【開催見解】第2回盛岡競馬（5/12～5/21）

【開催見解】第2回盛岡競馬（5/12～5/21）

　平成30年度の第2回盛岡競馬は5月12日から前半3日間、5月19日から後半3日間の計6日間開催される。

　初日（12日）のメインレースは3歳馬による準重賞競走『第23回はまなす賞』芝1600ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は13頭。

　今シーズンもこの競走から芝のタイトル戦がスタート。まずは2歳時の実績でリードするのは盛岡芝5戦→［2］［1］［3］［2］［6］着、若鮎賞を勝ち、地方全国交流のジュニアグランプリ3着のベストロード。そして盛岡芝4戦→［2］［3］［2］［8］着、若鮎賞3着、ジュニアグランプリ2着のプリヴィレッジ。ともに昨年暮れから今春までの水沢開催では苦戦が続いているが、芝で一変の期待がかかる局面。

　芝の重賞出走歴はないものの、ここから活躍が期待される素材が2騎。今春、笠松からやってきたバレンティーノは中央の芝の特指競走に3度の遠征実績。12月16日のつわぶき賞（中京芝1400ｍ）は勝ち馬から0秒6差の7着。2月17日の3歳500万下（京都芝1400ｍ）は勝ち馬から1秒4差の13着。続く3月17日の3歳500万下（阪神芝1200ｍ）は勝ち馬から0秒5差の9着。いずれも着外だが、勝負権ある位置を追走し、水準以上の時計で駆けている。岩手に移籍後、あやめ賞2着、日高賞４着とデキの良さは証明済み。門別のデビュー戦以来の勝ち星の期待も。

　キャリア4戦の身であやめ賞を3着と逃げ粘ったピーベリーは盛岡芝1000ｍの新馬→ＪＲＡ認定競走を連勝している素質馬。1月14日の特指遠征（中山芝1200ｍ）は16頭立ての殿り負けだったが、勝ち馬から1秒5差と大負けしているわけではなく、今後へ向けてのいい経験に。先行力があり、1600ｍの距離にさえ対応できれば好勝負が期待できそう。

　なお、この競走の1～3着馬には7月8日に行われる重賞『オパールカップ』への優先出走権が与えられる。

　2日目（13日）のメインレースは古馬B2クラスによる特別競走『メイカップ』ダート1800ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は14頭。

　激戦区らしい混戦ムードの顔ぶれだが、前開催のＢ２特別・南関東ジョッキーズフレンドリーマッチ第２戦（盛岡ダ1600ｍ）をハナ差で制したダイチラディウスはこれで今春［2］［1］［1］着。好調度では今回のメンバーにあって最右翼と思われ、長い距離にも良績あり。今回も外せない存在と言えそう。

　距離適性ということならワイルドロジャーとアドマイヤイバマ。ともに1800ｍで2勝をマークし、今春つねに勝ち負けとデキも悪くない。そしてゴールドアラシ。長い距離がどうかと思われた前開催のB2一組戦（盛岡ダ1800ｍ）を勝ち馬から1馬身差の2着と健闘。自分から積極的に動ける機動力があり、距離にもメドが立ったとなれば、引き続き目が離せない。

　後半週の再注目レースは5日目（20日）に行われる、3歳以上オープン馬による準重賞競走『第19回あすなろ賞』ダート1800ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は17頭。

　ここから長距離路線のタイトル戦がスタートするが、今年は前年覇者・エンパイアペガサスが浦和へ移籍中で絶対的な主役は不在。まずは岩手19戦15勝、休み明けの皐月特別（盛岡ダ1600ｍ）を快勝した５歳馬・ヴィグラスムーヴに注目が集まる局面だが、これまでマイルを主体に使われてきた馬だけに、ここを使ってくるかは微妙なところ。

　好調なのは今春の移籍組。第1回水沢の卯月特別（水沢ダ1800ｍ）を逃げ切ったナムラバイオレット、第2回水沢の桜花特別（水沢ダ1800ｍ）を豪快な末脚で快勝したグランウブロは、ともにこの距離で結果を出したばかりだけにタイトル戦でも有力候補に。

　実績馬では第2回水沢の仲春特別（水沢ダ1600ｍ）を快勝した9歳馬・コミュニティと、移籍初戦の皐月特別を叩かれた７歳馬・エルズミーア。前者は2015年と2016年のこのレースの覇者。後者は中央馬として昨秋のけやき賞（盛岡ダ1800ｍ）を快勝しており、ともに今回の条件への適性は抜群。

　なお、この競走の1～3着馬には6月17日に行われる重賞『みちのく大賞典』への優先出走権が与えられる。

（文：エイカン　内山達明）