【開催見解】金沢競馬 県営第8回[通算第10回]前半(8/5・7・9 重賞:MRO金賞)
2018年度・第10回の金沢競馬は、8月5日(日)、7日(火)、9日(木)、14日(火)の変則4日間。「日・火・木・火」の開催ですので、お間違えのないようにお願いします。注目の重賞も2つ組まれている開催だが、ここでは前半週3日間の展望を。
5日(日)のメイン10Rは「楽天競馬で夏ケイバを楽しもう特別」(A2-2・1500m)
1番 タツミリュウ 堀場裕充
2番 シンプリースパーブ △塚本弘隆
3番 トップエンパイア 服部大地
4番 スカイリモーネ 平瀬城久
5番 カトリーヌスリジエ 栗原大河
6番 サノラブ 米倉知
7番 オイヌサマ 青柳正義
8番 シミケンラブ 畑中信司
9番 アイナ 池田敦
10番 ノアキャッスル 中島龍也
11番 タカラブネクイーン 吉田晃浩
逃げたい馬がザッと数えて5頭。これらの先行争い次第で結果も大きく変わりそう。先行激化となれば差し浮上も十分だが、正直やってみないと分からない一戦ではある。
転入初戦となるJRA 1勝の4歳馬サノラブに期待してみたい。この馬も逃げた方がいい戦績だけに、展開面が気になるところだが、良績は1200m以下ではあるものの、馬体の印象的には1500mくらいまでは問題ないと見る。追い切りもマズマズの時計が出ており、戦績比較でも能力で見劣ることはない。気難しい面さえ出さなければ先団から好レース。
前走のように逃げればオイヌサマは力上位。先週をパスして2着時と同条件の今週に回ったローテだが、昨夏もA2-1→A1-1を連勝しているほどで、実力面や時季的なものは心配あるまい。同型を制して行き切れるかが浮沈の鍵。
カトリーヌスリジエは調子を上げているように映る。前走の牝馬戦・クイーン特別はインからの遅れ差しの3着とはいえ、あのメンバーで好走できたことは自信に。昨夏は3歳重賞戦線で善戦、先行激化で展開も向きそう。気分良くロスなく流れに乗れれば好戦。
アイナも見限れない。A1-2で好走多数の実績を下回る近走成績だが、3~4走前は不利な外を回った分、前々走は序盤でゴチャついた影響大、前走は上位2頭が強すぎ。ロスなく回って差す展開になれば、決して見劣らないはず。
スカイリモーネ、転入馬シミケンラブは逃げてこそだけに、出脚と兼ね合い次第。好調なノアキャッスルや立ち回り一つのタカラブネクイーン辺りにも警戒が必要。
7日(火)のメイン(11R予定)は「楽天競馬ポイント還元特別」(A2-1・1500m)
コウエイバラノマチ(回避の可能性あり)、スガノランバダ、ヒカルカミヒコーキ、マイネルヘミニス、ダイチヴュルデ、ディターミネイト、アウズ、トウショウギフト、ヤマチョウルンバ(回避の可能性あり)、が出走予定。(登録のあったサンダースプリング、ハルヲヨブオンナ、グランパルファンは回避予定)
大半が連闘の日程。投票時点で回避する馬も出る可能性が高く、展望しづらい状況なのはご了承いただきたい。逃げたい馬が多い点でも、メンバーや枠順次第の面は大きいが…。
出走してくればコウエイバラノマチが中心。ハナに行けなくても前走のように控えてインでも対応できるのなら大崩れはないはず。実力的にはヒカルカミヒコーキに奮起してもらいたい条件。ただ、前走で逃げ争いに敗れた馬との再戦や苦手の暑さを思うと半信半疑な面も。展開がハマった時のディターミネイト、アウズ、トウショウギフト、スガノランバダも上位候補。
9日(木)のメイン11Rは「重賞 第62回MRO金賞」(3歳・東海近畿交流・1900m・1着賞金250万円)
過去5年の勝ち馬は…
2013第57回 名古屋 ピッチシフター (牝3)阪野 学 重・1分49秒2
2014第58回 兵 庫 トーコーポセイドン(牡3)大山真吾 良・1分49秒9
2015第59回 兵 庫 バズーカ (牡3)吉原寛人 良・2分4秒7
2016第60回 兵 庫 エイシンニシパ (牡3)田中 学 重・2分6秒0
