【開催見解】金沢競馬 県営第10回[通算第12回]後半(9/3・5 重賞:イヌワシ賞)

2017年9月2日

 2017年度・第12回の金沢競馬は前半週が終了。残すは後半週、9月3日(日)、5日(火)の2日間。

 今週から塚本弘隆騎手が金沢競馬で騎乗開始。船橋競馬から「完全移籍」で金沢所属となり、通算勝ち星の関係で▲3キロ減からスタート。ちょうど、先週で弟の塚本雄大騎手(高知)が期間限定騎乗終了となり入れ替わる格好(雄大騎手が騎乗していた馬が弘隆騎手に乗り替わるケースも多い)。若手にもチャンスが多い当地での活躍を期待したいもの。

 

 3日(日)のメイン11Rは「JRA認定 サファイア賞」(2歳・金沢デビュー馬・1400m)

   1番 ケンロククィーン 中島龍也

   2番 カトリーヌエミュー 青柳正義

   3番 シグラップエール 吉田晃浩

   4番 クロスアヴェニュー 西森将司

   5番 ゴクロウサマ 藤田弘治

   6番 マナレア 田知弘久

   7番 シオジスター 池田敦

   8番 ロンプフェイス 吉原寛人

   9番 ウインドエスカリエ 沖静男

  10番 プロングイモン ▲塚本弘隆

 

 参考レースは、前回のくろゆり賞と1組、前々回の1組と2組。ここで上位だった馬の激突だが、まだ勢力図が固まっていない現2歳世代。ここを勝った馬が頭一つリードということになりそう。くろゆり賞はシオジスターが行き切ってカイジンファルコンが惨敗。ここも逃げ争いが結果を左右しそう。

 自在に立ち回れるという点でもウインドエスカリエを中心に推したい。快足カイジンファルコンに一度敗れただけの4戦3勝で、追ってからもしっかり。前開催をパスしてここ出走も予定通りで、追い切りも上々。大半が先着済みの相手でもあり、崩れは考えにくい。

 くろゆり賞を圧勝したシオジスターも当然首位候補。ウインドが勝った前々走での大敗はスタートで後手を踏んだ影響大。前走のようにスンナリ先行できるかどうかだけ。

 堅実なカトリーヌエミューも上位候補。小柄でも展開に注文が付かず、キッチリ差し切った前走を見てもセンス抜群。ウインドには3度敗れているが、経験と展開を思えば着差を詰めてきてもいいはず。

 新馬勝ち→前回1組2着クロスアヴェニューも距離2度目で前進を期待できる。前回のクビ差は経験の差だけとも言える。素材の良さは疑いない馬体でもあり、まだ若さの残る走りからも伸びしろ十分。これまでと違う先行争いに戸惑わなければ好レースに。

 くろゆり賞で直線の脚は目立ったロンプフェイスも当時は2戦目で初の1400m。この経験は大きいし、中1週でも緩めず追い切れたのも好感。パフォーマンスを上げてきそうだ。

 

 

 5日(火)のメイン(11R予定)は「重賞 北國新聞社杯 第13回イヌワシ賞(白山大賞典トライアル)」(3歳以上・地方全国交流・2000m)

 1着馬には2開催後の10月3日(火)「第37回白山大賞典」(JpnIII)への優先出走権が与えられる。

 過去5年の優勝馬は

  2012第 8回 金沢・ナムラダイキチ(牡4)・・・畑中信司 不・2分06秒6

  2013第 9回 金沢・サミットストーン(牡5)・・・吉原寛人 良・2分10秒1

  2014第10回 金沢・セイカアレグロ(牡9)・・・吉田晃浩 不・2分10秒2

  2015第11回 金沢・ジャングルスマイル(牡9)・・・平瀬城久 不・2分10秒0

  2016第12回 兵庫・エーシンクリアー(牡6)・・・田中学 良・2分11秒7

 第4回までは東海・近畿・中国の地区交流重賞、第5回から全国交流重賞に。第8回から従来の1900mから2000mに距離が変更された。

 第1回は名古屋・角田厩舎のワンツーだったが、第2回と第3回は地元馬のワンツー、第4回は1着が笠松所属馬、2・3着は地元馬。暑い最中の輸送があるだけに遠征馬が手薄になりがちで、東海・近畿・中国の地区交流重賞として行われた時代は地元馬も健闘。リニューアルした2009年は名古屋→兵庫→笠松の1~3着、2010年は笠松勢が1~3着だったが、2011年は地元馬が1~3着を独占、2012年は金沢→笠松→金沢の決着、2013年は金沢→高知→高知、2014年は地元馬が1~3着を独占でセイカアレグロとケージーキンカメのマッチレースに沸いた。2015年は金沢→兵庫(エーシンクリアー)→金沢、2016年は兵庫→兵庫→高知。全国交流になってからも遠征馬は東海・兵庫・高知からが大半で(2012年に南関東勢が初参戦したが5着と8着)、地元の有力馬が出走すれば好走傾向あり。

 今年のメンバーは、

 他地区

  タマモネイヴィー(浦和)・・・繁田健一

  ヘルツフロイント(兵庫)・・・杉浦健太

  エーシンクリアー(兵庫)・・・田中学

  メイショウソレイユ(笠松)・・・筒井勇介

  マルヨアキト(笠松)・・・佐藤友則

 金沢

  トウショウプライド

  グルームアイランド

  マイネルリボーン

  クランキングアップ

  トニーポケット

  トゥヴァビエン

 

 実績的には浦和のタマモネイヴィーが優勢。1800m前後のダートでJRA1600万下入着の実績もそうだが、前々走・大井記念2着はユーロビートやケイアイレオーネといった地方屈指の実力馬を交わしたもので、他馬にはできぬ芸当。前走・帝王賞8着後は2ヵ月ほどレースが開いた点や、差しタイプゆえ当地の馬場に対応できるかが鍵にはなるが、普通に力を出し切ってくれれば上回るメンバーだ。

 今季は復調を示している地元のグルームアイランドにも期待したい。4着に終わった昨季は本物とは言えない走りが続いていたが、休養等で立て直したことで今季は追って頭を上げるシーンも見られなくなり、前走はあえて内に入れる競馬でも脚力の違いを見せ付けた。南関東で重賞も勝った真の力を発揮すれば、このメンバーでも見劣ることはない。

 ここ2年2着・1着のエーシンクリアーも好戦必至。7歳の今年も3走前は兵庫大賞典2着、ここ2走も差は僅かな5着→3着。衰えはなさそうで、自在性も大きな魅力。

 百万石賞の覇者トウショウプライドも暑さで下降気味だった例年の夏より動けそう。前走後も順調に調教を積んでおり、スタートを決めて好位置で運べれば上位争いに加われる。

 元JRA1600万下の兵庫ヘルツフロイントも前走3着からの上積み次第で。ここ2走は展開が不向きだったマイネルリボーンも名港盃3着を思えば流れの厳しくなるここは怖い。

 

 

(文:競馬カナザワ 大井 明洋)

 

金沢 カナザワ

 

 

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