【開催見解】第9回大井競馬(8/12~8/17 重賞:黒潮盃)

2018年8月11日

 初日のメーンレースはB2による大井のSPAT4プレミアムポイント賞で距離は1600メートル。休み明けの前走2着で、一叩きされて型通り良化ガーデンズキューが有力候補の1頭。前走は1800メートルで好走だったが、これまでの内容からベストは1600メートル。今回のメンバー構成なら久々にチャンス。昇級戦だけに楽ではないが、状態の良さが目立つのはサンチャゴボラーレとギルデドアーマー。前者は5戦連続で連対を確保しており、自在に捌けるのが強味。典型的な夏場に強い牝馬だ。後者は船橋所属ながら大井に狙いを定めて近走は手堅い走り。1600メートルは多少忙しい印象もあるが、大きなマイナスにはならず今回も上位争いになりそう。トルナベントは2走前Vで前走はB1下で0秒3差の4着。すっかり状態は戻っており、条件緩和のここなら巻き返しの可能性はある。モンサンアルナイルは前走こそ厳しい流れで案外だったが、2走前は2秒7差をつける大楽勝。力量は互角以上だけに初コースに対応できれば即反撃もありそう。その他では休養後5戦して着外なしと安定しているグランジャーも上位圏内の1頭。

 

 2日目のメーンレースはB3によるサードニックス賞で距離は1200メートル。まず取り上げたいのは近走13秒台で安定しており、前走は500万交流でも見せ場十分の3着だったタケノスイセイ。不思議と走っても人気にならないが、ここ一連は質の高い走りを続けているし、特に2走前は上がり最速で持ち時計を更新してVだから軌道に乗りつつある。3歳エンシンエンジョイはここへきて連勝と勢い十分。道営ではオープンでもVがあったように素質は確かだし、まだまだ良化の余地を残しているだけに3連勝を狙える。クインズジェイドも状態の良さが目立つ1頭。3月に復帰後は3走前を除けば連対を確保しているし、馬場状態に展開不問は大きな強味。前走は人気に反したシンボリマティスだが、0秒4差なら悲観することはないし、状態は落ちておらず、自分の時計だけ走れば巻き返し容易。5月以来の実戦となるリコーアルバトロスは大型馬だが、間隔が開いている方が走る傾向があるだけに、いきなり好勝負可能と見たい。

 

 3日目のメーンレースはB3によるアルビレオ賞で距離は1400メートル。ここは抜けた馬が不在で混戦ムードだが、移籍初戦でも力通りならモンスターキングの能力がやや上か。中央ではデビューから2着、1着、1着と素質の高さを示していたし、古馬になってからも500万で少差の競馬を演じている。本来ならB2に格付けされてもおかしくない馬だが、B3格付けは恵まれた印象だ。前走は思わぬ大敗だったが、27秒台で勝ち切った2走前が印象的だったのはメモラブルドラゴン。1400メートルに的を絞ったローテーションには好感が持てるし、前々で攻める自分の競馬ができれば巻き返しがあってもおかしくない。前走後に立て直し2月以来の実戦となるデルマブンザエモンだが、昨年末にはB2でも連対を確保しているように本来この辺りでは力量上位の存在。仕上がり面はポイントだが、手薄なメンバー構成だけにいきなり好走があっても。前走は1600メートルで力を出せなかったハイヴォルテージも1400メートルなら持ち味を十分に生かせるし、ここへきて上向きエリュシオン、シグラップニコライ、タケノスウォードといった辺りにも注目したい。

 

