【開催見解】第7回門別競馬(7/10~19 重賞:ノースクイーンカップ、星雲賞)

第7回門別競馬展望

 中央函館競馬の函館2歳Sへ優先出走権が得られる第43回栄冠賞は6月28日に行われた。戦前から傑出馬不在のレースであり、非常に難しい一戦となったが、当初の予想通り、前半の3ハロンが34秒8という超ハイペース。テンから激しい攻防が繰り広げられ、中団、内々を追走していたイッキトウセンが、内から鮮やかに抜け出していた。2着に人気薄のウィンターフェルが入って、3連単は19万円弱の配当。いずれにしても、この先も2歳重賞戦線は、予断を許さない状況が続くと考えていいだろう。7月5日は1000mの電撃戦、第4回グランシャリオ門別スプリントが行われた。大勢は約8カ月ぶりとなった昨年の覇者タイセイバンデットと順調に使い込まれてきたカツゲキライデンとの一騎打ちムードだったが、久々のためか、タイセイバンデットに本来の行き脚がつかず、一方の雄カツゲキライデンが好ダッシュから逃げ切り快勝。7歳馬だが、まだまだ伸びしろはありそうだし、8月のエトワール賞で再び相戦うときが待っている。

 この7回門別開催から11月の最終週まで、前節、後節ともに火曜、水曜、木曜の3日間の日程で行われるが、今開催の重賞レースは、後節5日目のノースクイーンカップ、6日目の星雲賞が組まれている。

 

【重賞】

○7月18日 第17回ノースクイーンカップ登録馬 3歳以上オープン、牝馬 距離1800m

・アップトゥユー

・ジュエルクイーン

・ヤマミダンス

・アルティマウェポン

・ディナスティーア

・ノーブルサファイア

・ソーディスイズラヴ

・ジュンアイノキミ

・クオリティスタート

 

【展望】ヒダカソウカップ3連覇を目指したジュエルクイーンが3着に敗れた。圧倒的な人気を裏切る形になったが、ドロンコ馬場に脚を取られて思うように動けなかったのもの。今年で6歳だから、勿論、まだ老いる年齢ではない。昨年勝ったこのレースを勝って、本当の意味で軌道に乗せたいところ。ヒダカソウカップで3馬身差の快勝を演じたディナスティーア。短距離戦で培った瞬発力を、内回り1600mで見事に花咲かせたわけだが、同じ牝馬同士の一戦とはいえ、今度は外回り1800m。どう折り合いをつけるかが最大の焦点になるだろう。その点、2着のアップトゥユーは、前々走で1800mを経験しているだけに、こちらの方を上に見立てるのが正解かもしれない。中央から転入してきたアルティマウェポンも叩かれた分の上積みが見込めるだろう。将来性豊かなクオリティスタートも前走が今後の糧になったはずだ。

 

 

○7月19日 第15回星雲賞登録馬 3歳以上オープン 距離1600m内回り

・サトノプリンシパル

・オヤコダカ

・ドラゴンウィスカー

・メイショウノーベル

・スーパーステション

・メイショウアイアン

・シングンヴィグラス

・モズオトコマエ

 

【展望】コスモバルク記念、赤レンガ記念を連覇。いずれも逃げて後続を完封したスーパーステションが、今度は内回り1600mにターゲットを絞ってきた。その2戦ともに王者オヤコダカを寄せつけていないのだから、この強さは間違いなく本物だろう。サトノプリンシパルという名うてのスプリンターが参戦予定だから、2~3番手追走の形で、どう折り合うかが最大のポイントになりそう。オヤコダカは赤レンガ記念のあと、立て直しを図られて王座復権を狙ってきた。今回も強敵は先行する一頭だから、オヤコダカにとってレースとしての組み立ては容易いはず。格下からの参戦となるモズオトコマエは、中央を含めて僅か9戦のキャリアだが、まだ底が割れていないのも事実。相手なりに走れる持ち味を生かせれば、食い込みがあっても不思議ではないだろう。

 

 

○7月10日 初日10R 日高町水道協会特別 3歳以上C1-2組以下 1200m

1.ヨシノファルコン

2.サウンディングベル

3.キールアイス

4.キミニヒトメボレ

5.サンシアトル

6.ネイチャーキング

7.オープンアーム

8.サクラプレミア

9.ローレンアイザック

10.ツル

 

