【開催見解】第13回門別競馬 (10/1~10 重賞:サンライズカップ、道営スプリント、瑞穂賞、エーデルワイス賞[JpnIII])

 前開催の重賞レースは2つ。

 前節3日目、2歳牝馬によるフローラルカップは、内回り1600mで行われたが、前半、やや掛かり気味になりながらも、前に壁を作り末脚を温存できたことが功を奏して、ミステリーベルンが直線で鮮やかに抜け出して重賞初制覇を飾った。距離を延ばして2連勝。さらに脚質に幅が出てきたあたり、今後の活躍も期待できるだろう。

 後節5日目には、同じく2歳のイノセントカップが、距離1200mで行なわれ、流れに逆らうことなくレースを進めたヘイセイメジャーがゴール前でグイッとひと伸び。3度目の重賞挑戦でようやく実を結んでいる。

さて、今開催は重賞レースが4鞍。前節3日目にサンライズカップ。後節は4日目が道営スプリント、5日目は瑞穂賞、6日目はJRA交流のJpnIIIエーデルワイス賞が組まれている。

 

【重賞】

○10月3日12R 第19回サンライズカップ 2歳オープン 距離1800m

1.ルナクレア

2.スティールペガサス

3.シルバーサークル

4.サンオブロジータ

5.アジュバント

6.ファルコンビーク

7.ティーズダンク

8.バックストッパー

9.バブルガムダンサー

10.ヨハネスボーイ

11.ケンジン

 

【展望】

ブリーダーズGJCを制したヨハネスボーイは、その後、JRA札幌のクローバー賞(2)着、札幌2歳S(5)着と芝に活躍の場を求め、まずまずの結果を残してきた。今後はさらに選択肢が広がっているが、北海道2歳優駿のステップレースとして、ここにエントリーしてきた。中間の調整も順風満帆。勝って大一番に挑む構え。ブリーダーズGJCで2馬身差(2)着のアジュバントもJRA札幌のコスモス賞のあとは、ここ一本に目標を絞られてきた。門別1700mは(1)(1)(2)着。好位差しが板について抜群の安定感を誇る。逆転の筆頭候補。この両馬に割って入るとすれば、夏場以降、著しい地力強化を果たしメキメキと頭角を現してきたティーズダンクだろう。あと、牝馬限定戦のエーデルワイス賞ではなく、敢えて牡馬中距離路線を選択してきたバブルガムダンサーも注意したい。

 

(厩舎談話)

1.ルナクレア 不向きと思える内回りでの前走の頑張りは自信になりますね。外回りの方が断然いいタイプですから、牡馬が相手でも、脈はあると思っています。

2.スティールペガサス 前走のレース運びと勝利で距離にメドが立ったと思います。このレースに向けていいシミュレーションになりました。上位進出を狙います。

3.シルバーサークル この馬自身の走りには浮上の兆しが見られた前走でした。素質的に重賞でも期待を懸けていた馬ですから、差のない勝負ができると思います。

4.サンオブロジータ 取消の影響はないですし、能力面もヒケは取りません。体型的にはこなせる感じですが、血統面では距離延長に多少なりとも不安があります。

5.アジュバント レース間が開きましたが、調教量は足りています。体がボリュームアップして、いい感じです。長い距離での堅実さと経験値は上だと思います。

6.ファルコンビーク 前走はひと息でしたが、内回りの対応がうまくいかなかっただけ。距離は長い方が向くタイプです。外回り1800mでの変身に期待しています。

7.ティーズダンク 前走は結果的に完勝でしたが、道中で集中を欠く面が見られました。折り合いには安心できませんが、地力は着実に強化。折り合えれば。

8.バックストッパー 前走は一瞬の決め手の差が出ましたが、レースぶりは悪くありませんでした。距離が少しでも延びるのは好材料。重賞でも通用するはずです。

9.バブルガムダンサー 今後の路線を踏まえて、エーデルワイス賞ではなく、こちらに出走を決めました。牡馬のトップクラスでも能力は互角以上だと思います。

10.ヨハネスボーイ 札幌2戦は芝での新たな可能性とともに、距離対応の柔軟性を示してくれました。その後は予定通り。地元でパワーアップした走りを見せたい。

11.ケンジン 新馬戦を勝ったあとはなかなか結果が出ていませんが、ここにきて攻め馬の動きは良くなっていますし、もっと走れるポテンシャルがある馬です。

 

