【開催見解】第12回門別競馬(9/19～28　重賞：フローラルカップ、道営スプリント)

第12回門別競馬展望
　台風18号が日本列島を縦断。各地方競馬の影響も計り知れないものがありそうだが、幸いにして、ホッカイドウ競馬は、開催前日に通過しそうだから、災禍は最小限に食い止められた感じ。とはいえ、季節的には、あと１カ月くらいは、台風を警戒しなければなるまい。さて、今開催の重賞レースは、前節２日目にフローラルカップ、３日目に道営スプリントが組まれている。

【重賞レース】
○9月20日11Ｒ　第17回フローラルカップ　２歳オープン牝馬　距離1600ｍ(内)
１．ヒロ
２．クロスウィンド
３．リボース
４．アーツレイジング
５．フォローユアハート
６．ゴールデンビコー
７．ストロングハート
８．ナツミプレジール
９．ミスマンマミーア
10．リコーデリンジャー
11．リンノストーン
12．チェゴ
13．ビジネスライク

【展望】内回りコースでの牝馬限定戦は初めてだけに、回りの巧拙の差が出てくる可能性もあるだろうし、仕掛けのタイミングひとつで大きく変わる要因も備わっている。そういう意味では、結構、難しいレースになるかもしれない。ただ、ＪＲＡ札幌のコスモス賞(芝1800ｍ)はクビ差２着、続く札幌２歳Ｓ(芝1800ｍ)は０秒３差７着と健闘したミスマンマミーアがエントリー。アタック勝ちがこの舞台と同じ内回りの1600ｍだから、このデータは頼もしい限り。フルールカップ４着のあと、リリーカップを制したストロングハートは、血統的にマイルはギリギリだろうが、ここ一連の戦績は屈指のもの。未勝利、アタックと連勝、完全に軌道に乗ってきたビジネスライクも狙いとしては妙味があるし、キャリアを積むに従って成長を感じさせるリコーデリンジャーも不気味に映る。

（厩舎の談話）
１．ヒロ　レース間が開きましたが、中間は順調そのもの。血統背景から、距離が延びるのはプラスだと思いますが、内回りは初めてですからねえ。
２．クロスウィンド　叩き台だった前開催のレースが霧で取り止めになったのは誤算でした。マズマズのデキで臨めるとは思いますが、若干の不安を覚えます。
３．リボース　良くなっていますが、まだレースを覚えさせている段階。いろいろ経験させて、今後につながれば、と思っています。どこまで頑張ってくれますか。
４．アーツレイジング　ここ２戦は出遅れましたが、ゲートさえ決まれば出脚はつくので、好位でも競馬できるはずです。初戦の内容から能力ではヒケを取りません。
５．フォローユアハート　長い距離を経験させたかったのですが、霧で中止になったのは残念です。終いの脚は使いますから、内回りの流れに対応できるようなら。
６．ゴールデンビコー　予定していたレースが霧で取り止めになりましたが、状態は問題ありません。折り合いがつけばマイルは対応可能だと思いますよ。
７．ストロングハート　キャリア３戦目で重賞を勝つくらい、潜在能力は姉アップトゥユーに見劣らないものがあります。内回りのマイルなら対応できると思います。
８．ナツミプレジール　内回り1600ｍを経験するチャンスを、霧による中止は痛いですが、内容が一戦毎に良くなっているので、相手強化には泣かないと思います。
９．ミスマンマミーア　中央への遠征は芝適性は勿論のこと、この馬の能力を示してくれたと思います。内回りも経験済みですし、期待に応えてくれると思います。
10．リコーデリンジャー　前走は敢えて流れに乗せず終いに賭けましたが、この馬なりによく伸びてきたと思います。あとはイレ込みの程度次第ですね。
11．リンノストーン　上々の仕上がり。スピードはある方ですから、内回りならとは思いますが、初距離になりますし、重賞でメンバーも揃っていますからね。
12．チェゴ　前走は出遅れて後ろから行く格好で持ち味を出し切れませんでした。走りに集中できれば、能力は高いものがあります。巻き返してくれるでしょう。
13．ビジネスライク　このメンバーでの力関係はなんとも言えませんが、長い距離を経験している利があると思いますからね。スムーズなレース運びができれば。

○9月21日11Ｒ　第12回道営スプリント　３歳以上オープン　距離1200ｍ
１．ポアゾンブラック
２．マックスガイ
３．シセイカイカ
４．レッドペリグリン
５．メイショウノーベル
６．タイセイバンデット
７．テイエムシャンパン
８．エイシンヒート
９．コールサインゼロ
10．ワディ
11．サトノプリンシパル
12ティーズアライズ

