【開催見解】第5回盛岡競馬(7/27~8/5)
平成25年度の第5回盛岡競馬は7月27日から前半3日間、8月3日から後半3日間の計6日間開催される。
前半週の最注目レースは2日目(28日)に行われる、3歳牝馬による重賞競走『第27回ひまわり賞(オークス)』ダート2000m。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
主役は前走、牡馬相手に重賞・ウイナーカップを快勝したコウギョウデジタルになるだろう。そのウイナーカップは小回り水沢コースの1400mが舞台だったが、今回と同条件の岩手ダービー・ダイヤモンドカップでも3角先頭と勝ちにいっての内容で6着と奮闘している。さらに牝馬限定戦ということなら、4月29日の日高賞で3着と岩手勢で最先着を果たしており、同期の牝馬が相手のここは負けられない立場と言ってもいい。
対抗格はラブソング。こちらも前走はウイナーカップで、ヴェルシュナイダー、リュウノタケシツウといった牡馬の実力馬に先着の4着と健闘している。また、盛岡2000mが舞台の岩手ダービー・ダイヤモンドカップでは後方待機の競馬ながら4着とコウギョウデジタルに先着した記録があり、同舞台の今回はその再現を期待する手も。
岩手移籍2戦目となるシルバーストリークも侮れない戦歴の持ち主。門別1700mでは新馬戦を勝ち、フローラルカップ5着、川崎2100mの関東オークス8着と長い距離の経験が豊富だ。
そして、最大の惑星馬となりそうなのがボンジュールノゾミ。今春中央からやってきて、下級条件ながら3戦すべて楽勝。今年の2月には京都ダート1800mの未勝利戦で1分57秒4の走破タイムで6着の記録があり、一気に3歳牝馬の頂点に立つ可能性も。
なお、この競走の1着馬には9月2日に行われる重賞『ビューチフルドリーマーカップ』への優先出走権が与えられる。
4日目(3日)のメインレースは古馬オープンクラスによる重賞競走『第36回すずらん賞』ダート1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は14頭。
注目したいのはディアーウィッシュ。転入初戦の前走は1番人気に支持されながら3着と失速。9歳馬だけに全盛時の力は望めないのかもしれないが、かつては浦和記念(Jpn2)3着の記録もある実力馬で、特に左回りのマイル戦は船橋の重賞・京成盃グランドマイラーズ2連覇、川崎の重賞・スパーキングサマーカップ優勝、同じく川崎のA1特別・多摩川オープン2連覇など、スペシャリスト的な存在。移籍2戦目で変わり身が見られるか?
他では今年度のみちのく大賞典の覇者・コスモフィナンシェ、前走のマーキュリーカップ(Jpn3)で2年連続地方馬最先着を果たしたトーホクキングももちろん主役候補。
さらには前開催の移籍初戦を快勝したイーサンジャンパー、長期休養明けをひと叩きされた実力馬・ダイワマックワンの動向も目が離せない。
なお、この競走の1~2着馬には9月16日に行われる重賞『青藍賞』への優先出走権が与えられる。
5日目(4日)のメインレースは古馬オープンクラスによる地方全国交流重賞『第35回せきれい賞』芝2400m。フルゲート=12頭に対して登録馬は15頭。
最注目は昨年の覇者・大井のピサノエミレーツ。芝の2400mは中央時代に東京で2勝。ダービートライアルのプリンシパルステークス4着の記録もあるのだから、昨年の快勝劇もうなずける実力派ステイヤー。課題は昨年は大井記念2着からの参戦だったのに対して、今年の大井記念は盛岡遠征から10ヶ月ぶりの実戦で7着と凡退していること。このひと叩きでどう変わってくるかが鍵になる。
同じく大井所属のハテンコウは3度目の盛岡遠征。昨年7月の3歳重賞・オパールカップはロッソコルサに次ぐ3着、9月のOROカップは古馬を相手にナターレの2着と盛岡の芝への適性は証明済み。2400mは今回が初めてとなるが、スズカマンボ産駒だけに不安より期待感の方が大きい。
川崎のドリームストライドも前走が大井の武蔵野オープン6着という実力馬。芝は中央時代に阪神1800mの未勝利戦を圧勝で勝ち上がった実績の持ち主。長距離への適性は障害競走を5戦しているくらいだから「あり」と考えたい。
名古屋のトーホウカイザーは中央時代に芝4勝だが、距離は1200~1600m。しかし、昨年大晦日の東海ゴールドカップ(笠松1900m)2着、4月のオグリキャップ記念(笠松2500m)3着と、最近はダートながら長距離のビッグレースで結果を残しており、こちらも侮れない存在。
迎え撃つ岩手勢ではコスモプランタンが総大将。今回と同条件のかきつばた記念で初タイトルを獲得しているように、芝の長距離への適性は抜群。まだまだ強くなる4歳馬だけに、強力遠征馬相手でも十分戦えるものと期待したい。
なお、この競走の1着馬は東北ブロック代表馬としてJRA天皇賞・秋ステップ競走への優先出走権が与えられる。
(文:エイカン 内山達明)