【開催見解】第6回盛岡競馬（8/31～9/9　重賞：ビギナーズカップ、青藍賞）

　2019年度の第６回盛岡競馬は８月31日から前半３日間、９月７日から後半３日間の計６日間開催される。

　前半週の再注目レースは２日目（１日）に行われる、２歳馬による重賞競走『第37回ビギナーズカップ』ダート1400ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は10頭。

２歳世代最初のダートのタイトル戦だが、ダート未経験馬が３頭もいる難しい一戦となった。

　ダートでもっとも計算が立つのはここが道営からの移籍初戦となるコパノキャリーだろうか？　父が高松宮記念(G1)などを勝ったコパノリチャードで、母がブロッサムカップ、北斗盃を勝ち、エーデルワイス賞(Jpn3)２着など２～３歳時に1200ｍで活躍したラブミーブルーという牝馬。まさに1200ｍを走るために生まれてきたような配合で、デビューからここまで[２][２][２][２][２][４]着。1200ｍが１度ある以外はすべて1000ｍの競馬で、現状スタミナ面に課題がありそうだが、勝ち上がった相手はその後、重賞や上級認定競走でことごとく活躍しており、相手が悪かったとも言える。デビューは５月１日。岩手デビュー馬とは１～２か月のアドバンテージがあり、仕上がりの早さで初勝利の可能性は十分。

　地元勢では前開催の1400ｍ戦を勝ち切ったドラゴンツリー。クビ差の辛勝だったが、逃げた馬を自ら競り潰したもので内容は悪くない。

同レースは４着までだったオデンセはまだまだ幼さを残すが、直線なかなかの伸びを披露。今後への伸びしろを感じさせている。

あとはサンエイシャトルやコンバットファスト、ラブロックといった若鮎賞（盛岡芝1600ｍ）の好戦組がダートでどのような走りを見せるかに。

　なお、この競走の１～３着馬には10月13日に行われる重賞『若駒賞』への優先出走権が与えられる。

　後半週。５日目（８日）のメインレースは３歳以上オープン馬による重賞競走『第27回青藍（せいらん）賞』ダート1600ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は18頭。

例年は水沢で行われるレースで、盛岡で施行されるのは８年ぶり。登録馬の中には昨年の優勝馬・エンパイアペガサス、一昨年の優勝馬・チェリーピッカーの名も見られるが、同じマイル戦でも今年はワンターンだけに例年とは性格の違ったレースになりそうだ。

　ロジストームは今春、船橋から復帰すると、４月の赤松杯、５月のシアンモア記念とマイル重賞を連勝。その後は充電期間に充て、前開催のＡ級一組戦で復帰。キングジャガー以下に危なげなく勝利し、秋に向けて状態はかなり良さそう。今度は４戦２勝、着外が２回ある盛岡が舞台となるが、その着外２回は休み明け、相手が強力な交流の南部杯(Jpn1)と敗因ははっきりしている。

　ハドソンホーネットも今春、船橋から復帰し、こちらは1800ｍのあすなろ賞、2000ｍのみちのく大賞典と中～長距離のタイトル戦を２連勝。今回は６月以来の休み明けとなるが、そのみちのく大賞典では水沢2000ｍのレコードタイムを樹立。今度はマイル戦だが、スピード勝負も望むところ。

　エンパイアペガサスは重賞13勝。笠松のオグリキャップ記念や船橋の報知グランプリカップなども勝っている、中～長距離の全国区の実力馬だが、前走のみちのく大賞典はよもやの３着。1800ｍ以上の地元馬限定レースでは１度も負けたことがなかっただけに衝撃が走った。敗因としては時計が速すぎたということになるが、今回の盛岡マイルという舞台は一昨年の絆カップが６着、昨年の絆カップが５着と結果が出ておらず、やはりこの馬としては距離的に少々忙しい印象。前が多少でも先行争いをしてくれれば力で圧勝まであるが、前にすんなり駆けられると…。

　もう１頭怖いのはトライアル・すずらん賞を圧勝したダイチラディウス。中央では芝を専門に使われていた１勝馬。昨年まではＢ級で勝ったり負けたりのイメージだったが、転厩を機に今シーズン一気に素質が開花した。前走に関しては展開やコースどり、すべてがハマった印象だが、今回と同舞台で６馬身差となればハマっただけでは済まされない。相手強化でも勢いは無視できない。

　なお、この競走の１着馬には10月14日に行われる重賞『南部杯(Jpn1)』への優先出走権が与えられる。

（文：エイカン　内山達明）