【開催見解】金沢競馬 県営第15回[通算第17回]後半(11/12・14 重賞:北國王冠、兼六園ジュニアカップ)

2017年11月11日

 2017年度・第17回の金沢競馬は前半週が終了。残すは後半週、11月12日(日)、14日(火)の2日間。

 

 12日(日)のメイン(最終10R)は伝統の長距離戦「農林水産大臣賞典 重賞 第65回 北國王冠」(3歳以上オープン・地方全国交流・2600m・1着賞金400万円)

 過去5年の勝ち馬は…

 2012年 第60回 ナムラダイキチ(牡4)・・・畑中信司 不・2分50秒4

 2013年 第61回 ナムラダイキチ(牡5)・・・畑中信司 良・2分32秒8(2300m)

 2014年 第62回 ケージーキンカメ(牡3)・・・青柳正義 不・2分51秒0

 2015年 第63回 ジャングルスマイル(牡9)・・・平瀬城久 不・2分54秒3

 2016年 第64回 トニーポケット(牡7)・・・藤田弘治 重・2分56秒2

 ※2013年は5月5日に2300mで施行

 

 今年から「全国交流」にリニューアルして他地区馬の出走も可能に。それだけに過去の傾向は参考にならないが、1番人気の好走確率はかなり高く、特に抜けた人気の馬は圧勝するケースが多い(2010~2014年は3連単880円、1380円、710円、720円、1370円と堅い決着が続いた)。3連単導入後は万馬券決着が4回あるものの、いずれも1~2万円台。大きくは荒れていないレースだ。

 例年、レース中盤まではスローな流れ、2周目の向正面辺りからペースアップして上がりの速い決着になることが多い。つまり、長距離に対応するスタミナに加え、スピードや鋭い決め手も要求される。差し一辺倒では流れが向かないケースも多々あり、好位より前で競馬をする馬が有利というのがこれまでの傾向。これは全国交流になっても同じかも。

 さて今年のメンバー

  1番 サクラビクトワール(高知) 藤田弘治

  2番 マッシヴヒーロー(笠松) 東川公則

  3番 トウショウプライド 葛山晃平

  4番 グルームアイランド 吉原寛人

  5番 メイショウソレイユ(笠松) 岡部誠 

  6番 ミスアバンセ 田知弘久

  7番 マズルファイヤー(笠松) 大原浩司

  8番 カトラス(兵庫) 瀧川寿希也(川崎)

  9番 アダムズアップル(笠松) 栗原大河

 10番 トニーポケット 吉田晃浩

 11番 アサクサポイント(愛知) 大畑雅章

 12番 マイネルリボーン 平瀬城久

 重賞で勝ち負けレベルの遠征馬はアサクサポイントしかおらず、しかも6月以来の休養明け。グルームアイランドにとっては、同じ全国交流で南関東や兵庫の強豪を凌ぎ切った前々走・イヌワシ賞よりメンバー的には戦いやすいはず。肝心なのは前走・大井遠征後の状態だが、そう心配はなさそう。昨年は2着に敗れた距離も復活を遂げた今季なら大丈夫だろう。馬場や相手に応じた立ち回りも可能で、まず好勝負。

 重賞2勝・オグリキャップ記念2着(笠松2500m)のアサクサポイントが実力的に対抗格。苦手の夏場を避けての休養明けだが、能力試験を叩いての参戦なら極端に割り引く必要もないか。いいポジションを取れれば好レースになるはず。

 春の百万石賞の覇者トウショウプライドも今なら距離は我慢できていいはず。2キロ重い斤量、スローペースでも勝ち切った前走も上々。苦手の夏が過ぎて動けるデキに映るし、ベストの好位インも叶う好枠もプラス材料。

 長距離巧者のトニーポケット、マイネルリボーンにとっては、ここが正念場。共に前走に関しては逃げ馬など内を回った馬だけでの決着だったスローで展開不向き。調整ぶりも当時以上で、厳しい流れ・展開になるようなら面白くなる。

 笠松のマッシヴヒーローも8歳にして進化を遂げたかの前走内容。折り合えば好戦可能。

 

 14日(火)のメイン(10R)は「未来優駿シリーズ JRA認定 重賞 中日スポーツ杯 第19回兼六園ジュニアカップ」(2歳・1500m・JBC協会協賛プリサイスエンド賞)

 このレースは2012年まで、JRA「朝日杯フューチュリティーステークス」(JpnI)ステップ競走の地区代表馬選定競走、東海・近畿との地区交流重賞として9月に行われていたが、未来優駿シリーズに組み込まれた2013年から金沢所属馬だけのレースにリニューアル。2014年からは更に施行時期が遅くなり、距離も1500mに変更、転入初戦の馬も出走可能に。

 ということで、過去のデータはあまり参考にはならないが、過去5年の優勝馬は

 2012第14回 名古屋・ホウライジェントル(牡)・・・柿原翔 稍重・1分31秒7

 2013第15回 フューチャースター(牡)・・・米倉知 稍重・1分30秒3

 2014第16回 アロマベール(牡)…平瀬城久 不良・1分36秒0

 2015第17回 ブライトエンプレス(牝)・・・平瀬城久 重・1分37秒6

 2016第18回 ヴィーナスアロー(牝)・・・田知弘久 重・1分38秒4

 

 金沢馬のみのレースになったここ4年の道営出身馬の成績は、2013年は2着(出走1頭)、2014年は1着・2着(出走6頭)、2015年は2着・3着・4着(出走3頭)、2016年2着・4着(出走2頭・JRA出身馬が3着)。好走率が高く、今年も要注目の傾向。

 今年の出走馬予定馬は

 シオジスター、カトリーヌエミュー、ウインドエスカリエ、フウジン、カイジンファルコン、マナレア、ブラックセドナ、ノブイチ、アイムホーム、アイペイリッチマン、エムザックヒーロー、が出走予定(登録のあったロンプフェイスは回避予定)。

 昨年はヤマミダンスやヴィーナスアローなど生え抜きのレベルは高かったが、今年は抜けた存在はいない。それなら道営からの転入初戦2組を快勝したノブイチに期待。その前走時計自体は同日の1組より1秒5遅いものの、これはレース中盤でガクンとペースが落ちた影響によるもの。直線で抜け出す時の瞬発力は素晴らしく、高い能力を感じさせる勝ち方。馬体増も成長分で、今回の追い切りも反応良く動けた好内容。極端に揉まれなければレース展開に注文が付くわけでもない。快足馬を見ながら運んで抜け出す構え。

 対するのはリーディング金田厩舎。逃げた時の4勝は強いシオジスターと立て直した快足カイジンファルコンの兼ね合いは何とも言えないが、共に能力に関しては生え抜き屈指。

 ここ2走は2着に敗れているフウジンも本来は逃げたいところだが、前走で好位インの競馬にメドを立てたし、課題の気性や集中力持続の面で徐々に手の内に入ってきているはずで、まだ伸びしろがありそう。

 展開不問で堅実カトリーヌエミューも上位争いには加わってくるはずで、乱戦になれば肉迫以上も。重賞連続大敗はゲートや不利も影響したアイムホームもスンナリの展開に持ち込めれば見限れない。スケール大のエムザックヒーローも伸びしろ十分で怖さはある。

 

 

(文:競馬カナザワ 大井 明洋)

 

金沢 カナザワ

 

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