【開催見解】第25回名古屋競馬（2/17～21）

　第25回名古屋けいばは２月17日（月）から21日（金）までの５日間開催で行われます。先週13日の笠松けいばが大雪で中止になったように、不安定な天気が続きますが、なんとか名古屋開催は無事に、と切に願うほかはありません。一年で一番寒さの厳しい時季ですが、砂上では寒さも吹き飛ばす熱い戦いが繰り広げられています。今週もぜひ名古屋競馬場へ足をお運びください。25回の特徴としては、１開催にふたつの重賞が組まれる豪華版であること。では、その２重賞を含めたメイン競走を紹介していきましょう。

　初日はＢ－１組の『こじし座特別』がメイン。勝ち組の一戦で未対戦の馬が多く、力関係ははっきりしませんがおそらく１番人気に推されそうなのはローレルマヌエルでしょう。中央から当地へ移籍後は９戦８勝という素晴らしい成績を残しています。まだ、びっしりと攻められない現状でこの走りですから、本格化したときはどれだけ強くなることか。前走では課題だった距離も克服しました。アスターハウスもここへきて、体調が上がってきた一頭です。550キロいう巨漢ゆえに器用さはありませんが、うまくコーナーでついていければ。連勝中のウエスタンパレスは中央復帰の権利である３勝目を狙います。

　２日目はＡ－３ｂ組の『ヒヤシンス特別』です。ここは力量の接近したメンバー構成。手堅さがウリのダークラム、軌道に乗ってきたナムラシンシンやブラックウィドー。また、1400ｍならビューティサンの先行力も脅威。Ｂ－１特別を鮮やかに差し切ったハヌルソンムルは主戦・木之前葵騎手が骨折入院のために、乗り替わりますが、兄弟子の大畑騎手なら心強い。展開ひとつでゴール前で形勢が一気に変わるといった激戦が予想されそうです。

　３日目はＡ－３ａ組の『ノースポール特別』。このクラスの安定勢力であるネオエピック、ケントリュウコウ。そして復調してきたレッドフェアリーが有力。また、治療明けを叩いたアイビスティも本来の粘りが戻ってくるのでは。久々になりますが、３歳重賞『クイーン賞』の勝ち馬ユーセイクインサーの仕上がりにも注目です。

　４日目は新設重賞となる『第１回梅桜賞』です。３歳牝馬重賞をより充実させるために、新たに作られました。距離が大半の馬にとっては未知の1800mということもあって、波乱要素も十分です。遠征馬は兵庫勢が３頭予定（トーコーニーケ、アヴェスター、ユノエスケープ）しています。中でも地元勢にとって脅威なのが、トーコーニーケ。前走・兵庫クイーンセレクションは好位から押し切る横綱相撲。輸送をうまくクリアすれば勝ち負けは必至とみていいはずです。東海公営勢では実績では笠松のヨシノミカエル。37～38秒台の末脚を常時繰り出すことのできるキレ者。展開次第では突き抜ける可能性は十分。ここを目標にゆったりとしたローテを組んできた笠松のリンカスイート。大一番に強い厩舎だけに仕上がりに期待しても良し。既に古馬Ｂ級戦で走っているパドトゥ。決め手のあるフラッシュモブも圏内ですが宿命とはいえ、相変わらずのハードスケジュールで地力が頼りといったところでしょうか。地元・名古屋からはホウライナデシコ。新春ペガサスカップではリーダーズボードの２着に健闘、認定馬ではありませんが、すでに特別を２勝とグングン力をつけてきています。先行有利の展開になれば逃げ切りまで考えていいでしょう。記念すべき第１回の女王の座を射止めるのはどの馬か、楽しみです。

　５日目は古馬オープンの『第15回梅見月杯』です。春の目標がかきつばた記念になるのか、中距離路線となるのか分かりませんが、名古屋No.１のサイモンロードが登場します。このところは連闘など、きついローテが続いていましたが、今回は早い時期からここ一本の調整。ヒザの状態もよく、13日には圧巻の動きを披露。直前にもサッと気合をつけられる予定で仕上がりは万全に近い状態です。遠征馬は兵庫３頭と金沢１頭が予定されていますが、注目は兵庫のエーシンクリアー。昨秋は笠松に遠征して、岐阜金賞を勝ち、岩手のダービーグランプリで３着と地方の明け４歳馬の中では上位の存在。新春盃は惨敗も、能力的に一変があっても驚けないはず。笠松のドリームマジシャンも遠征以外では３戦３勝で重賞２勝と底を見せていません。この２頭がサイモンロードの強敵となりそう。メモリージルバは前開催をトモの関係で自重した影響がどうか。また、名古屋のオープン界を盛り上げてきた女傑スウィングダンスはこれが引退レースとなりそう。こちらも応援していただきたい。なお、移籍緒戦のオープンを勝ったマルカベンチャーは次週の笠松オッズパークグランプリに回る予定です。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）