ産駒だけに問題ないと判断できる。ここ２戦は今ひとつも、立て直して砂の舞台で復活のシーンも。

　マドラスチェックは昨年の大井・ＴＣＫ女王盃に続く重賞２勝目に向けて全力。前走のエンプレス杯は３着が一杯だったが、引き続き森騎手鞍上で距離短縮もプラス。牝馬交流重賞で主役の座を射止めるためにも、存在感を打ち出したい一戦。


◎フェアリーポルカ
〇サルサディオーネ
▲テオレーマ
△レッドアネモス
△マドラスチェック

（競馬ブック　八重樫英貴）

4月ダートグレード競走第一弾は春の船橋を華やかに彩る牝馬限定＆距離1,600mのレース。 過去の勝ち馬にはホワイトフーガ、サンビスタ、アンジュデジールなど名だたる女傑ばかり。無観客で開催された昨年のレースは、5番手評価だった大井所属のサルサディオーネ号が先行策でレースを進め、最後まで脚色鈍ることなく逃げ切りゴール。好成績を残していた船橋コースで見事ダートグレード競走初制覇となりました。