【開催見解】金沢競馬 県営第5回[通算第5回]後半(6/3・5)
2018年度・第5回の金沢競馬は前半週が終了。残すは後半週、6月3日(日)・5日(火)。
3日(日)のメイン10Rは「準重賞 報知新聞杯 スーパースプリント賞」(B1・B2・C1・3歳A・900m)
金沢では珍しい電撃の900m戦。今年は「重賞・日本海スプリント」(900m・7/1日)が新設され、昨年は4月に実施された本競走はそのトライアルとなって、この時期に移動。
まず、金沢で900mを経験した馬(今年の出走馬ではアガタピアス、トウショウアパッチだけ)や参考となるレースも少ないだけに、予想しづらい面はご了承いただきたいが、その辺りは各馬の戦績・馬体等から適性を見極めてジャッジ。また、昨今の最内だけ有利な馬場で行われるワンターンの競走は、どういった有利不利があるのか想像しづらい。逃げ争いも含めた各馬の出方が不透明で波乱の余地は十分。なお、前開催の編成クラスによって斤量差が設けられている(前開催1着馬は1キロ増)。
今年のメンバーは
1番 イザナイ 55堀場裕充
2番 ユメヲノセテ 56葛山晃平
3番 グランパルファン 55中島龍也
4番 トウショウアパッチ 57吉田晃浩
5番 ドラゴンランス 54田知弘久
6番 アガタピアス 51△塚本弘隆
7番 キホンハシコ 54☆柴田勇真
8番 スターカプリーヌ 55畑中信司
9番 スカイリモーネ 55青柳正義
JRAではダート1200mで先行して1勝を挙げているグランパルファンにとっては適条件。毛ヅヤひと息だった春先とは見た目も動きも雲泥の差。中間はゲートからの追い切りも含め意欲的な調整もこなした。実力・スピード的にも先手を奪って押し切れると見た。
グランパルファンが強いケースだと他の逃げ・先行勢は苦しくなる可能性。トウショウアパッチ、アガタピアス、スカイリモーネなどは逃げてこその戦績でもあって微妙なところ。その点でも流れに乗れるスピードと自在性を兼備した馬を狙ってみたい。昨季はA2でも好走あるキホンハシコは先行タイプであるものの、前走のように速い流れを差す形もOK。今季はしっかり攻めて出走できるように、状態面も良さそうだ。イザナイも自在性が出てきている差しての2着→1着。昨季は好時計で勝ったようにスピードも十分。この枠ならラチ沿いで流れに乗っていく理想的な形も取れそう。
5日(火)のメイン(11R)は「オッズパーク杯特別」(A1-1・1700m)
アントニオピサ、トウショウプライド、プラチナバディ、トウショウコマンチ、ノースウッド、ジッテ、ゴールドハリアー、が出走予定。(登録のあったナガラオリオン、メイジン、ムーンファースト、マヤノカデンツァ、マイネルリボーンは回避予定)
次回が春の大一番・百万石賞。前開催を回避した馬はここを使って本番のローテーションに。大事な前哨戦は必見。
トウショウプライドの巻き返しに期待したい。スプリングCは出遅れ→挽回して先行勢に絡んでいく競馬で失速したが、結果的に逃げ切った勝ち馬以外は差し・追込勢が浮上する決着だったことからも、仕方ない結果と割り切りたい。スタートが決まらなくなっていることだけがネックも、デキが悪いわけではなさそうで、1700mは崩れ知らずの距離。この顔ぶれと頭数であれば、百万石賞覇者の意地を見せてほしい。
プラチナバディは4月に勝った後も順調に推移。スプリングCは2着争いの差し比べに敗れた4着だが、これは2・3着馬より前の位置から先に動いた分だけの話。これまで以上に意欲的な攻めを消化しており、更なる上積みが見込めそう。同じ距離でトウショウプライドに勝っているのだから、期待していいはず。
一番の注目点は強い3連勝中ジッテが1組で通用するかどうかだろう。かなり競り合って超ハイペースの前々走も秀逸だったが、単騎で逃げられた前走2組も圧倒的な内容。1700m以下で砂を被らない逃げ・先行なら楽しみ。昨今の最内だけ有利な馬場も味方する。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)