【開催見解】第1回水沢競馬（4/5～4/14）

　平成26年度の第１回水沢競馬は４月５日から前半３日間、４月12日から後半３日間の計６日間開催される。

　初日（５日）のメインレースは３歳馬による重賞競走『第39回スプリングカップ』ダート1600ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は13頭。
　主役はラブバレット。デビューからダート戦は７戦５勝、２着２回とパーフェクト連対を誇り、現在、寒菊賞、金杯と重賞を２連勝中。若駒賞、南部駒賞で先着を許したライズラインが大井へ移籍しており、ここは譲れない局面と言えそうだ。
　怖いのは船橋から移籍してきたリュウノファイト。新馬、ＪＲＡ認定競走の特別、準重賞と３勝をマークし、重賞の平和賞、ニューイヤーカップともに６着という実力馬。南関東とのレベル比較に加えて、今回は３月12日の京浜盃までレースを使われてきた強味もあり、ラブバレットにとって不気味な存在に。
　他ではビギナーズカップ２着、若駒賞３着、寒菊賞４着とタイトル戦線で上位に食い込んできたシグラップロード。道営から転入以来３連勝中のダンストンスリルの動向に注目したい。

　２日目（６日）のメインレースは３歳牝馬による重賞競走『第39回あやめ賞』ダート1400ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は13頭。
　主役はターントゥタイド。ここまで獲得タイトルは芝の若鮎賞のみだが、グランダムシリーズのプリンセスカップでは地元勢最先着の３着、正月の金杯では牡馬相手に僅差の４着に食い込んでいる実力馬。
　次群は転入初戦の新鋭が６頭もスタンバイしており非常に難解。中央１勝馬・ジャリーヴ、ヴォラータは素質的にもちろん注目が必要だし、園田プリンセスカップ２着があるフラッシュモブ、ライデンリーダー記念３着のパドドゥ、水沢のプリンセスカップ５着があるポアント、門別で新馬勝ち実績のシーズザワンという、笠松からの移籍組４騎も気になるところ。また、佐賀からやってきた九州ジュニアチャンピオン３着馬・アイスカチャンもひと叩きされた今回は注意が必要になりそうだ。
　なお、この競走の１～３着馬には４月28日に行われる重賞『日高賞』への優先出走権が与えられる。

　後半週。４日目（12日）のメインレースは古馬オープンクラスによる一般競走『スプリント特別』ダート1400ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は14頭。
　栗駒賞(1400m)→白嶺賞(1600m)→トウケイニセイ記念(1600m)とこの路線の重賞を３連勝中のドリームクラフトが中心になりそうだが、開幕当初のこの時期は冬場使われてきた移籍組が強いのも事実。中央1600万下→大井Ａ２のロードバロック、ここから岩手に復帰するコスモフィナンシェ、カミノマーチは警戒が必要だろう。また、短距離希望馬による競走ということで、トートアフィシオン、マスターミニスターらにも注目してみたい。

　５日目（13日）のメインレースは古馬Ｃ１クラスによる特別競走『大屋梅賞』ダート1400ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は13頭。
　主力は昨シーズンＡ級ランクの実績馬２騎になりそう。
　ディアーウィッシュは今年で10歳となったが、もともと南関東で重賞３勝という実力馬。３月開催のＣ２級２戦はまったくの楽勝だったし、Ｃ１特別でも格が違う。
　対するニホンピロララバイは昨年、中央1000万下から移籍すると、重賞の北上川大賞典、トウケイニセイ記念こそ10着と大敗だったが、Ａ級平場戦は６戦して（2）（2）（3）（2）（3）（4）着と常に勝ち負けを演じてきた。こちらも３月開催のＣ１戦をひとマクリで快勝しており、敵はディアーウィッシュだけという雰囲気だ。

　６日目（14日）のメインレースは古馬Ａ級一組による一般競走『卯月特別』ダート1800ｍ。フルゲート＝10頭に対して登録馬は13頭。
　３月開催のＡ級一組戦でハナ差の接戦を演じたハカタドンタク、スーブルソーが仕上がり的に一歩リードと思われるが、昨年の北上川大賞典の覇者・モズ、トウケイニセイ記念２着のエバーオンワード、不来方賞馬・コウギョウデジタル、実力牝馬・ミキノウインクなど、タイトルホルダーが多数エントリー。
　移籍組も目が離せない。中央ダート４勝馬・キッズアプローズはエルムステークス(G3)５着もある実績馬。道営から再転入のジョーモルデューは一昨年の桐花賞３着馬。今年で10歳となったが、道営代表として挑んだ昨年11月の絆カップ(盛岡ダ1600m)でも２着と健闘しており、岩手ではまだまだやれそうだ。

（文：エイカン　内山達明）