【開催見解】第5回盛岡競馬(7/21~7/30 重賞:ハヤテスプリント、すずらん賞、せきれい賞)
平成30年度の第5回盛岡競馬は7月21日から前半3日間、7月28日から後半3日間の計6日間開催される。
初日(21日)のメインレースは古馬B1クラスによる特別競走『レインボーカップ』芝1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は14頭。
7月7日のトライアル・レインボーカップターフチャレンジ(盛岡芝1700m)が走路状態の悪化のためダート1600mに変更となってしまった。人気を二分するはずだったコスモロングソードはダートもOKの二刀流だけに逃げて4馬身差の楽勝。対するピンクスパイダーは疝痛のため競走除外と明暗が分かれた格好だが、なにも決着はついておらず、どちらが勝つか、改めて楽しみな一戦。
伏兵は阪神大賞典2着のヒカルカザブエを兄に持つラベルヴィー、中央時代に芝で勝ち星があるサッチンとバタラ。そして休み明けながら昨シーズン、オープンの桂樹杯(盛岡芝1600)5着があるプリムラブルガリス。中央時代まで遡ればニュージーランドトロフィー(G2)4着という実績馬だけに久々でも目が離せない。
2日目(22日)のメインレースは3歳馬による重賞競走『第6回ハヤテスプリント』ダート1200m。フルゲート=14頭に対して登録馬は13頭。2013年の第1回から1着賞金150万円の1000mの重賞として行われてきたが、今年から1着賞金を300万円と倍増し、1200mの地方全国交流競走として生まれ変わった。
北海道のダモンデは昨年11月の南部駒賞(水沢1600m)優勝以来2度目の岩手遠征。今度は短距離だが、前走、古馬重賞・グランシャリオ門別スプリント(門別1000m)7着。道営を代表するスプリンター・タイセイバンデットやトドイワガーデンと3~4馬身圏内の競馬をしており、この記録は3歳馬限定の今回は確かな実績とみていいだろう。
浦和のコスモウーノは門別時代に1200mを4戦し、新馬と上級認定競走を勝ち、重賞のリリーカップ4着、ダートグレードのエーデルワイス賞(Jpn3)5着だから6ハロンへの適性は1番かもしれない。南関東に転じて未勝利だが、必ず見せ場は作っており、マイナス感はない。
浦和生え抜きのアヴァレソーは浦和800mの新馬戦を勝ち、川崎900mで2勝をマークしているバリバリのスプリンター。5月14日の優駿スプリントTR(川崎900m)では前記・コスモウーノに2馬身半の差をつけ快勝している。前走・優駿スプリント(大井1200m)では16頭立ての殿り負けを喫しており、直線長い盛岡で粘り切れるかが鍵になりそうだ。
もう1頭の遠征馬・大井のラヴバインドは中央出身馬で、デビュー4戦目・札幌ダート1000mの未勝利戦を勝ち上がっているスプリンター。南関東に移籍後は苦戦が続いているが、前走・大井1200mのC1戦における走破タイム=1分14秒3は馬場差を考えれば悪くない時計。ノーマークは危険か?
地元勢は直近の重賞・ウイナーカップ(水沢1400m)の1~3着馬が1200mは距離不足とみたか、揃ってエントリーなし。したがって同4着の世代ナンバーワン牝馬・スターギアが大将格となる。
後半週。4日目(28日)のメインレースは3歳以上オープン馬による重賞競走『第41回すずらん賞』ダート1600m。フルゲート=12頭に対して登録馬は20頭。
1200~1400mを主戦場とするラブバレット、1800m以上を主戦場とするエンパイアペガサスはもちろん、ベンテンコゾウの登録もなかったことで激戦が予想される。
まずはタイセイファントム。盛岡マイルは昨年11月の移籍初戦・絆カップでマークした1分36秒7という破格のタイムが印象的。ただ、前走の岩鷲賞(盛岡ダ1200m)は展開が向かなかったとはいえ、見所なく6着。10歳馬だけにそろそろ前半シーズンの疲労が出てきてもおかしくはない。
チェリーピッカーは昨年、マイル重賞・青藍賞制覇。今シーズンは未勝利だが、1800mのあすなろ賞、2000mのみちのく大賞典ともに2着と健闘しているのは地力強化の証とも言えそうだ。
他では今春の転入以来好レースを連発しているナムラバイオレット、移籍初戦の文月特別(盛岡ダ1600m)を快勝したニットウビクトリー、前走・2000mのマーキュリーカップ(Jpn3)14着は基準外のポイントプラスあたりを警戒したい。
なお、この競走の1~3着馬には9月9日に行われる重賞『青藍賞』への優先出走権が与えられる。
5日目(29日)のメインレースは3歳以上オープン馬による重賞競走『第40回せきれい賞』芝2400m。フルゲート=14頭に対して登録馬は12頭。
主役は地元の雄・サンエイゴールド。前走は函館のオープン・巴賞に遠征して9着と敗れたが、やはり1800mでは距離が短いという印象。盛岡の2400mは過去5戦して(1)(3)(1)(1)(1)着。今回の舞台で負けるわけにはいかない。
次位はエイシンエルヴィンを筆頭に地元勢は混戦模様。注目の遠征勢は4頭がエントリーしてきたが、その中で注目されるのは唯一の3歳馬・スタークニナガ(道営)。前開催の3歳重賞・オパールカップ(盛岡芝1700m)に遠征し、2着馬に4馬身差をつける圧勝。今度は古馬、そして2400mは未知の距離となるが、伸びしろでは他馬を圧倒するだけに、不安より期待の方が大きい。
なお、この競走の1~2着馬には8月15日に行われる重賞『桂樹杯』への優先出走権が、1着馬にはさらに9月23日に行われる重賞『OROカップ』への優先出走権が与えられる。
(文:エイカン 内山達明)