【展望】サウンディングベルは中央から南関東を経て、今春から門別競馬に参戦してきたが、開幕当初は詰めにきて甘さが目立っていたものの、叩かれつつ良化を辿って、前走で初の連対圏に突入。ここまで良くなれば、もう後退はないと判断したい。認定牧場で順調に調整されてデキも安定している。B級相手でも好勝負を演じているサンシアトル。やや勝ち味に遅い面を残してはいるものの、今回の組み合わせなら、大きく崩れることはない。今季4戦3勝、メキメキと頭角を現してきたネイチャーキング。勢いづいた3歳牡馬だけに昇級の壁は存在しないはず。あとは、好調持続のツル、ヨシノファルコン。

(厩舎の談話)

1.ヨシノファルコン 本来の馬体に戻ってはいないのですが、粘りが出てレースぶりに復調が窺えます。強気とはいかないものの、悪い競馬はしないと思います。

2.サウンディングベル 走りに前向きさが出てきました。ここ2走くらい走れれば、勝機もありそうな感じです。相手次第とは思いますが、楽しみを持っています。

3.キールアイス 大敗続きで時計も詰まってこない現状ですから、この条件では力が足りないということでしょう。厳しいですね。

4.キミニヒトメボレ 馬体も減らさずにきていますし、緩やかながら状態は上向いています。タイムを詰める必要はありますが、着はあっていいと思いますよ。

5.サンシアトル 結果を出せていない現状ですが、デキはいいんです。今回はクラスが下がっていますので、優位に立てるでしょう。勝利を手にしてほしいですね。

6.ネイチャーキング 体質が強い馬ではないので入念にケアしながら使っていますが、昨年と比べていい調子です。前走は古馬相手に力を見せてくれました。

7.オープンアーム 距離を延ばしましたが変化がなかったですね。1200mに戻しますが、真剣に走ってくれないことにはねえ。力を出し切れば間に合うはずです。

8.サクラプレミア 調教は順調ですが、まだレースぶりが良くなってきませんからねえ。ここもどうでしょう。アテにしづらいところです。

9.ローレンアイザック今季は一進一退のレースぶりです。デキが悪いということはありませんが、まだ大きな期待は懸けづらいですね。短距離でどこまで。

10.ツル 着順はひとつ落としましたが、この馬の競馬はできていました。力の差はないと思いますから、展開ひとつでチャンスがあるのではないでしょうか。

 

 

○7月10日 初日11R 日高町建設協会特別 3歳以上C1-2組 距離1700m

1.ナムラランボー

2.タイセイレガシー

3.スピリア

4.ミネサランチェゴ

5.ヤマニンフライハイ

6.アートオブダムール

7.チェリーウイング

 

【展望】転入4戦目で初勝利を飾ったタイセイレガシー。中央から船橋を経由、今春から門別に転厩となったが、中央時代では相当に期待されていた器であり、ようやく前走につながった印象。心身ともに成長すれば、このクラスでウロウロするはずはない。相手というか逆転を狙っているのが堅実無比のアートオブダムール。スンナリと先行できる組み合わせだから、さらに信頼度がアップ。両馬に割って入るとすれば、ここにきて常識にかかり出したヤマニンフライハイ。クラス慣れが顕著なナムラランボーも大きな開きはない。

(厩舎の談話)

1.ナムラランボー 内回りの流れの方が向いている馬ですが、外回りでもしっかりと走れるようになりました。このクラスを突破するメドも立ちました。

2.タイセイレガシー 前走は事がすべてうまく回った印象もありますから、昇級戦となるとどうでしょうね。差のない勝負はできると見ているんですが・・。

3.スピリア 気ムラな面があるとはいえ、最下位という結果には不満が残ります。レースに参加できませんでしたね。展開ひとつ、乗り方ひとつだと思います。

4.ミネサランチェゴ 前走は昇級戦だったとはいえ、ちょっと負け過ぎ。時計の落とし方からも、力を出し切れなかったのは確かです。デキに問題はありません。

5.ヤマニンフライハイ 前走は少し進境が見えましたが、まだ詰めの甘い部分がありますね。何より自分のリズムで運ぶことが好走の条件です。

6.アートオブダムール なかなか勝ち切れませんね。状態は上向いてはいないですが、大きく崩れることはないと思いますよ。あとひと押しが利いてくれれば。

7.チェリーウイング 転入緒戦で何とも言えないのが正直なところですが、園田での成績から、このクラスなら見劣らないように思います。メドを立ててほしいね。

 

 

(競馬ブック・松本英博)

 

 

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