【開催見解】第6回盛岡競馬（8/4～8/15　重賞:ひまわり賞、若鮎賞、クラスターカップ[JpnIII]）

　平成30年度の第6回盛岡競馬は8月4日から前半3日間、8月12日単独、8月14日～8月15日の後半3日間の計6日間開催される。

　前半週の最注目レースは2日目（5日）に行われる、3歳牝馬による岩手版オークス・重賞『第32回ひまわり賞』ダート2000ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は10頭。

　１冠目・あやめ賞（水沢1400ｍ）を6馬身差で圧勝し、グランダムシリーズの2冠目・日高賞（水沢1600ｍ）も2着と奮闘したスターギアの登録はなし。春の重賞出走馬で唯一、登録してきたピーベリーは前走、福島芝1200ｍの特指競走に遠征しているようにベストは芝の短距離。スピード能力は高いが、ダートの2000ｍがもつかどうか…。シグラップアモーレ、ダンストンラソ、ブロンウィンの前走＝ハヤテスプリント組もダートの2000ｍとなると使ってくるかも微妙だ。

　主役候補は前走の3歳B1戦で牡馬相手に4馬身差の圧勝を演じたカゼノウタ。そして、芝ながら2400ｍのサファイア賞２着があるサンタガール。この馬はダイヤモンドカップで唯一、ダートの2000ｍを経験しているのも強み。これに中央時代ダートの長距離（1800～2100ｍ）を使われてきたグランフルール、ウインストロベリー、シャムゴッドが絡む構図になりそう。

　なお、この競走の１着馬には8月26日に行われる重賞『ビューチフルドリーマーカップ』への優先出走権が与えられる。

　後半週。4日目（12日）のメインレースは2歳馬による重賞競走『第19回若鮎賞』芝1600ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は12頭。

　2歳世代にとって初のタイトル戦となるが、参考になるのは7月28日に今回と同条件＝芝1600ｍで行われたオープン戦。4角5番手から1馬身突き抜けたミラクルジャガーを筆頭に、2着オウレリア、3着サンエイゼウスが有力候補となりそう。

　別路線組では芝の新馬戦を勝ち上がってきたばかりのサンエイフラワー、ブリュレ。そしてダート850ｍの勝ち上がりながら、10馬身差でデビュー戦を飾ったウィズジョイも注目の素質馬となる。

　なお、この競走の1～3着馬には9月16日に行われる重賞『ジュニアグランプリ』への優先出走権が与えられる。

　6日目（15日）の第10競走にはこの開催のメインイベント、今シーズンのダートグレード競走第2弾『第23回クラスターカップ(JpnIII)』が行われる。ダート1200ｍ。フルゲート＝14頭に対して登録馬は22頭。

　注目の中央勢はこの稿締め切りの段階でコパノマイケル、ディオスコリダー、ネロ、ブライトライン、マテラスカイの5頭が選定馬。補欠馬が(1)オウケンビリーヴ、(2)サイタスリーレッド。ドバイのゴールデンシャヒーン(GI)5着を挟んで4連勝中のマテラスカイは前走＝プロキオンステークス(GIII)で初重賞勝ち。ブライトラインは芝1400ｍのファルコンステークス(GIII)と京都ダ1800ｍのみやこステークス(GIII)の勝ち馬。ディオスコリダーは中山ダ1200ｍのカペラステークス(GIII)勝ち。ネロは京都芝1200ｍの京阪杯(GIII)を2連覇。重賞勝ち馬がズラリと並ぶ、粒揃いのメンバー構成となっている。

　地方勢。ブルドッグボスは中央馬として出走した一昨年がダノンレジェンドの2着。そして浦和に籍を移した昨年は見事に優勝とこのレースとの相性抜群。その後もＪＢＣスプリント(JpnI)3着など、短距離路線の主役クラスとして活躍しており、今年も有力候補の1頭となる。

　地元の雄・ラブバレットは過去この競走(3)(3)(2)着。この1年、兵庫ゴールドトロフィー(JpnIII)2着、北海道スプリントカップ(JpnIII)2着と悲願のダートグレード競走制覇はもうすぐそこまできており、地元のここで何とか決めたいところ。

　なお、この日の第8・第9競走には減量騎手による騎手交流競走「2018ヤングジョッキーズシリーズトライアルラウンド盛岡」が行われる。出場予定騎手は以下の通り。

　●岩本　　怜（岩手）

　●木村　直輝（岩手）

　●鈴木　　祐（岩手）

　●藤田　　凌（大井）

　●吉井　　章（大井）

　●桜井　光輔（川崎）

　●井上　敏樹（ＪＲＡ）

　●菊沢　一樹（ＪＲＡ）

　●木幡　育也（ＪＲＡ）

　●木幡　巧也（ＪＲＡ）

　●武藤　　雅（ＪＲＡ）

　●横山　武史（ＪＲＡ）

　岩手初登場となる騎手はもちろん、今年の4月14日のデビューから早くも26勝をマークする地元の新人・岩本怜騎手の活躍にも注目したい。

（文：エイカン　内山達明）