【展望】古馬陣による短距離戦線は、このレースが掉尾を飾るわけだが、グランシャリオ門別スプリント、エトワール賞の２連覇を飾っているタイセイバンデットが登場。その重賞の合い間には船橋の重賞に挑戦し強豪を相手に２着しており、短距離戦の相性の良さは間違いなく本物である。大井から参戦してきたワディは、鞍上にクアトロ騎手を配してきた。中央時の実績で言えば抜けた存在だから、叩き３走目でどこまで上昇しているかが、第一の焦点になりそう。長期休養明けをモノともしなかったポアゾンブラック、エトワール賞でレース最速の上がりを計時したエイシンヒートも、末脚が生かせる流れになれば、上位進出は可能なはずだ。

（厩舎の談話）
１．ポアゾンブラック　久々でもキッチリと勝つのですから、本当に力があります。2走ボケがないように調整していますので、今回も力を出せる状態です。
２．マックスガイ　体つきも良くなり、前走はもう少し動けるかと思いましたが、あの内容では……。２度叩いて状態は上向いていますが、何とも言えません。
３．シセイカイカ　変わらず状態はいいです。前走くらいはやれる感触はありますが、後ろから行くタイプ、ここもうまく捌き切れるかが課題でしょう。
４．レッドペリグリン　堅実に駆けていますから、チャンスは十分にあると思うんです。前開催を休ませてここに備えましたのでデキは万全です。
５．メイショウノーベル　照準を合わせて調整してきましたので、デキはいいです。流れに乗り過ぎると味がないようですから、今回はじっくり構えていきたいです。
６．タイセイバンデット　もう本物と言っていいでしょう。ハナにはこだわらないタイプですから、行く馬がいるようなら控えても力は出せます。
７．テイエムシャンパン　前走あたりは、もうワンパンチあれば、着順を押し上げていたかもしれません。結構、使い込んでいますから、上積みはどうでしょう。
８．エイシンヒート　典型的な追い込み馬。これまでと同様に終いの脚に懸けます。先行争いが激しくなってくれれば、チャンスが広がりますから、それを願います。
９．コールサインゼロ　前走はスタート後に落鉄していたようで、本来の行き脚がありませんでした。体調はベストですから、前走のようなことはないはずです。
10．ワディ　転入後の内容は、正直、物足りないですが、実績からも、もっとやれていいはず。長距離輸送など、クリアしなければならない課題はあるけど。
11．サトノプリンシパル　短距離に適性がありますね。負けはしましたが、前走の内容に手応えを感じました。体調はいいので頑張ってくれるでしょう。
12．ティーズアライズ　いい時のように、それほど脚を使いませんね。この中間も変わった感じはないですし、そうそう強気にとはいきません。

【初日メイン】
○9月19日11Ｒ　日高町建設協会特別　３歳以上Ｃ１－３組　距離1700ｍ
１．インテグラル
２．カスミポップコーン
３．ラウレアラテルネ
４．マキシマムブレイク
５．カヤク
６．シゲルシーラカンス
７．ミネサランチェゴ
８．フロールシータ
９．メイショウエゾホシ
10．ホープライズ
11．ブルーベルファイト

【展望】前開催が霧のために取りやめになった影響もなく、順調に調整されてきたマキシマムブレイク。前走は好位追走から着差以上の勝ちっぷりを演じており、秋以降、いよいよ、本格化の道を歩む可能性は大きい。対するのは、ＪＲＡ札幌を使ってきたホープライズ。以前からの勝ちみに遅い点は否定できないが、地元に帰れば、その能力は屈指のはず。その両馬に割って入るとすれば、ＪＲＡ交流戦を戦ってきたカスミポップコーンが筆頭。この恵まれた条件なら、アッサリと決めるケースも一考したい。

（厩舎の談話）
１．インテグラル　調子は上向いています。完調とはいきませんが、そろそろ変わり身を見せてくれても。
２．カスミポップコーン　使われている馬ですから、状態面に問題はありません。この条件なら、楽しみです。
３．ラウレアラテルネ　前走は楽な逃げを打てなかったことを考えると、よく粘っていると思います。
４．マキシマムブレイク　中止の影響もなく、動ける態勢です。条件的には楽になっていますからね。
５．カヤク　もうワンパンチ欲しい感じですね。長くいい脚を使う方でもなく、勝ち負けまではどうでしょう。
６．シゲルシーラカンス　状態面に問題はありませんが、気の悪さは常に同居していますからね。
７．ミネサランチェゴ　前走は内回りでしたが、落ち着いて運べれば、もっと脚が使えると思います。
８．フロールシータ　なかなかコンディションが上がってきません。馬に気持ちも乗っていないようですね。
９．メイショウエゾホシ　少し離された２着ですが、仕掛けのタイミング次第で差は詰められたと思います。
10．ホープライズ　中央はペースが合うので、力を出せたようですね。こちらだと、スタートが鍵ですね。
11．ブルーベルファイト　内回りでもよく対応しているんですが、外回りの方がレースはしやすいと思います。

（競馬ブック・松本英博）