【開催見解】金沢競馬 県営第1回[通算第1回](4/2~4)
新年度最初の開催となる金沢競馬だが、3月に開催が行われたため、実質は2017年シーズンの2戦目。4月2日(日)、3日(月)、4日(火)の連続3日間です。
冬季休催明けの3月開催は、逃げた馬や馬場の内目を通った馬が活躍。その後に砂の補充が行われ、乾いた馬場が見込まれる点で傾向に違いが出てくる可能性はあるものの、前開催を踏まえた馬券作戦が有効になりそう。
4月2日(日)のメイン11Rは「準重賞 スーパースプリント賞」(B1~C1・900m)
1番 ハニーブーケ 鈴木太一
2番 ユンゼイ ☆柴田勇真
3番 シャトーブリアン ▲塚本雄大(今開催から期間限定騎乗)
4番 トゥーレドゥー 青柳正義
5番 スガノランバダ 田知弘久
6番 チャームドライフ 平瀬城久
7番 ルルインザレイン ☆栗原大河
8番 トウショウアパッチ 葛山晃平
今年新設の準重賞。ワンターンの900m戦は近年、2歳新馬戦でしか行われておらず、古馬戦で施行は約10年ぶりの模様。その点では読み辛さはあるが、実に興味深い一戦。
まず、この距離が向く快足タイプから入るのが筋。該当は、トウショウアパッチ、スガノランバダ、トゥーレドゥー辺り。これにユンゼイを加えた先行タイプ4頭の争いと見る。
狙いたいのはスガノランバダ。当地での追い切りでは素晴らしい瞬発力で併走相手を突き放す馬。距離は向くはずだ。転入前の大井では結果が出なかったが気配は良く、多頭数にならない当地なら気性的なモロさを出さないと見る。前走は3着争いまで(4着)だったが、同厩舎の上位2頭も強すぎた1500m。ここはそんな抜けた強敵もおらず、距離も好転。逃げベストのライバル3頭より展開的にも融通が利く点も魅力。
明らかなスプリンターであるトウショウアパッチも外枠なら展開的な主導権を握れそう。テンション高い気性を考慮した仕上げの分、前走(2着)は若干息切れして最後に差された印象だが、叩き2走目でこの距離なら何も不安はない。ハナか2番手なら、まず好勝負。
逃げベストのトゥーレドゥーも前走より戦いやすい相手。活躍した昨年春同様、デキ自体は良さそう。行き切って気性的なモロさを見せなければ結果を出せていい。
ユンゼイは出脚が鍵になるが、前走(3着)はインで控える競馬でも崩れなかった辺りに進境が窺える。再度、他が速そうな内枠を克服できれば、むしろ能力上位だ。
4月3日(月)のメイン11Rは「兼六園観桜特別」(A1-2・1700m)
1番 カノープス 藤田弘治
2番 コスモマイギフト 田知弘久
3番 プレゼンスブルー 池田敦
4番 ヒカルカミヒコーキ 吉田晃浩
5番 スーパーフレア ☆栗原大河
6番 デルマチョウスケ ☆柴田勇真
7番 ウインバース 鈴木太一
8番 アイナ 吉原寛人
9番 セルリアンラッシュ 桑野等
10番 エイダイサンデー 葛山晃平
ひと叩きしたことや1700mに距離が延びることで変化を見せそうな馬に注目。
前回1組(オープン)で5着に終わったアイナだが、冬季の休養で馬体自体は良くなっている。ステイゴールド産駒だけに細身に映るくらいの方がいいのかもしれず、もう少し馬体が絞れるのがベストのようだが、休み明けを使って後退はあり得ない気配。2組に下がって適距離の1700m。脚質的に今の馬場がどうかだけの状況。
まだ本調子ではない印象のコスモマイギフトも本来は1組でも上位争いの力。その地力だけで前走は4着に差し込んだ印象だが、ひと叩きして適距離に延びれば前進あるのみ。道中をロスなく立ち回れれば好戦と見る。
好内容の前回3着セルリアンラッシュも先行争い一つ。その前回は大外枠から果敢に先行したものの、途中で動いてきた馬もいて厳しい展開に。現に1着と2着は差し勢で、中身の濃い0秒4差。気性的にスンナリの展開が条件にはなるものの、この枠なら叶いそう。
直線失速の前回9着ヒカルカミヒコーキがレースの鍵を握りそう。距離延長は歓迎できぬが、一昨年は園田1700mの重賞2着もあり、自分のレースさえできれば守備範囲。むしろ他が急がないこの距離の方が逃げる自分の競馬ができそう。実力上位は言うまでもない。
折り合いが鍵のエイダイサンデーも昨季より進境が感じられ、前回を快勝。気配的にもまだ上積みがありそう。うまく立ち回れれば相手強化でも。
穴はデルマチョウスケ。前回、直線はかなりの伸びを見せた。気性的に極端な競馬でこそのようだが、実績的に条件面の不安はなく、展開一つで好レース可能。
4月4日(火)のメイン(11R予定)は「曳山祭特別」(A1-1・1500m)
ブライトエンプレス、マイネルリボーン(再転入・回避の可能性あり)、トゥヴァビエン(転入)、トニーポケット、エトワールドロゼ、スマイリーキュート、カフジスター、エムティサラ、が出走予定(登録のあったジャングルスマイル、トウショウプライド、シンプリースパーブ、タツミリュウは回避予定)。
同じ1500mの前回1組をトウショウプライドで制した佐藤厩舎だが、続々と新勢力が入厩中(元中央オープンのトウショウフリークも先日入厩)。ここは前開催を見送ったトゥヴァビエン(中央1000万下好走歴)、トニーポケット(昨年の北國王冠勝ち)を出走させる。トニーポケットは少々距離不足でもあり何とも言えぬ状況だが、攻め馬の雰囲気もいいトゥヴァビエンは能力を出し切ってくれそう。もう少し距離は欲しい差しタイプではあるが、当地ならソコソコで流れに乗れるだろう。
もう1頭注目はマイネルリボーン。3年前までは中日杯、百万石賞、北国王冠で3着などオープン重賞戦線を賑わせ、一昨年1月に大井移籍後もC2出発から6勝の活躍。昨秋までB1~B2で好走しているように7歳でも極端な下降は見せていない中での当地復帰。正直、今回は距離不足で、出走してきた場合は今後の重賞を見据えたレースにはなりそうだが、メンバー的にも力を示して欲しい。
前回の2着エトワールドロゼ、3着スマイリーキュートは、共に良化の余地を残す状態での好走。これ以上体重を減らさずに出走できれば、もっとパフォーマンスを上げていい。違う相手になっても得意の形に持ち込めれば好レースに。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)