【開催見解】第12回門別競馬(9/24～26・10/1～3)

　中央競馬も秋シーズンに突入しているが、門別競馬も残りは約２カ月。いよいよ、佳境に入ってきた。今開催の重賞レースは、３日目に競馬ブック杯のイノセントカップ、６日目には道営スプリントが組まれている。

 

【重賞レース】

○９月26日　第13回イノセントカップ　２歳オープン　1200ｍ

１．ニシケンモノノフ

２．ヒワノスーパー

３．ライブリーソウル

４．アンリエット

５．サーモピレー

６．ワイルドサプライズ

７．エイシンオーガスタ

８．ヤマノミラクル

９．ドントコイ

10．イエローブラッド

11．リュウノワン

 

【展望】先週に２歳牝馬による「フローラルカップ」が行われている関係で、どうしても牡馬中心のレースになるわけだが、フレッシュ、オープン特別を連勝したサーモピレーが、この一戦に照準を合わせて順調な調整プロセスを踏んできた。その２連勝も単にスピードで押すだけではなく、好位から楽に抜け出すなど、早や完成された域に達していると言っても過言ではない内容だった。父クロフネ、母の父トニービンだから、この先、距離が延びても心配はないだろうから、更に成長して全国区まで名を轟かせるだろう。デビュー以来、４着以下のないヤマノミラクルは、前走のウィナーチャレンジでは、最後方に近い位置から直線だけでまとめて交わし去った。確実に37秒台の末脚が駆使できるのだから、展開が嵌まれば肉薄以上のケースへ。相手なりに走れるドントコイ、地元のダートに帰れば、ニシケンモノノフも不気味な存在に。

 

(関係者の談話)

１．ニシケンモノノフ　前走は芝の極端なほどの道悪でしたから、参考になりません。中間、順調に調整ができたので、疲労も抜けて気配が上がってきました。走り慣れた地元なら、存分に力を発揮してくれるでしょう。

２．ヒワノスーパー　前走は中央挑戦で初芝でしたが、よく対応してくれました。力をつけています。地元戦ならとは思いますが、自分からレースを作れる方じゃないですし、やはり展開が鍵ですね。うまく嵌まれば。

３．ライブリーソウル　ここ目標に力の出せる仕上がりです。前走は捉え切れませんでしたが、内容自体は悪くなかったです。タメても脚は使えますし、どんな競馬でもできます。恥ずかしいレースはしないでしょう。

４．アンリエット　連闘になりますが、前走は少し重かっただけに、ちょうど良くなるでしょう。ハナに立つと遊ぶところがありますし、行く馬がいれば、レースはしやすいです。相手強化み頑張って欲しいものです。

５．サーモピレー　デビュー戦は砂を被って若さを覗かせましたが、前走はそんなところも見せず、一気に突き抜けました。学習能力があります。相手は強くなりますが、どんな走りを見せてくれるか期待が膨らみます。

６．ワイルドサプライズ　前走は大事を取ったもので、影響はないですよ。デビュー戦以来の距離に一抹の不安はありますが、決め手勝負になれば大丈夫。上位争いができると思います。

７．エイシンオーガスタ　長い距離を使ってきたので、前走はズブさを見せましたが、走りはしっかりしていました。馬体がやや立派でしたから、この連闘はプラスに出るでしょう。

８．ヤマノミラクル　いつも真剣に走ってくれますし、馬込みも気にせず脚を使って、いい勝負根性を持っています。相手なりに動ける方ですし、ここに入っても見劣りはしないと思います。

９．ドントコイ　使いながら状態も良くなってきています。素質的には認定を勝つのが遅かったくらいなんです。いきなりの重賞挑戦ですが、十分やれる力は持っていますからね。

10．イエローブラッド　前走はゆったり構え過ぎた嫌いはありますが、ここへのシミュレーションと見れば収穫はありましたね。追われてからの反応は、前走よりも良くなるはずですから、そこそこ食い込めるでしょう。

11．リュウノワン　後手に回って心配した前走でしたが、馬込みを割って脚を伸ばすなど、新たな一面を見せてくれたのは収穫です。まだまだ伸びしろがある馬ですから、期待を込めて挑戦します。

 