 4日目のメーンレースは地方交流で3歳オープンによる黒潮盃で距離は1800メートル。主役は何といっても東京ダービー2着、ジャパンダートダービー4着のクリスタルシルバー。勝ち馬と同タイムだった東京ダービーよりも、中央の強敵に相手に見せ場十分だったジャパンダートダービーは価値のある内容。ここへきて急激に力をつけているのは間違いなく、地方馬同士ならVがほしいところ。東京ダービー3着のクロスケも、前走のジャパンダートダービーで1秒差の7着ならむしろ好走の部類。こちらは着外1度だけの堅実な走りが魅力。重賞でも連対がある馬だが、そろそろタイトル奪取があってもおかしくはない。デイジーカーニバルの前走はG前でややアクシデントがあった。その後は立て直して状態面に不安はなく、デビュー3連勝の内容から素質的には全く遜色はない。ここから再出発だ。牝馬のミスマンマミーアは関東オークス4着で復調の兆し。牡馬相手で楽ではないが、2歳時には中央に遠征して芝のレースでも連対を確保しているように能力は高い。展開ひとつでそろそろ出番がありそうだ。前走A2下で古馬に揉まれたミスターバッハ、雲取賞Vワグナーコーヴ、移籍初戦を勝利で飾り更に上昇ワンダーツーといった辺りも虎視眈々と上位を窺う。

 

 5日目のメーンレースはB3による盆踊り賞で距離は1600メートル。傑出馬が不在で難解な1戦だが、まずは休み明けで万全とは思えなかった前走で0秒2差の3着だったマシェールを取り上げたい。デビューは道営だったが、これまで着外は1度だけと堅実な走りを続けているし、休養前にはこのクラスで勝っている。成績を見ても1600メートルが最も合っているし、時計的にも計算できるだけに2走ボケさえなければ好勝負に持ち込める。前走は人気に反したクインズマーキュリだが、後手に回り消化不良のレースだったし、6着でも0秒6差なら悲観することはないし、デキ落ちも見られない。自分の形に持ち込めれば反撃十分だ。前走同タイムの2着で復調アピールのアゼリアも元々はこのクラスでVの実績があるし、前々で攻めて好走できたのは収穫。休み明けで格付け初戦となるウルフオブウォーだが、2走前には前開催B1下で好走して黒潮盃に出走予定マースインディと0秒1差の競馬をしており、このクラスなら素質的には楽に通用。馬体増は成長分と見て良く力を出せる態勢。いきなり好走も十分だろう。その他では共に昇級戦だが、逃げ鋭いスターマイボーイ、決め手強烈レオコルネード、前走Vで調子を上げる良血ワンフォーオールといった辺りにも注目したい。

 

 6日目のメーンレースはB2よる平成30年7月豪雨災害復興支援ドリームナイト賞で距離は1200メートル。注目はキャプテンハウテン。大井に移籍後は8戦6勝で2着1回とほぼパーフェクトの内容。正攻法の競馬で持ち時計を更新してVの前走は非常に中身が濃かったし、キャリア浅くまだまだ良化の余地を残している4歳馬。順調にいけばA級まで出世が見込める素材だけに期待は大きい。近走は勝ち切れていないマックスゴーゴーだが、こちらも前走は多少スムーズさを欠きながらも持ち時計を更新して連対を確保だから、体調アップは間違いない。前走だけ走れば今回も上位争い可能だ。前走500万交流で見せ場十分の2着だったアムールブランも有力候補の1頭。3走前のオープン、2走前のB1下を除けば近走は安定した走りを続けており、馬場状態に展開不問は大きな強味。この条件ならまず崩れることはなさそう。エイシンムーランの前走は1番人気に推されながら9着だったが、厳しい流れだったし、0秒4差ならむしろ良く粘っている方。鮮やかな逃げ切りを決めた2走前が印象的だし、同型との兼ね合い次第では巻き返し容易。川崎所属のピースフォーエバーは地元よりも遠征の方がパフォーマンスは上がる傾向。特に大井の1200メートルは得意としているだけに展開ひとつで久々に勝機までありそう。その他では復調してきているイチネンセイ、決め手鋭いタイトルリーフにも注意したい。

 

 

 

(勝馬 小栗 啓裕)

 

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