【開催見解】第15回門別競馬(10/30~11/8 重賞:サッポロクラシックカップ、北海道2歳優駿[JpnIII])

2018年10月29日

第15回門別競馬展望

 前開催の初日に行われたダートグレード競走の第21回エーデルワイス賞(JpnIII)は、フルールカップ、リリーカップの2歳牝馬重賞を連覇してきたアークヴィグラスが、不利な大外枠をモノともせず、4角先頭から追いすがる中央のデンバーテソーロをクビ差抑えて、重賞3連覇。押しも押されもしない2歳牝馬の頂点に立った。今年度の最終目標は大井競馬場で行われる東京2歳優駿牝馬に置くと思われるが、園田のダートグレード競走に矛先を向けるにしても、完全に控える競馬をマスターしているだけに、マイルまでなら距離もこなせるはずだ。2日目の第51回瑞穂賞は、ハッピースプリントとスーパーステションの初対決が話題に上がったが、スタート直後から積極的なレースを試みられたスーパーステションが、最後まで脚いろが乱れず、2着馬に2秒もの大差をつける圧勝劇。今年、コスモバルク記念から始まった重賞戦線では無傷の5連覇を達成した。11月15日に行われる第61回道営記念でも大本命として注目を集めることだろう。

 また、第45回北海道2歳優駿(JpnIII)が行われる11月1日に、北海道胆振東部地震復興支援競走として、門別グランシャリオジョッキーズI、IIが8、9Rに組まれている。JRAからはルメール、戸崎、福永の各騎手、地方競馬からは、金字塔を打ち立てた的場文、金沢の吉原、高知の赤岡騎手らが参戦。なお、この2Rを含めて南関東では異例の4Rが併売される予定。

 

【重賞レース】

○10月30日 初日11R 第5回サッポロクラシックカップ H2 2歳オープン 距離1200m

1.スティールティアラ

2.レスプレンデント

3.アンビグラム

4.グリードパルフェ

5.エムオータイショウ

6.グローリアスライブ

【展望】エーデルワイス賞で注目したスティールティアラは、直線では内を突いて一旦は先頭に立ったものの、追い比べで見劣ってしまった。ただ、今後にとって、厳しい競馬を経験したことは大きいはずだし、どんな競馬でもできるあたり、この少頭数ではレースもしやすくなるだろう。初の牡馬相手でも問題はない。エムオータイショウは約2カ月ぶりの実戦となった前走は、やや馬体に余裕がありながらも、先行ペースに乗って力で捻じ伏せるような勝ちっぷり。軽い馬場で時計の勝負になっても対応できた点も心強い限り。同様に2勝馬のアンビグラムも実戦を経験しつつ、着実に気性面に成長の跡。初戦は距離に戸惑っていたが、短距離に矛先を向けてひと皮剥けた様子。前走はスタートで後手を踏んだことが致命的になったグリードパルフェも大きな開きはない。

(厩舎の談話)

1.スティールティアラ 前走は多頭数で窮屈なレースを強いられたのが痛かったですね。少し強行軍にはなりますが、疲れもなくいい状態を保っていますので、前走のウップンを晴らしてくれるでしょう。

2.レスプレンデント 前走はズラッと並んだ馬群の後ろで砂を被り続ける格好になり、集中力を欠いてしまいました。テンションの高さはネックですが、少頭数はプラス。スムーズなレースで力を見直したいです。

3.アンビグラム 前走は気の悪さも見せずしっかり走ってくれました。状態はまだ良化の途上という現状で、本格化は先になるかと思いますが、素質はここでも見劣らないです。現段階でどこまでやれるか楽しみです。

4.グリードパルフェ まだ若さが残っていますが、前走は力のあるところを見せてくれました。一戦毎に動きが良くなっていますので、今回は前走以上の状態で臨めそうですよ。チャンスはあると思っているんです。

5.エムオータイショウ デビュー当初と比べると、メンタル面の成長が著しいです。前走も安定感のあるレース運びでの勝利ですから、軌道に乗った感があります。ここも期待しています。

6.グローリアスライブ 前走はコーナーを4つ回る競馬に対応できませんでした。器用な立ち回りはできない馬ですが、馬込みを捌かなくても済む少頭数は好条件なので、終い勝負に懸けます。

