【開催見解】金沢競馬 市営第2回[通算第9回]前半(7/22・24 重賞:金沢スプリントカップ)
2018年度・第9回の金沢競馬は、7月22日(日)、24日(火)、29日(日)、31日(火)の4日間。珍しく古馬重賞が2日目(24日)に行われるが、ここではその前半週の展望を。
22日(日)のメイン11Rは「鶴来の夏祭り!2018特別」(A2-2・1400m)
1番 ナンヨーアイリッド 中島龍也
2番 スカイリモーネ 青柳正義
3番 ヤマチョウルンバ △塚本弘隆
4番 ツエーゲン 葛山晃平
5番 アウズ 畑中信司
6番 ルールゴールド 栗原大河
7番 スプリングボックス 吉田晃浩
連闘となる馬が回避多数で7頭立てになってしまったが、全馬圏内の拮抗メンバーで超難解戦。今季逃げれば3戦3勝のスカイリモーネの逃げと予想も、近走より同型が楽になるツエーゲンがどういう出方をするかがレースの鍵。また、先週までと同様に最内だけ走りやすい馬場になると「好位のイン」を取り切った馬が有利に。
その辺りを考えると絶好枠を引いて好ポジションが見込めるナンヨーアイリッドに期待したい。スタートが決まるようになって安定感が増してきており、前開催をパスした点も馬体回復が見込める点でプラスに作用か。走破時計もA2昇級でも通用レベルだが、中央1勝・500万下2着2回の実績からも本来は格負けしない。
前回1500mのA2-2で3着ルールゴールド、4着ヤマチョウルンバも当然上位候補だが、その前回は内外の差が出ただけ。今回は枠や距離的にヤマチョウルンバの方が面白いかも。昇級戦のスカイリモーネも逃げさえ打てれば通用しそう。アウズ、スプリングボックは距離不足ではあるが、実績と決め手上位は確かで、捌きやすい頭数で浮上も十分。
24日(火)のメイン(11R予定)は「重賞 日本トーター杯 第16回金沢スプリントカップ」(3歳以上・東海近畿交流・1400m)
金沢では珍しい短距離の重賞。9月にオータムスプリントカップとして行われていたが、2013年から7月に移動して、名称も少し変更された。
過去5年の優勝馬は
2013第11回 サミットストーン(金沢・牡5)吉原寛人 良・1分28秒6
2014第12回 セイカアレグロ(金沢・牡9)吉田晃浩 稍・1分29秒2
2015第13回 トウショウセレクト(兵庫・牡8)木村健 良・1分28秒3
2016第14回 タガノギャラクシー(兵庫・牡6)下原理 不良・1分28秒3
2017第15回 ライスエイト(笠松・牝3)池田敏樹 不良・1分28秒0
2008年は笠松・名古屋勢が1~4着を独占したが、2006年までと2009年は地元馬と遠征馬で1着2着を分け合う結果。以降は地元勢が優勢で2014年まで6連勝。近年は
2015年…1着(兵庫)→2着(名古屋)→3着(金沢)
2016年…1着(兵庫)→2着(兵庫)→3着(笠松)
2017年…1着(笠松)→2着(兵庫)→3着(金沢)
昨年は異例の3歳牝馬の優勝。2年連続で好走する馬が多いのも特徴のレース。
牝馬の連対は2008年シールビーバック、2010年クイーンズコート(2着)、2014年タッチデュール(2着)、2017年ライスエイトの4頭。3着も3回だが、牝馬の出走自体が少ないだけで有利不利は感じず、参考程度のデータと言えそう。
スピードが要求される距離だけに、先行馬同士の決着は多いが、ナムラグローリーは後方から差し切って連覇(2009年は3着にもコパケンサンバが突っ込んで3連単74340円)。人気薄の差し・追込馬が台頭することも多いレース。特に穴党の方にはそういった脚質の馬がオススメだが、勝ち馬はある程度人気を集めていただけに、あくまでヒモ穴での狙い。
今年のメンバーは(20日時点の出走予定馬9頭・予定騎手)
エイシンスパルタン(兵庫) 田中学
ベルサリエーレ(兵庫) 松本幸祐
チーフアセスメント(兵庫) 吉村智洋
ハドウホウ(笠松) 佐藤友則
ライスエイト(笠松) 池田敏樹
ジッテ(金沢) 藤田弘治
ノースウッド(金沢) 吉原寛人
ディアグリスター(金沢) 栗原大河
トウショウプライド(金沢) 吉田晃浩
馬場的にも「どの馬が逃げるか」「どの馬が好位インを取り切るか」で結果が大きく変わりそうだが、まずはジッテ、ライスエイト、ベルサリエーレらの逃げ争い焦点。いずれにせよ先行馬揃いの顔ぶれだけに、速いペースは避けられそうにないが…。
元JRAオープンのエイシンスパルタンが出走してくるからには期待すべきだろう。休養を経て今年2月から兵庫で4戦も、2度の敗戦はダートグレード遠征、地元A1は2戦2勝で共に完勝。真夏の出走経験がない点、イレ込む気性がこの時季の遠征でどうかだけ。
地元勢では前走・日本海スプリントを逃げ切ったジッテに期待。これで転入後6戦5勝。崩れたのは逃げ競りに敗れた長距離の百万石賞だけ。「逃げ」なら底を見せておらず、前走900mより1400m辺りがベスト。中2週だが好調キープ。枠順と遠征勢の出方に尽きる。
チーフアセスメントは出負けして前走は崩れたが、斤量58kgや7月6日の取り止め→スライドも影響か。夏場に好走歴、逃げがベストでも2~3番手OKの戦績だけに展開一つ。
連覇を目指して参戦ライスエイトはコンスタントに走れるタイプではないが、前々走勝ちなどを見ても1400m・逃げなら大きく違う馬。行き切れれば面白い。
先行激化になるようなら差しもこなせる地元勢ノースウッド、ディアグリスターの浮上もありそうだ。好走時の内容や距離適性を思うと、強豪揃いでも見劣らないはず。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)