【開催見解】第19回大井競馬(3/5~9 重賞:フジノウェーブ記念)
大井競馬は3月5日から9日までの5日間。
三寒四温。吹く風に春の訪れを感じるようになった昼間開催。
今開催3日目に実施されるのは第9回フジノウェーブ記念。東京スプリング盃として創設された第1回から4回までを四連覇したフジノウェーブの功績を称えて第5回からフジノウェーブ記念と名称変更されている。
フジノウェーブといえば、笠松でデビューし3歳で大井の高橋三郎厩舎に移籍すると、地方馬初のJBC制覇となった第7回JBCスプリントをはじめ9つの重賞タイトル。四連覇の偉業を成したのが11歳の時で、スプリント界で息の長い活躍をした。引退後は誘導馬として新たな道に進む予定だったが不慮の事故で早逝している。
さて、初日は「八丈島フリージア賞」がメイン。B1二組・B2二組による1200m戦。
8頭立てと少頭数になり、すんなりハナを切れると渋太いジュンサザンクロス。久しぶりの1200m戦でも粘りきりそう。リターンラルクは挫石明けだが中央時代に1000万クラスで連対もあり能力的には互角に渡り合える。ジョワラルムは昨年の優駿スプリント3着馬。1000~1600m戦で逃げ、差し問わず善戦を重ねているぶん展開ひとつ。
2日目は春の恒例ジョッキーデー。
10Rには大井所属騎手だけが騎乗できる「キャピタルステッキ賞」、そしてメインにはB3選抜馬の「ゴールデンステッキ賞」が行われる。
ゴールデンステッキ賞は昨年の大井競馬での騎乗成績上位20位と南関東の上位15位の騎手だけが騎乗できるレース。
ゴールデンステッキ賞に騎乗できる選定騎手は以下の22人。
石崎駿/柏木健宏/今野忠成/左海誠二/坂井英光/笹川翼/繁田健一/瀧川寿希也/達城龍次/中野省吾/西啓太/本田正重/真島大輔/町田直希/的場文男/御神本訓史/本橋孝太/森泰斗/矢野貴之/山崎誠士/横川怜央/和田穰治
「ゴールデンステッキ賞」はミラクルウィング中心。昨秋に中央500万下から転入すると危なげなく2連勝。今回はB3への昇級戦で試金石とも言えるがあっさりクリアしてしまいそう。1800mは中央時代に何度も経験している距離で不安材はない。
前走の金沢からの移籍戦で3着ながら見どころあったビタミンエース。シーザワールドはなかなか勝ちきれないが1800m中心に使われ、うまく先手を取れれば。
3日目は「第8回フジノウェーブ記念」。冒頭でもふれたようにこの競走を創設から四連覇したフジノウェーブの功績を称えて昨年に名称変更された1400m重賞。勝ち馬にはダートグレード競走の第29回東京スプリント(4月18日大井)への優先出走権が与えられる。
春季スプリント重賞の序章とあって好メンバーが揃って実力馬が上位拮抗するが、斤量がポイントになりそうだ。。
中心視するのはキャプテンキング。中央からの移籍緒戦で羽田盃を見事制覇。東京ダービーでは2着。7ヶ月ぶりの実戦だった報知グランプリカップでは12キロ増していたが初の古馬相手に3着する地力を見せた。ひと叩きして距離短縮となれば本領発揮だ。
昨夏にアフター5スター賞、東京盃と連勝したキタサンミカヅキは速い流れで切れ脚生かせれば。昨年の覇者ケイアイレオーネは衰え知らず。転入戦の前走で快勝リッカルドはいきなりの斤量3キロ増がどう響くか。ゆったりしたローテーションで4連勝中キャンドルグラス。
4日目には「クラシックトライアル」が実施される。
クラシックの前哨戦としては比較的早い時期に行われるスペシャルなトライアルで距離は1800m。勝ち馬はいきなり第一冠・羽田盃と第二冠・東京ダービーへの出走権が得られ、2着馬には第一冠・羽田盃の出走権が与えられる。
デビューから3連勝中モジアナフレイバー。中央未勝利戦勝ちから南関東移籍したスプリングマン。シュヴァルダムールは道営でスーパーフレッシュを勝ち、ブリーダーズゴールドジュニアカップやサンライズカップの重賞にも出走した豊富なキャリア。7戦して2着が5回というグラビット等、クラシックに向けて虎視眈々な3歳の素質光る馬たちが揃った。
5日目メインは「アクアマリン賞」。A2下の1800m戦。
今年から新設される重賞ブリリアントカップのトライアルレースで、1着馬には優先出走権が与えられる。
注目はフミノインパルス。
南関東移籍後11戦して9勝。C1から一気に3連勝、6連勝と一気に駆け上がってきて現在はA2。負けた2戦はいずれも後手を踏んで後方からになったときで、前走は休み明け。叩かれた上積みも十分。
前走チークピーシーズをつけて反応良くなったタマモベルモット。ひと叩きした地力馬キングガンズラック。末脚切れるステイサウンドは得意の距離で。
競馬ブック 中川明美