【開催見解】第6回盛岡競馬(8/6~15 重賞:ひまわり賞、若鮎賞、クラスターカップ(JpnIII)、桂樹杯)
平成29年度の第6回盛岡競馬は8月6日から前半3日間、8月13日から後半3日間の計6日間開催される。
前半週の最注目レースは初日(6日)に行われる、3歳牝馬による岩手版オークス・重賞『第31回ひまわり賞』ダート2000m。フルゲート=12頭に対して登録馬は8頭。
主役は春のあやめ賞(水沢1400m)→日高賞(水沢1600m)を連勝し、3歳牝馬重賞完全制覇を狙うダンストンレガーメ。前走は古馬相手の牝馬重賞・フェアリーカップ(盛岡ダ1800m)に挑戦し、4着とオープン馬相手に経験を積んだ。今度は2000mが舞台となるが、前々走の岩手ダービー・ダイヤモンドカップ(盛岡ダ2000m)では牡馬相手に4着と健闘しており、距離はむしろこの馬にプラスに作用しそうだ。
相手は6月のウイナーカップ(水沢1400m)2着、7月のハヤテスプリント(盛岡ダ1000m)制覇と近況光るダンストンリアンが有力候補。そして、堅実派・セカンドネイチャー、ビービースペース、グラマシーの先行勢、追い込むソーディスイズラヴが3番手グループを形成。
なお、この競走の1着馬には8月27日に行われる重賞『ビューチフルドリーマーカップ』への優先出走権が与えられる。
後半週。4日目(13日)のメインレースは2歳馬による重賞競走『第18回若鮎賞』芝1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
2歳世代にとって初のタイトル戦。芝の新馬戦を勝ち上がってきたジョースポーツ、ブレシアイル、さらには前開催の芝1600m戦で勝ち負けを演じたリュウノフェスタゴ、ベストロードにまず注目だが、今シーズンはここまで道悪の競馬が多く、パンパンの良馬場になると正直、未知数。唯一59秒台をマークしているサンエイエンジェルやダートの勝ち上がりながらコウギョウカナリア、リュウノムーンなども素質的に注目の存在となる。
なお、この競走の1~3着馬には9月17日に行われる重賞『ジュニアグランプリ』への優先出走権が与えられる。
6日目(15日)の第10競走にはこの開催のメインイベント、今シーズンのダートグレード競走第2弾『第22回クラスターカップ(JpnIII)』が行われる。ダート1200m。フルゲート=14頭に対して登録馬は20頭。
注目の中央勢はこの稿締め切りの段階でキクノストーム、サイタスリーレッド、ショコラブラン、タイセイファントム、ブライトラインの5頭が選定馬。いずれも盛岡は初登場となる。実績ならファルコンステークス(G3)、みやこステークス(G3)勝ちのブライトライン、カペラステークス(G3)を勝っているキクノストームが上位だが、ダートの短距離で4連勝中のサイタスリーレッド、京葉ステークス勝ち→かきつばた記念(Jpn3)3着→北海道スプリントカップ(Jpn3)2着と好調をキープするショコラブランも争覇圏内と言えそうだ。
地方勢では地元の雄・ラブバレット。このレースは2年連続出走し、ともにダノンレジェンドの3着。短距離の交流競走に積極的に遠征し、キャリアを積み上げてきただけに今年はそれ以上の期待がかかる。
浦和に転じてひと叩きされたブルドッグボスは中央代表馬として出走した昨年の2着馬。前記・ラブバレットに先着している実力馬。また、川崎のシゲルカガも前々走までこの路線で活躍してきた元中央のオープン馬。実績的に一発あって不思議ない。
そして、最大の惑星馬になりそうなのは道営のタイセイバンデット。6歳馬ながらキャリアはわずか11戦。6月のグランシャリオ門別スプリント(門別1000m)を1番人気に応えて快勝すると、前走の習志野きらっとスプリント(船橋1000m)でも2着と健闘。前記したブルドッグボスなどの南関東勢に先着している。どこまで強くなるのか注目の存在だ。
なお、この日の第8・第9競走には減量騎手による騎手交流競走「2017ヤングジョッキーズシリーズトライアルラウンド盛岡」が行われる。出場予定騎手は以下の通り。
●水野 翔(北海道)
●山本咲希到(北海道)
●木村 直輝(岩手)
●小林 凌(岩手)
●鈴木 麻優(岩手)
●鈴木 祐(岩手)
●菊沢 一樹(JRA)
●木幡 育也(JRA)
●木幡 初也(JRA)
●藤田菜七子(JRA)
●武藤 雅(JRA)
●横山 武史(JRA)
岩手初登場となる名前も多く、フレッシュな戦いになりそうだ。
また、第11競走には3歳以上オープン馬による重賞競走『第40回桂樹(けいじゅ)杯』芝1600mも行われる。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
前開催の地方全国交流重賞・せきれい賞(盛岡芝2400m)から距離が短縮され、中~長距離の絶対王者・サンエイゴールドは不在。よって、中心はそのせきれい賞でサンエイゴールドとクビ差の2着とがんばったブレイズアトレイルになりそうだが、プリムラブルガリス、カオスモス、ゴットフリートなど、中央時代に芝で活躍した実績馬が数多く登録。面白いレースになりそうだ。
なお、この競走の1~3着馬には9月24日に行われる重賞『OROカップ』への優先出走権が与えられる。
(文:エイカン 内山達明)