2017第61回 金 沢 ムーンファースト (牡3)栗原大河 良・2分5秒6
(2014年まで1700m、2015年から1900m)
1999年(第43回)から8月に行われる1700mの地区交流3歳重賞(JRA菊花賞トライアル地区代表馬選定競走)となったが、2015年から施行時期が7月、距離1900mに変更。石川ダービーが新設された2017年からは2開催ほど遅らせ、8月上旬に1900mで実施。
3歳重賞となって以降19回のうち、金沢所属馬の優勝は1999年トラベラー、2001年チカテツ、2002年トゥインチアズ、2004年センジュチカラ、2006年マトリックス、2008年ノーブルシーズ、2011年ナムラダイキチ、2017年ムーンファーストの8頭。隔年で地元馬が優勝の法則は2010年のハヤテカムイオーがクビ差2着に敗れたことで途切れたが、地区交流重賞の中では地元馬が比較的好走の傾向。牝馬の優勝6回中4回は金沢所属馬(2013年は地元の牝馬が11番人気で2着)。
比較的人気馬が勝つ傾向にはあり、近年は兵庫ダービーや東海ダービーで上位だった馬の好走が多いものの、3連単は万馬券が多数。特に2~3着が人気薄というケースが多い(2008年は2番人気→4番人気→10番人気で157860円、2010年は1番人気→4番人気→10番人気で15730円、2013年は1番人気→11番人気→8番人気で119210円)。2017年は当時まだ伏兵扱いのムーンファーストが勝って3連単503450円の大波乱となったが、後の活躍を思えば驚けない勝利。まだ成長途上の3歳馬が戦う夏場の長距離戦だけに、成績に表れない能力や展開面をよく考える必要がありそうだ。
さて、今年のメンバー(11頭が出走予定)
ウォーターループ(名古屋)…友森翔太郎
ドリームスイーブル(笠松)…佐藤友則
リベリュール(兵庫)…赤岡修次
デルグネレ(笠松)…森島貴之
ノブイチ(金沢)
アルファーティハ(金沢)
ハーキマーダイヤ(金沢)
サノノツルギ(金沢)
カネコメハナコヨ(金沢)
ウインクルゴール(金沢)
ヒートアップ(金沢)
石川ダービー1~3着馬vs東海ダービー3~4着馬の様相!?
参考までに、笠松に冬季遠征していたノブイチを物差しに考えてみたい。1月の笠松・ゴールドジュニアではウォーターループ(3着)を問題にせず完勝。2月の名古屋・スプリングCではドリームスイープル2着、ノブイチ5着。もちろん当時と状況が違うことは考慮すべきだが、総じて言えば実力的には互角ぐらいか。その点でも評価が難しい一戦。
狙いたいのはサノノツルギ。前走3着の印象が悪いかもしれぬが、ハナ争いに敗れる+途中でマクられるという特殊な展開も影響大。また、間隔が開いていた割にビシっと追い切っていなかった点も1900mで影響した感。あくまで目標はここ。上積みを見込んでいいし、強力な同型も少ない。早目先頭の奇襲に屈した石川ダービー2着の雪辱を。
石川ダービー馬アルファーティハも当然有力。大井・ジャパンダートダービー遠征後はここ目標のローテだが、順調ではある模様。大一番を制した早目先頭の策を今度は他も警戒してくる点でどうなるかだが、スタートを決めてロスなく戦えるかどうかだけ。
笠松のドリームスイーブルも悲願の重賞タイトルを求めての参戦だろう。重賞戦線ではサムライドライブやビップレイジングに分が悪くて勝てなかっただけで、一連の堅実な走りは評価できる。暑い時季の遠征さえ苦にしなければ好レースに。
名古屋のウォーターループは距離や輸送は心配なさそうな戦績の東海ダービー3着馬。スンナリ先行できれば善戦以上も可能。
北日本新聞杯勝ち、石川ダービー3着のノブイチは前走の古馬B1を競り勝ったものの、夏負け気味で馬体減の出走から間隔が詰まる点がどう出るかだろう。
転入前は九州ダービー2着ハーキマーダイヤも距離延長で良さが出るようなら侮れない。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)