【開催見解】第5回水沢競馬(8/20~8/28 重賞:ビューチフルドリーマーカップ)
平成29年度の第5回水沢競馬は8月20日から前半3日間、8月26日から後半3日間の計6日間開催される。
初日(20日)のメインレースは古馬B1クラスによる特別競走『ムーンライトカップ』ダート1800m。フルゲート=10頭に対して登録馬は12頭。
条件クラスでは数少ない長距離戦。前々走で1800mの一組戦を快勝しているマツリダインゴットが中心になりそうだが、中央時代にこの距離に良績あるミュークロール、同じように南関東で距離実績豊富なクロコダイルロック、さらには5月のメイカップ(盛岡ダ1800m)をマツリダインゴットに6馬身差で圧勝しているオメガブレイン、先行力あるニーマルキングなども首位争いに加わってきそうだ。
2日目(21日)のメインレースは古馬B2クラスによる特別競走『オーガストカップ』ダート1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
岩手では8戦7勝と底を見せていないブライティアベルが人気になりそうだが、強敵は再転入後2,1,1着と元A級の地力を如何なく発揮しているミトノレオ。また、前走、オープンのすずらん賞に挑戦するなどマイルを得意とするオメガスパーキング、ここ5戦で4勝と好調なクインズトロブラボ、水沢マイルベストのディープチルなど、激戦必至と思える好メンバーが揃った。
3日目(22日)のメインレースは古馬B1クラスによる一般競走『震災復興・子ども達に夢と笑顔を』ダート1300m。フルゲート=10頭に対して登録馬は10頭。
短距離希望馬による特設競走ということで、10頭中5頭が前開催の盛岡芝1000mの特設戦を使われているが、今度はダートで2ターンの水沢1300mが舞台だけに条件は一変。非常に難しい一戦となりそう。一応の主役候補は夏場に調子を上げてきたウインミラージュだが、ひとつ鍵になりそうなのは今シーズン7勝と白星を量産するスティルプリンスが距離がもつかどうかに。
後半週。4日目(26日)のメインレースは古馬C1クラスによる特別競走『田瀬湖賞』ダート1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は12頭。
岩手で11戦6勝、2着4回と底を見せていない4歳馬・セイザン、前走・マイルのヤングジョッキーズトライアルでクビ差の2着と9歳馬ながらまだまだ元気なトウカイチャーム。この2頭が人気になりそうだが、崩れないランフォージン、復調気配のシンソウノマドンナ、さらには前走は減量騎手戦で力を発揮できなかったと思われるシーザドナルド、エディション、コウギョウマゼランらの反撃も十分。伏兵多数で波乱模様の一戦。
5日目(27日)にはこの開催のメインイベント、3歳以上牝馬による地方全国交流競走・重賞『グランダムジャパン2017古馬シーズン第6戦・第43回ビューチフルドリーマーカップ』が行われる。ダート1900m。フルゲート=12頭に対して登録馬は14頭。
このところ6年連続して遠征馬が優勝。今年も他地区から強力メンバーがエントリーしてきたが、まず鍵になるのは道営の実力牝馬・ジュエルクイーン。この競走は過去2年2,1着。昨年はブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)4着から中16日の臨戦過程で快勝したが、今年はブリーダーズGCが17日の開催ゆえ、中9日の強行軍となる。6月のヒダカソウカップ、7月のノースクイーンカップと岩手のユッコが遠征した牝馬限定重賞を危なげなく連勝しており、出走してくれば有力な首位候補となるが、この稿締め切りの段階では出否は体調次第ということになりそう。
もう1頭の道営代表馬・シャインプラチナムは前記・ジュエルクイーンと同じ田中正二厩舎の管理馬。まだ条件クラスの4歳馬だが、前走のノースクイーンカップではユッコに2馬身先着の4着に食い込んでおり、こちらも通用の素材と目される。
レベルの高い南関東からエントリーしてきたマテリアメディカ(船橋)は重賞勝ちこそないが、地方全国交流の黒潮盃3着、ロジータ記念4着、そして前走の兵庫サマークイーン賞3着と実力は全国レベル。こちらも有力な単候補とみるべきだろう。
珍しく3頭がエントリーしてきた金沢勢は直前の牝馬重賞・読売レディス杯の8~10着馬。ムードは良くないが、この中では4歳馬・ナツに注目。1870mの兵庫ダービー、2000mの中日杯ともに4着。1900mに勝ち星があり、距離適性は高そうだ。
地元勢はトライアル・フェアリーカップを楽勝したミラクルフラワーが実績では最上位だが、昨年のこの競走は8着。遠征馬が加わって、自分のペースで先行できるかが鍵。
交流競走向きのタフさということならやはりユッコだろう。6~7月の門別遠征は内容的に消化不良の4,5着だったが、今度はホームコース。昨年のこの競走はジュエルクイーンに1/2馬身差の2着と食い下がり、1番人気のタイムビヨンドには先着しているだけに、その再現を期待したい。
もう1頭は3歳馬・ダンストンレガーメを推したい。超スローとなった前走のひまわり賞は4着と敗れ、3歳牝馬3冠はならなかったが、2歳時にプリンセスカップ3着、今年4月の日高賞優勝とグランダムシリーズで好走しており、交流競走向きの末脚を有している。
(文:エイカン 内山達明)