 

○10月8日 第14回道営スプリント登録馬 3歳以上オープン 距離1200m

・タイセイエクレール

・アップトゥユー

・フジノパンサー

・メイショウアイアン

・ヴァッフシュテルケ

・トルシュローズ

・ソルサリエンテ

・カツゲキライデン

・ナリユキマカセ

・ダモンデ

・プロディジャス

・メイプルグレイト

 

【展望】

今年の6月に中央から転入してきたメイプルグレイトは、その緒戦で衝撃的な勝ちっぷりで道営デビューを果たし、その後は連勝街道を走り続けて、ここまで無傷の7連勝を達成。何とか今年最後の短距離重賞に出走を漕ぎつけた。歴戦のオープン馬を相手に回しても、この馬の絶対的スピードにはついて行けないだろう。門別1200mでは19戦14勝2着3回のソルサリエンテ。エトワール賞ではスタートの出遅れが致命傷となったが、それでも4着に押し上げるのだから、その力量は推して量れるもの。昨年の2着馬であり、今年の北海道スプリントカップで2着と気を吐いたメイショウアイアン、8歳馬でも元気一杯のカツゲキライデンが相手。エトワール賞2着のタイセイエクレールも、一瞬の脚が生きる展開になれば、直線強襲シーンがあるかもしれない。

 

 

○10月9日 第52回瑞穂賞登録馬 3歳以上オープン 距離1800m

・ヒガシウィルウィン

・モルトベーネ

・バルダッサーレ

・スーパーステション

・オヤコダカ

・パイロスター

・ステージインパクト

・モズオトコマエ

・モズノーブルギフト

・エスシーレオーネ

 

【展望】

スーパーステションは当初予定されていた札幌のエルム賞出走のプランが解消されるなど、若干、不安定要素があった旭岳賞だったが、いざ、蓋を開けると、今まで通りスピードの違いを見せつける圧勝劇。門別での絶対王者の神話は、まだまだ生き続けている。おそらく、昨年同様、この瑞穂賞を使って道営記念のローテーションになると思われるが、日程に余裕があるだけに、このレースに向けて、きっちりと仕上げてくるだろう。相手は常識的にはオヤコダカになるだろうが、妙味、面白みを考えた場合は、着実に実績を積み上げてきたモズノーブルギフトの方か。同じ先行タイプではあるが、折り合いがつくだけに行った行ったも十分に考えられる。転入後、目下2連勝中のバルダッサーレ、復調ムードのヒガシウィルウィンの動向にも注目したい。

 

 

○10月10日 第22回エーデルワイス賞登録馬 2歳牝馬オープン 距離1200m

〔中央〕

・ウィーンソナタ

・キラットダイヤ

・デビルスダンサー

・ニシノミンクス

〔補欠〕

 デルマガーネット

 ラブオナヴィータ

 ヤマメ

〔道営〕

・コーラルツッキー

・プリモジョーカー

・アザワク

・レインズパワー

・エンジェルパイロ

・グローリアスレゴン

・マナモクプニ

・ミホスローロリス

・ミナトノヨーコ

・クモキリ

・ミリミリ

・スマイルエルフ

 

【展望】

出走メンバーが確定していないだけに、流動的な部分はあるが、9月中山のデビュー戦で余裕を持って逃げ切ったウィーンソナタと、叩き2戦目で2番手から着差以上の勝ちっぷりを収めたニシノミンクス。美浦の伊藤圭厩舎から2頭の登録を見ている。中間も坂路で入念に乗り込まれており、ここへ向けての臨戦態勢は整いつつあるようだ。迎え撃つ地元勢では、大きく出遅れながらもゴール前で測ったように差し切ったアザワク、前哨戦でここに直結するリリーカップを制したプリモジョーカーの両馬。芝ではひと息だったが、どちらも地元のダート戦では3戦3勝と負け知らず。ダート1200mの未勝利勝ち時に藤田菜七子騎手が手綱を取ったデビルスダンサーが参戦すれば、話題性にも事欠かない感じだ。

