【開催見解】第11回名古屋競馬（8/19・21～23）

　第１１回名古屋けいばは【名古屋ジョッキーカップ激アツだぜい！】シリーズと銘打って、８月１９・２１～２３日の計４日間で開催されます。２３日は暦で処暑。今夏の異常な暑さも峠を越す（？）はずですので、ぜひとも競馬場にご来場ください。それでは各日のメインレースの展望に移りましょう。

初日のメインはＢ－１組の【姉川の戦い特別】１４００ｍ

　ジョッキーカップの第３戦で、西軍の９名で争われます。ポイント下位のジョッキーは一発逆転を狙って、大胆な作戦や騎乗を取りたいところ。そんな思惑が重なれば予想以上の乱ペースになる可能性があります。その点では波乱も十分に考えられますが、転入後３連勝のドルフィンハートには当てはまらない雰囲気。よどみのない流れだった前走も二番手から楽々と押し切る強い内容で、昇級緒戦のここもあっさりパスするとみています。したがって波乱があるとすればヒモ荒れでしょう。Ｂ級上位での実績から、ポケットピース、ナムラガンリュウあたりが有力ですが、夏場稼働型のビットオブラックあたりが馬券に絡めば、いい配当にありつけるのですが…。いずれにしても、このレースの結果により、９月１１日に行われる決戦・関ヶ原の戦いに進出できる西軍上位６名が決まります。

２日目のメインはＡ－３組の【ホウセンカ特別】１４００ｍ

　前開催のＡ－２組からスライドしてきた馬が半数ほどを占めます。そのレースで０秒１差の２着だったトーホウナイトが中心に最適でしょう。１４００ｍになると位置取りが悪くなるケースが出てきそうですが、２走前に見せた末脚はなかなかのもの。厳しい暑さでも体調は安定しており、めったなことでは崩れないとみています。Ｂ級からの昇級戦になるラヴィドール、アイビスティは取捨が分かれそう。前者は好成績をあげていますが、体調は決して芳しくありません。後者は持ち前の先行力に魅力を感じますが、同型の圧力をうまくいなしていけるかが大きな鍵です。これらとの比較ならヒラボクローレルの方が安定した走りを見せるのではと思っています。

３日目のメインはＡ－２組の【青桐特別】１６００ｍ

　前走の名港盃では５着に終わったメモリージルバ。先月にはこの鞍を完勝しており、巻き返しを期待したいところですが、一時期ほどの凄みが感じられなくなったというのが本音です。代わって中心に推すのが秋桜賞のトライアルで３着に食い込んだラブロジック。前走の上位２頭デジタルゴールド、スウィングダンスはオープンでも常に勝ち負けの実力馬で、要はほぼ力通りに決まった一戦。最近は発馬でリズムを崩すことがしばしばありますが、差しに回ってもしっかりと脚を伸ばしてくる自在性はメモリージルバより上でしょう。昨年末の対戦では２馬身差の２着に敗れましたが、今なら逆転が可能なはずです。オリオンローザは突き抜けるまではどうかも、この２頭に割って入るシーンは十分に考えられます。コスモルミナスは中央５００万から南関東に移籍して１勝を挙げての転入。実績的には通用するはずですが、中央時は１５戦してダートは１戦のみと、まだ適性が微妙な印象です。南関東での勝利が４場の中ではやや落ちるといわれる浦和において、マイル戦での最内枠からの逃げ切りというのも、恵まれた条件での好走だったのではないかとみています。よって緒戦に関しては斜に構える必要がありそうです。

４日目のメインはＣ－１組【長篠の戦い特別】１４００ｍ

　第１戦の桶狭間の戦いでは１０名だったのが、韓国遠征から帰ってきた安部騎手、療養から復帰した尾崎騎手を加えて１２名での争いになります。さらに熾烈な『戦い』が予想されますが、中心はシンゼンユメノスケ。体質に弱いところがあって強い調教がままならないながらも、ここまで６勝を積み重ねてきました。ＪＢＣスプリント２着など、ダートの短距離路線で活躍したハタノアドニスの半弟で、底力は確かなものがあります。鋭い出脚を持っているので好位確保は容易で、紛れの多いジョッキー競走でも頼りになる存在だと思います。鍵となるのはやはりこの暑さによる状態でしょう。当日の気配や馬体重には気を配りたいところです。伏兵は挙げればキリがありませんが、中でも注目しているのがオレンジブルーム。前走は相手関係に恵まれていたにしても、柿原騎手の自信満々の騎乗ぶりからして次走も狙いたいと思った一頭。メンバーはずいぶんと骨っぽくなりますが、そのぶん配当的な妙味は増すはずです。なお、第３戦と同様にこのレースの結果によって、上位６名が前述のレースに進出となります。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）