【開催見解】第4回水沢競馬（6/23～7/2　重賞:ウイナーカップ、栗駒賞）

【開催見解】第4回水沢競馬（6/23～7/2）

　平成30年度の第4回水沢競馬は6月23日から前半3日間、6月30日から後半3日間の計6日間開催される。

　初日（23日）のメインレースは古馬B2クラスによる特別競走『ジューンカップ』ダート2000ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は12頭。

　舞台は条件クラスでは数少ない2000ｍの長丁場。主役は前哨戦とも言える前開催のB2一組戦（水沢1800ｍ）を大差で圧勝したアドマイヤイバマになりそう。もともと中央時代は阪神ダ1800ｍで2勝、福島ダ2400ｍで1勝というスタミナには自信のタイプ。時計のかかる水沢のダートを得意としており、再びロングスパートを決めるか？

　相手もやはり長距離実績からレッドダニエルを推奨。1700ｍ、1800ｍ、1870ｍでそれぞれ1勝。前記・アドマイヤイバマは一発長打タイプだが、こちらは先行安定型で計算できる存在。

　他ではスローペースが濃厚な2000ｍ戦だけにシーセクション、ヤコウレッシャ、ワンドロップら先行型のマークは欠かせず、一発を狙うならルーク、アイーダの末脚勝負型。

　2日目（24日）のメインレースは3歳馬による重賞競走『第42回ウイナーカップ』ダート1400ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は13頭。

　短距離を主体に使われてきた馬とそれ以外の路線を歩んできた馬がぶつかる興味深いカードとなったが、主役にはスピードを身上に昨シーズンから好勝負を続けるナンバーワン牝馬・スターギアを指名。ここまでマイルは4戦してオール2着だが、この1400ｍは4戦3勝。強力な遠征馬が揃ったプリンセスカップの4着以外はすべて勝ち切っている。

　相手はやはり牝馬のシグラップアモーレだろうか？　前哨戦とも言える6月11日の3歳短距離特設（水沢1300ｍ）を不利な大外枠からハイラップを凌いで逃げ切り勝ち。強い内容だったが、今度は距離延長に加えて、タイトル戦となって強力同型がズラリ。ダンストンラソ、レップウ、タイセイターゲットと、いずれも争覇級の先行型が揃っており、展開と枠順が大きく左右しそうだ。この他にもブレシアイル、サンエイスターダム、ドゥルガーあたりにもチャンスがありそう。

　後半週。4日目（30日）のメインレースは古馬A級一組による『七夕特別』ダート1900ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は16頭。

　前開催をスキップした大物転入馬・ストロングサウザーの移籍初戦はここになりそう。中央ダート8勝の7歳馬で、最後の8勝目が2016年に盛岡で行われたマーキュリーカップ(JpnIII)だから、岩手のファンにも馴染みの存在だろう。2016年の佐賀記念(JpnIII)も勝っている重賞2勝馬。まだ老け込む年ではなく、59kgでも主力級の扱い。

　前開催のみちのく大賞典の2～3着馬・チェリーピッカー、グランウブロは使ってくれば当然、有力馬となるが、この稿締め切りの段階で出否は不明。4月の赤松杯2着から休養していたロジストーム、平場では崩れを知らないヒドゥンブレイド、ここが移籍初戦となる中央ダート4勝馬・ニットウビクトリーなど興味深い馬の登録があり、あとは出馬確定を楽しみにしていただきたい。

　5日目（1日）のメインレースは3歳以上オープン馬による重賞競走『第30回栗駒賞』ダート1400ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は16頭。

　主役は岩手が誇る全国区のスプリンター・ラブバレット。前走は門別の北海道スプリントカップ(JpnIII)に遠征してテーオーヘリオスのクビ差2着。横綱相撲のレース運びで本当に惜しかった。この競走は一昨年、昨年ともに圧勝。3歳馬および条件馬の登録がなかった今回は実質定量戦。よって負ける要素はほぼない。今年もここから岩鷲賞を経由して8月15日の大目標・クラスターカップ(JpnIII)へ向かうことになるだろう。

　次位は激戦模様。850～1200ｍのスプリント戦線で好勝負を繰り広げてきたタイセイファントム、オースミチャド、ナムラバイオレット、メイショウオセアン、フォルスといったところがほぼ横一線で並ぶが、今度は微妙に距離が延びるだけにキングジャガーやメジャーリーガー、イーグルカザンなどの台頭もありそうだ。

　なお、この競走の1着馬には7月15日に行われる重賞『岩鷲賞』への優先出走権が与えられる。

（文：エイカン　内山達明）