【開催見解】第6回門別競馬(6/27~7/6 重賞:栄冠賞、星雲賞)
第6回門別競馬展望
今開催は前節が3日、後節が2日の5日間の日程が組まれている。前節3日目には2歳重賞第一弾となる栄冠賞、後節5日目には3歳以上のマイル路線の第二弾となる星雲賞が行われる。なお、次開催からは11月の最終開催まで火、水、木曜の週3日競馬が定着する。
【重賞レース】
○6月29日 3日目12R 第42回 栄冠賞 2歳オープン 距離1200m
1.エイシンベッカム
2.ティーズロワール
3.チェゴ
4.デニストン
5.ヤマノファイト
6.バレンティーノ
7.ストロングキック
8.アンフィーサ
9.サザンヴィグラス
10.ヨシノファルコン
11.ハッピーグリン
12.キタノシャガール
13.タケショウパイロ
【展望】
キャリア1戦から3戦までの2歳精鋭13頭。ホッカイドウ競馬のレベルの高さは、毎年のように、のちに南関東に移籍して活躍の場を広げる馬が多いことからも裏付けされるわけだが、今年の場合も例年に違わぬ素質馬が勢揃い。ローテーション的には、4回門別で行われたウィナーチャレンジを使われてきた馬に分がありそう。中でも前半3ハロンを34秒台で飛ばして、あと一歩のところで踏ん張りを欠き3着に敗れたキタノシャガールに注目したい。実績面から言えば、同レース2着ハッピーグリン、1着ヤマノファイト、4着エイシンベッカムを上位争いの一角と評価したが、初戦快勝のチェゴ、サザンヴィグラスも一級品のスピードの持ち主だから、行き切れる形なら不気味さが漂う。
(厩舎の談話)
1.エイシンベッカム 前走は脚をタメて良さが出ましたね。ああいうレースができれば、距離もこなせるでしょうし、相手強化にも対応できると思っています。
2.ティーズロワール ここ目標に乗り込んでいますし、十分に動ける態勢。息の入り方ひとつでしょうが、ここに入っても能力的にはヒケを取らないはずです。
3.チェゴ デビュー戦ということを考えれば、追ってもしっかり反応したように優秀な内容でした。一線級に入って試金石になりますが、能力は持っています。
4.デニストン デビュー戦は度外視できる内容ですから、このメンバーに入っても能力面で見劣ることはないでしょう。この2戦を見る限りは大丈夫でしょう。
5.ヤマノファイト まだ馬体に余裕がある状況での連勝ですから、期待通りのポテンシャルを示してくれています。やれる手応えですよ。
6.バレンティーノ 初戦は展開に恵まれたところがありました。いい脚が使えますが、この強いメンバーに入ると甘くはないでしょう。どこまでやってくれますか。
7.ストロングキック もう少し距離が延びていいタイプでしょうが、新馬戦での勝ちっぷりは良かったですから、重賞のここでも問題にしないはずです。
8.アンフィーサ 勝ちタイムは平凡でしたが、相手に合わせたレース運びでしたから、伸びしろはまだまだあるでしょう。意欲的な挑戦を続けたいですね。
9.サザンヴィグラス 新馬戦を勝ったあとは、ここを目標にじっくり調整。思い描いた通りのいい状態に仕上がりました。強敵揃いですが、ヒケは取りません。
10.ヨシノファルコン 初戦はハナに立つと遊んでいましたね。周りも速くなるでしょうから、うまく折り合いをつければ……。動き、反応ともに良くなっています。
11.ハッピーグリン 芝向きですし、ダッシュ力がある方ではないので、流れに乗り切れないリスクは頭に入れておかなくてはなりません。能力値では負けませんよ。
12.キタノシャガール 前走は内目の枠で行く格好になりましたね。負けはしましたが、差はなかったですから気にしていません。巻き返しを期待しています。
13.タケショウパイロ デビュー戦は期待通りの走りでした。時計もまだまだ詰めることができますね。中間はここに照準を合わせて、いい調整ができました。
○7月6日 第14回 星雲賞登録馬 3歳以上オープン 距離1600m内回り
・アンコイルド
・オヤコダカ
・トウカイビジョン
・クラバズーカー
・スティールキング
・ジャストフォファン
・ステージインパクト
【展望】
僅か7頭の登録だけに追加登録は認められているが、いずれにしても、昨年の覇者であるオヤコダカが中心になるのは衆目の一致するところ。今年はコスモバルク記念、赤レンガ記念と重賞を難なく連破しており、5歳を迎えて充実一途の印象。自力で動けるタイプだから、内回りでもレースはしやすいタイプ。敢えて探しても死角は見当たらない。相手を絞るなら、コスモバルク記念2着、赤レンガ記念4着のスティールキング、順調に使い込まれているジャストフォファンの4歳勢か。転入緒戦を勝利で飾ったステージインパクトも新勢力になり得る存在ではある。
【初日メイン】
○6月27日 初日12R 厚沢部町ふるさと夏まつり特別 3歳以上C1-3組~C3-1組 距離1700m
1.ブラックチョコ
2.ラヴィーゲラン
3.プレゼンスブルー
4.イサチルルンナ
5.マキシマムブレイク
6.ビービーロンギング
7.センコーファースト
8.フロールシータ
9.ワイレアツヨシ
10.オリヒメ
【展望】
3歳馬センコーファーストは北斗盃、北海優駿こそ大敗を喫しているが、前々走で勝ち負けを争ったスカイロックゲートは、北海優駿2着、続くB3特別を文句なしに勝ち上がっていることからも、この馬の潜在能力も推し量れるだろう。古馬初対戦でもC1クラスなら何とかなるはずだ。先行力上位のラヴィーゲラン、マキシマムブレイクは道中の折り合い次第。前が速くなるようなら、ビービーロンギングの突っ込みもありそう。
(厩舎の談話)
1.ブラックチョコ 揉まれずに行ける長い距離を選んで使うことにしました。うまく展開に恵まれて、着でも拾えれば、と思っています。
2.ラヴィーゲラン ひと開催休ませましたが、前走同様の状態を維持。自分自身のリズムで運べれば外回りもこなしますし、このクラスでは能力が上だと思います。
3.プレゼンスブルー 転入して4戦目になりますが、まだこれといったレースをしてくれていませんからねえ。現状では強気になれません。
4.イサチルルンナ ムラなところがある馬で、ピリッとした脚は使えませんが、前走のように真剣走ってくれれば。状態も上向いて、前進を期待したいものです。
5.マキシマムブレイク 砂を被るとしっかりとハミを取りませんし、揉まれ弱いところがありますね。スタートを決めて、スムーズに自分の走りができれば。
6.ビービーロンギング 状態面は問題ないですが、いい条件まで上がってきましたね。ここも前走のようにうまく立ち回れるかが鍵になるでしょう。
7.センコーファースト 今季はメンタルの難しい面が出過ぎています。デキの良さを生かし切れていません。力は足りるはずです。そろそろ頑張ってくれないと。
8.フロールシータ 少し着順は上がりましたが、スランプという状況からは抜け出せていません。上位進出は難しいでしょうね。
9.ワイレアツヨシ 内回りだと、いい具合にタメを作れないので、力を出せませんね。今回は得意の1700mなので、前走の埋め合わせをしてくれると思っています。
10.オリヒメ ゆったりと流れに乗せられる1700mなら、勝ちみの遅さを解消できるかもしれませんので、改めて期待したいですね。
(競馬ブック・松本英博)