 

 

【初日特別3鞍】

○10月1日10R サロマ大収穫祭特別 3歳以上C1-2組以下 距離1200m

1.リュウワンゴーゴー

2.アレグロ

3.クオーレカルド

4.ソトコマタ

5.クラウンリシャール

6.レネット

7.ロードソレイユ

8.イルミナーレ

9.ソードヴァルキリー

10.ラブミーボーイ

 

【展望】

前走は初めての1700mに戸惑ったアレグロだが、今度は実績ある1200mに照準を絞ってきた。坂路の動きは相変らず上々。この相手なら、きっちりと勝機を掴みそうだ。相手はここ一連の安定感が光るクラウンリシャールが一歩リードしているが、同型馬を捌き切れれば、ラブミーボーイの残り目もあるだろう。坂路の反応が良くなったソトコマタも圏内へは欠かせない存在。

(厩舎談話)

1.リュウワンゴーゴー 長く脚を使えるタイプではないので、仕掛けどころが難しい。中間に針をして立て直したので、少し動けるようになってくれるはずですが。

2.アレグロ 前走の昇級戦で1700mというのは厳しかったようです。それでも、このクラスでのメドは立ちました。適距離の1200mなら、巻き返せるでしょう。

3.クオーレカルド 転入緒戦で前走は長い距離を試しましたが、すっかりバテてしまいましたから、今回は距離を短くします。まだ何とも言えませんね。

4.ソトコマタ 前走は切れ負けという格好ですが、今シーズンの一連の堅実な走りは評価していいでしょう。悪い競馬はしないと思います。メンバー次第ですね。

5.クラウンリシャール 前走は鞍上の判断で先手を取りましたが、逃げるレースは初経験だった割に、よく踏ん張っていました。自在性が出たのは好材料です。

6.レネット 芝のレースとはいえ、中央では未勝利を勝ち上がっていますから、能力は十分通用する下地がありますね。メドの立つ走りを期待します。

7.ロードソレイユ 前走はゲートをスムーズに出てくれました。偶然でないことを示すために、連続してここも出てほしいですね。道中でためが作れるようなら。

8.イルミナーレ 短距離に路線を替えてから内容自体は良くなりましたが、今ひとつパンチ不足ですね。展開次第で着順は上げられていいとは思いますが……。

9.ソードヴァルキリー 休み明けだったことを考えると、前走はまずまずの内容でしょう。一変とはいかないまでも、今回は前進が見込めます。

10.ラブミーボーイ 柔軟なレース運びができないタイプですから、同型との兼ね合いが鍵ですね。自分のペースが守れるようなら、チャンスはあると思いますが。

 

 

○10月1日11R とねっこの湯20周年記念特別 3歳以上C1-1組 距離1700m

1.レッドヴィータ

2.ペンタス

3.フィオッコ

4.センノデバギヤ

5.ブラックデビル

6.ワンポイント

7.スピリア

8.ウェブマスター

9.エストレラブランコ

10.バッテリーパーク

11.ディアマキニスタ

 

【展望】

デビュー以来、8戦5勝2着3回。10割の連対率を誇るワンポイント。前走はB級混合の一戦だったが、好位からしっかりと脚を伸ばして2着を確保したあたり、改めてこの馬の地力の高さを示したと言えるだろう。デキも安定しており、中心としては打ってつけの存在。中央未勝利馬のエストレラブランコは、ダート1700mで1分46秒台の持ち時計がある。直前の坂路の反応の良さから、仕上がりにも不足はない。同様に素質を感じさせるレッドヴィータもダートをこなせれば好勝負へ。すんなり先行ならフィオッコの粘り込みに注意。

(厩舎談話)

