【開催見解】第9回盛岡競馬(10/1~10 重賞:ハーベストカップ、マイルチャンピオンシップ南部杯[JpnI])
平成28年度の第9回盛岡競馬は10月1日から前半3日間、10月8日から後半3日間の計6日間開催される。
初日(1日)のメインレースは古馬B2クラスによる特別競走『オクトーバーカップ』芝1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
主力は9月17日に行われたトライアル・オクトーバーカップターフチャレンジ(芝1700m)の上位組。11番人気と低評価ながらも最後方から大マクリを決めたブライテストムーンはもともと中山芝1600mの新馬戦で2着の記録がある素質馬。前走は決してフロックではないだろう。クビ差2着のマイネルテンクウも7番人気と人気を落としていたが、盛岡芝の安定勢力。改めて見直しが必要となった。そしてさらにクビ差3着のコスモロングソードは最内枠がアダとなったような道中チグハグな競馬。それで僅差だっただけにまともなら逆転の可能性も十分。
また、ここが移籍緒戦となるラブミーリルは前々走の函館芝2000mの未勝利戦で2着と未勝利脱出寸前だった素質馬。中央時代はすべて芝を使われ、2桁着順は前走だけと先行しての安定味も抜群の様子。緒戦から勝ち負けの期待十分と思われる。
2日目(2日)のメインレースは古馬B1クラスによる特別競走『白神(しらかみ)賞』ダート1400m。フルゲート=12頭に対して登録馬は13頭。
今シーズンは重賞・ウイナーカップを勝つなど長く好調をキープする3歳牝馬・チャイヨー、そのチャイヨーを9月5日のB1特設戦(水沢1400m)で降したケイジースワローの2頭が中心になりそうだが、いきなりマークが必要となりそうな転入馬が2騎。
中央1勝馬・スティルプリンスは札幌ダ1000mの未勝利戦を逃げ切っている3歳馬。キャリアのほとんどを1000~1400mの短距離を使われ、かつ先手を取ってきた快速馬。
フジノピューマは北斗盃(門別1200m)5着など、門別の1200m戦で6勝をマークしてきたスプリンター。
また、短距離戦で安定して駆けているゼンザイ、3歳のスピード馬・レイズアスマイルも侮れない存在。
後半週。5日目(9日)のメインレースは3歳以上オープン馬による重賞競走『第16回ハーベストカップ』芝1000m。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
外せないのは岩手の短距離界でナンバーワンのダッシュ力を誇るエゴイスト。盛岡芝の5ハロン戦は昨秋、ハーベストカップ→OROターフスプリントと連勝を決めているディフェンディングチャンピオン。ベストの舞台で久々に主役を務めることになりそう。
相手は適性面からは昨年の3着馬・ケイアイアストン、中央時代に芝1200m戦で6勝をマークしてきたサカジロロイヤル、さらにはB1ランクながらトライアル・FM岩手杯を快勝してきたウインミラージュといったところが有力候補だが、ダイワマッジョーレ、ブレークビーツ、スマートアレンジ、タイセイメテオなどの実績馬が芝の5ハロン戦でどのようなレースを見せるかも興味津々。
なお、この競走の1~2着馬には10月22日に行われる重賞『OROターフスプリント』への優先出走権が与えられる。
6日目(10日)には岩手競馬の看板レース、3歳以上オープン馬によるダートグレード競走『第29回マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)』が行われる。ダート1600m。フルゲート=16頭に対して登録馬は27頭。
注目の中央選定馬は実績順にG I 10勝のホッコータルマエ、G I 7勝のコパノリッキー、南部杯3連覇を目指すベストウォーリア、今年のフェブラリーステークス(G1)の覇者・モーニン、今年のジャパンダートダービー(Jpn1)を制した3歳馬・キョウエイギア、さらには今年、東海ステークス(G2)、平安ステークス(G3)を制したアスカノロマン、重賞3勝馬・レーザーバレットの7頭。今年、かきつばた記念(Jpn3)、プロキオンステークス(G3)と重賞2勝をマークするノボバカラが補欠の1番手という強力なメンバー構成となっているが、モーニンは9月28日の日本テレビ盃(Jpn2)に出走、キョウエイギアは10月1日のシリウスステークス(G3)に登録があり、この稿締め切りの段階では出走馬はまだまだ流動的と言わざるを得ない。
地方馬では大井の雄・ハッピースプリント、道営の実力馬・ナムラビクター、南関東で5戦4勝と好調なテムジンが中央勢の一角崩しを窺う。地元・岩手勢ではトライアルの青藍賞でラブバレットを降すなど好調なシークロムに上位進出の期待がかかる。
(文:エイカン 内山達明)