【開催見解】金沢競馬 県営第8回[通算第10回]後半(8/3・8 重賞:読売レディス杯)
2017年度・第10回の金沢競馬は前半2日間が終了。残すは後半2日間、8月3日(木)、8日(火)の2日間。いつもの日曜に開催がない変則日程ですので、ご注意下さい。
3日(木)のメイン10Rは「一里野音楽祭特別」(A1-1・1700m)
1番 エムティサラ 池田敦
2番 マイネルリボーン 西森将司
3番 トゥヴァビエン 吉田晃浩
4番 オイヌサマ 青柳正義
5番 ウインプリマ 中島龍也
6番 カフジスター 桑野等
夏場の変則開催ということもあり少頭数に。ただ、展開次第で上位を狙える馬が揃って、一筋縄ではいかない感も…。それでも首位候補は実績一番マイネルリボーンと前々回の同条件を圧勝したウインプリマ。
マイネルリボーンは前走の名古屋・名港盃3着が光る。追い通しでも渋太かったし、兵庫の重賞ウイナー相手に小差。長距離での実力を再認識。気になるのは連闘後と距離短縮だが、状態面に関しては不安なさそうで、同距離で敗れた前々走時より差しも届きやすい今開催の馬場。何より、このメンバーなら実力的には負けられないくらいの立場。
前走・スプリントCは流れの違い等で崩れたウインプリマだが、圧勝した前々走と同条件なら見直せる。不安を挙げるなら内に逃げたいオイヌサマがいること、詰めて使っている分での馬体維持だが、過去の走りからも2~3番手の競馬でも問題はないはず。
前走で逃げると割増を証明したオイヌサマにも注目。通用するかは未知のクラス、状態面での上がり目もなさそうだが、行き切れていい枠順と顔ぶれなら脈はある。
8日(火)のメイン11Rは「重賞 第35回読売レディス杯」(3歳以上牝馬・全国交流・1500m・1着賞金350万円)。2010年から、牝馬の世代別重賞シリーズ・GRANDAME-JAPAN・古馬シーズンに組み込まれて全国交流重賞に。2015年からは施行時期が7月から8月上旬に。なお、北陸・東海・近畿地区の所属馬が1着になった場合はJRAのGIエリザベス女王杯のトライアル競走への出走権が与えられる。
全国交流で行われた過去7年の勝ち馬・騎手・タイムは
2010第28回 兵庫・キーポケット(牝6)田中学騎手 良・1分35秒0
2011第29回 笠松・エーシンクールディ(牝5)岡部誠騎手 稍重・1分33秒8
2012第30回 笠松・エーシンクールディ(牝6)岡部誠騎手 良・1分35秒4
2013第31回 川崎・センゲンコスモ(牝6)吉原寛人騎手 良・1分35秒6
2014第32回 兵庫・エーシンサルサ(牝4)木村健騎手 良・1分35秒8
2015第33回 金沢・エトワールドロゼ(牝4)田知弘久騎手 良・1分36秒4
2016第34回 兵庫・トーコーヴィーナス(牝4)大山真吾騎手 良・1分37秒3
1997年の第15回から交流競走として行われ、名古屋5勝、笠松5勝、金沢6勝、兵庫3勝、川崎1勝。2009年は金沢馬のワンツー。全国交流にリニューアル後は、出走馬のレベルが上がったことで金沢馬は分が悪くなり、馬券圏内は2012年3着ロッソトウショウ、2015年1着・2016年3着エトワールドロゼの3回(2頭)だけ。2010年と2011年は他地区が1~3着を独占、2013年と2014年は他地区が掲示板を独占。大波乱の2015年は例外だろうが、人気馬はキッチリ勝つ傾向にはあり、高配当を提供しているのは2~3着に人気薄が突っ込んだケース。
今年のメンバーは(7月31日現在)
プリンセスバリュー(大井)…吉原寛人(金沢)
スターインパルス(浦和)…村上忍(岩手)
タッチデュール(笠松)…佐藤友則
エイシンアトロポス(兵庫)…田中学
ヤマニンミネルバ(高知)…上田将司
キタノアドラーブル(笠松)…池田敏樹
(他地区馬の回避が出た場合は笠松のトキノベラトリクスが繰り上がる)
ミスアバンセ(金沢)
アイナ(金沢)
ナリタノヘア(金沢)
タカラブネクイーン(金沢)
クラルテアンジュ(金沢)
ナツ(金沢)
2年連続で好走のエトワールドロゼが間に合わなかったのは残念だが、金沢馬もマズマズのラインナップ。ただ、他地区3頭はなかなか強力。
浦和・桜花賞を逃げ切った快足スターインパルスが登場。こういった実績の3歳馬が参戦は異例だが、オーナーの地元で適距離、52キロの軽斤量で出走可能ということで目標に定めた模様。とにかく速く、この馬のハナを叩ける馬はいないだろう。桜花賞以来の4ヵ月ぶりで仕上がり面がどうかだけ。
前走・佐賀ヴィーナスCを圧勝したエイシンアトロポスも力を付けている。28日の地元戦に目もくれず適距離のここを目標にした点でも意欲が伝わる。2番手でも対応できそうで、牝馬同士なら実力上位。
プリンセスバリューは兵庫サマークイーン賞からの中10日で馬体維持がポイント。4月の浦和・しらさぎ賞で2年連続2着からも、地方馬のみの牝馬重賞なら力上位の存在。
地元勢ではナツ、ミスアバンセに期待したい。ナツは佐賀遠征でエイシンアトロポスに完敗の4着だったが、地元で少し距離が延びる1500mはプラス。今季、そして中間の感触なら好レースになっていい。金沢で復活したミスアバンセは速い流れになってどうかだが、極端に揉まれず流れに乗れれば力は出し切って善戦以上も。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)