○10月３日　第８回道営スプリント登録馬　３歳以上オープン　1200ｍ

・クリスタルボーイ　大井

・コウギョウダグラス　大井

・ベイリングボーイ

・グランドラッチ

・アウヤンテプイ

・ヒシコモンズ

・シャイニングアワー

・エリモサプライズ

・アプローズヒーロー

・オーゴンヒリツ

・タイセイアドミラル

・スパイア

・ナモンミライ

 

【展望】南関東の大井から２頭が登録してきただけに、グンと層が厚くなったイメージを受ける。迎え撃つ道営勢も短距離のスペシャリストが顔を揃えており、激戦は避けられない情勢と言えるだろう。一応、地元で行われた北海道スプリントカップが物差しのひとつになりそうだが、地元で最先着を果たしたアウヤンテプイを中心に据えたい。前哨戦こそ、グランドラッチの末脚に屈したが、自分でレースを作って０秒１差なら、負けて強しを思わせる。大井の２頭では、コウギョウダグラスの方が上だろう。嵌まった時の破壊力は相当なものがあり、広い門別コースは脚質にピッタリ。グランドラッチは北海道スプリントカップ５着。春のエトワール賞でも３着と気を吐いているように、この距離はベスト。８歳馬でもシャイニングアワーのスピードも軽視はできない。

 

【初日メイン】

○９月24日　10Ｒ日高生産連特別　３歳以上　Ｃ２－２組、Ｃ３－１組　1200ｍ

１．リーベ

２．ノールファンデヴー

３．ジャズロック

４．スピリトーソ

５．コマンダーズロマン

６．ルルドノヒトミ

７．サクラフジビュー

８．デリス

９．ネオヴィーナス

10．ニシノグラス

11．アンテロープ

 

【展望】今年の開幕当初は、ややモタつきが見られたニシノグラスだが、体調面がしっかりとして、ようやく軌道に乗り始めて目下３連勝中。短距離に実績のある面々が揃っているだけに、いよいよ、試金石といったムードはあるが、今の充実ぶりなら、一歩もヒケは取らないと判断したい。アンテロープの前走は、厳しい展開に巻き込まれたもの。控える競馬ができるだけに、今度はハナには固執しないはず。逆転の筆頭候補。リーベは今年の成長株の一頭。前走もゴール前は差し返す芸当も見せた。この３頭はすべて３歳馬。伸び行く強みもあり、３頭横一線の叩き合いが見られそうだ。

(関係者の談話)

 

１．リーベ　前走は自分からレースを引っ張ってあの走り、着差以上に強い内容でした。ハナにこだわらず競馬もできますし、勝って同じ条件なら、期待が持てます。

２．ノールファンデヴー　行き切らないと力を出せませんからね。ここもハナを切れるかが鍵に。タメても良さが出る方ではないので、展開次第でしょう。

３．ジャズロック　前走は明るい時間帯のレースだったので期待していたのですが、テン乗りで全く反応しませんでした。今回はナイターですが、乗り慣れたジョッキーですから、前走みたいなことはないはずです。

４．スピリトーソ　出脚はつくようになっても続かなくて。もう少し我慢が利くようになれば。使いながら状態は良くなってきていますからね。

５．コマンダーズロマン　このところの頑張りは褒めていいのですが、勝ち切れないのがねえ。欲求不満になりそうです。そろそろ勝利をものにしたいと思うんですが。

６．ルルドノヒトミ　中央未勝利からの転入ですが、この条件なら力量面の心配はなさそうですね。1200ｍに対応できれば楽しみです。

７．サクラフジビュー　いい頃の走りに戻ってきていますからね。決め手はいいものがありますし、うまく流れでも向いてくれれば、好レースしてくれるでしょう。

８．デリス　そこそこの伸びは見せるんですが、決定力が今ひとつですね。展開が向けば、とは思いますが、勝ち負けまではどうでしょう。

９．ネオヴィーナス　連闘で格上挑戦ですが、揉まれない形なら見劣らないと思います。前走よりも動けると見ているんですが。

10．ニシノグラス　３連勝ですが、素質的にはこれぐらい走って当然の馬ですからね。クラスが上がっても問題はないでしょう。楽しみです。

11．アンテロープ　前走は内枠だったのでハナへ。目標になってしまい、難しいところがありました。まだまだやれる条件、自分の競馬ができれば。

 

 

(競馬ブック・松本英博)