 

○11月1日 3日目11R 第45回北海道2歳優駿(JpnIII) 2歳オープン 交流 距離1800m

1.トイガー

2.イグナシオドーロ

3.ロビュスト

4.ホワイトヘッド

5.マイコート

6.スズカユース

7.ウィンターフェル

8.テイエムアカリオー

9.ミヤケ

10.イッキトウセン

11.サクセッサー

12.イルジオーネ

13.リンノレジェンド

【展望】昨年はドンフォルティス、フィールシュバースのJRA勢のワンツーフィニッシュで決まっているが、5年前はあのハッピースプリント、3年前はタイニーダンサーが制しているように、ホッカイドウ競馬の2歳馬のレベルの高さをキッチリと裏づけている。今年のJRA勢は、イルジオーネ、テイエムアカリオー、トイガー、ミヤケの4頭が参戦してきたが、4頭ともに1勝馬だけに、地元勢も五分以上の競馬ができるはずだ。この中で注目するなら、ルメール騎手が鞍上のミヤケか。ルメール騎手は先日の天皇賞秋も制して、今秋はGIを3連覇中。ルメール騎手といえば、一昨年はエピカリスに騎乗して圧勝したシーンは未だに忘れられないもの。彼の今の勢いに乗じる手は十分にあるだろう。ルメール、Mデムーロ、そしてモレイラの外国人トリオの馬券を買っていればいいのだから、頭を悩ます必要はない。閑話休題。迎え撃つ地元の注目馬は、前哨戦のサンライズカップで1、2、3着のマイコート、ウィンターフェル、イグナシオドーロの3頭に絞られそう。また、今週は降雨確率が高くなっているだけに、馬場状態の急変のチェックも忘れずにしたいものである。

 

【初日特別】

○10月30日 初日10R むかわ町長杯復興支援感謝特別 3歳以上A2-2組以下 距離1200m

1.ヴォルムス

2.エリモグレイス

3.チェゴ

4.シセイカイカ

5.レクラドリール

6.ノアナイト

7.バリスコア

8.ノーブルサファイア

9.マックスガーデン

【展望】ここ2走は今回と同条件で惜しい内容を残しているチェゴ。積極的な競馬もできるようになった分、以前よりも安定感をしてきたのは言うまでもない。今回は坂路で36秒台、終いも11秒台でまとめているだけに、体調面に関しては太鼓判が押せるだろう。相手は2~3番手でもスムーズに折り合えるマックスガーデンが筆頭候補。チェゴとヴォルムスの競り合いが考えられる展開だから、キッチリと差し脚を駆使できるバリスコア、エリモグレイスあたりの浮上も一考の余地があるだろう。

(厩舎の談話)

1.ヴォルムス 前走は単騎で逃げられたことが最大の勝因。今回も同様に運べるという保証はないですが、戦法はひとつなのでスピードに任せて行くのみです。

2.エリモグレイス 順調にはきているのですが、少し覇気が足りない感じなんです。前走、動けなかったのも、そのせいかもしれませんね。

3.チェゴ なかなか勝利を手にできないという近況ですが、楽な競馬をさせてもらっていませんから、内容は評価できます。大きく崩れることはないでしょう。

4.シセイカイカ 少し体調が優れなかったので、休養を入れました。仕上がりは問題のないところですが、開いたハンデはあるでしょう。展開が向いてくれれば。

5.レクラドリール 前走は僅かながらレースぶりに進境が見えました。本来はもっと鋭い決め手が使えるタイプですから、そこに磨きをかけていきたいですね。

6.ノアナイト 体調面に問題はないのですが、ここではタイム面で見劣ります。厳しいですね。

7.バリスコア レースぶりを見ても、良化の度合いが少しスローですね。本来の走りができれば、勝ち負けになる条件ですが、いまひとつ強気になれません。

8.ノーブルサファイア 前走は決め手の差が出てしまいました。着差を見ても、展開次第では逆転が可能な範囲だと思います。デキは維持、改めての期待です。

9.マックスガーデン 硬くなりやすい馬で寒い時期はあまり得意ではありませんが、今のところは大丈夫そうです。前走は崩れましたが、前進は可能だと思います。

 

(競馬ブック・松本英博)

 

 

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