1.レッドヴィータ 中央未勝利戦では2着が4回という成績ですから、ここなら能力は十分に足りると思います。ただ、ダート経験がないので、そこが鍵ですね。

2.ペンタス 前走は初距離でしたが、ペースを考えればよく踏ん張っていますし、距離にメドの立つ内容でした。もう少しためを作れれば、前進できそうです。

3.フィオッコ 前走は速めのペースを追いかけて、気持ちが切れたような感じでした。もう少し落ち着いた流れの中で息を入れられれば、巻き返しは可能です。

4.センノデバギヤ 順調に使えてはいるんですが、全盛時の走りに程遠い近況ですから、強気になれません。

5.ブラックデビル 門別のダートも、能検の走りを見る限り問題はなさそうですね。あとはここでの力関係が鍵ですが、中央時の成績からは十分にやれそうです。

6.ワンポイント 前走は負けはしましたが、内容の伴った2着ですから、手応えを感じる走りです。中間の気配も上がっていますので、勝ち負けの期待ですね。

7.スピリア 2走前に強引な運びをした影響で、前走は少し力みがありました。落ち着いてしっかりためていければ、追い込み切れていいと思います。

8.ウェブマスター 前走はダッシュがつかずに後方のままになってしまいましたが、2走前の内容は悪くなかったですからね。同じように集中して走れれば。

9.エストレラブランコ 中央での戦績から、ここのクラスへの転入なら通用していいと思います。門別のペースにうまく対応できれば、チャンスがありそうです。

10.バッテリーパーク この2戦とも追われての反応が乏しいですから、やや調子が落ちてきているのかもしれません。どこまでやれますか。

11.ディアマキニスタ 力量的にはこのクラスで間に合うと思います。初ナイターや門別の馬場への適応が課題となるでしょうが、好勝負は可能だと見ていますよ。

 

 

○10月1日12R フェノーメノ賞 3歳以上C1-1組 距離1200m

1.ブリリアントアリス

2.チェインギャング

3.グレイン

4.シーイズアピーチ

5.ディーズアマーレ

6.タイキリヴェール

7.ツル

8.カグラハヤテ

9.ラヴァクール

10.シンデレラマキ

11.ビービーレジーナ

 

【展望】

B級混合戦でも好位からしっかりと脚を伸ばしたシーイズアピーチ。ゆったりとしたローテーションで使われているだけに、体調面にもカゲリはなく、中間も順調そのもの。この相手なら、チャンスは十分だが、中央から転入後、安定したレースぶりのタイキリヴェール、勝って同条件の有利さがあるチェインギャングを含めて、大勢はこの三つ巴戦だろう。追い比べの展開になれば、追って味あるカグラハヤテの出番もありそうだが。

(厩舎談話)

1.ブリリアントアリス 少し調子を崩しましたので、ひと息入れて再調整しました。地力は通用するクラスですが、ひと叩きが必要でしょう。

2.チェインギャング 前走は力通りの勝利でした。少し前には速いタイムでも勝利がありますし、ここのメンバーでもいい勝負ができるはずですよ。

3.グレイン 他場で力をつけたようですが、このクラスは地力のある馬が多いですから、通用するかどうかは微妙ですね。勝ち負けを云々はできません。

4.シーイズアピーチ 前走のレースぶりは良かったですね。勝利が見える走りでしたので、期待感が膨らみます。クラスも下がった形ですので決めたいところです。

5.ディーズアマーレ 気持ちが続かないというレースが続いていますから、アテにできないタイプです。このクラスなら力の差はないはずなんですが。

6.タイキリヴェール クラスが上がっても勝ち負けに手が届きそうな内容ですから、地力を認めていいと思います。順調に調整、そろそろ2勝目がほしいですね。

7.ツル 前走はそこそこ頑張りました。ここのところ好走と凡走を繰り返しているので、今回は更にやれるとは言い難いですが、状態的には変わりなくきています。

8.カグラハヤテ 前走はクラスが上がった分でしょう。ただ、展開次第で、もう少しやれていいとは思います。デキはいいですから力は出し切ってくれるはずです。

9.ラヴァクール ここ2戦はタフな馬場が応えている感じがあります。大分、クラスが下がってきたので、現状の力を出し切れれば、間に合っていいと思いますが。

10.シンデレラマキ 逃げる以上は競り合いも覚悟はしていますが、自分のリズムで行かせてもらえません。直線まで被されず運べれば、違う結果になると思います。

11.ビービーレジーナ 前走の内容なら、このクラスでも十分にやっていけそうです。メドが立ちました。強気とはいきませんが、差のない勝負はできそうです。

 

(競馬ブック・松本英博)

 

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