【開催見解】金沢競馬 県営第9回[通算第11回]前半(8/19~21 重賞:加賀友禅賞)
2018年度・第11回の金沢競馬は、8月19日(日)、21日(火)、26日(日)、28日(火)の4日間。今回から12月中旬の第19回までは「日・火」の開催が続くことになります。ここでは前半週の展望を。
19日(日)のメイン11Rは「輪島大祭特別」(A2-2・1500m)
1番 スプリングボックス 青柳正義
2番 ナンヨーアイリッド 中島龍也
3番 タツミリュウ 堀場裕充
4番 ノアキャッスル ☆柴田勇真
5番 ツエーゲン 葛山晃平
6番 タカラブネクイーン 吉田晃浩
7番 プレシャスムーン 藤田弘治
8番 アイナ 池田敦
9番 カトリーヌスリジエ 栗原大河
力量的にどの馬にも出番があるように思え、先行争いも含めた展開も不透明。難解戦だ。
プレシャスムーンに期待したい。夏前に立て直しを図ったことで春より馬体は良くなったのが大きいB2→B1連勝だが、今季の馬場では不利な外を回ってのものだから、額面以上に強い。初めてのA級になるが、元々が中央1勝馬。地力的にも見劣ることはない。持ち味の瞬発力が生きてきそうな顔ぶれでもある。
強力な先行馬が少ない印象を受けるだけに古豪タツミリュウの変わり身が怖い。1500~1700mで逃げてこその馬だが、今季は一度もハナを切れていないのも大敗続きの要因。加えて前走はこれまでより踏ん張る姿勢が見られた。OP勝ち多数の実績は言うまでもなく一番で、快足馬が減ったここは要注目。
アイナも上位候補だが、2着だった前回のように道中インを回れるかが浮沈の鍵。好調走に映るカトリーヌスリジエは道中で前と離されすぎた前回3着で、大外枠から流れに乗れば前進可能。ツエーゲンも1500m以下で最内を回れると崩れておらず、4走前の同条件ではタツミリュウを制してハナを切って2着だけに面白いはず。走力は十分のナンヨーアイリッド、スプリングボックスも位置取りや流れ次第。
21日(火)は「2018ヤングジョッキーズシリーズ トライアルラウンド金沢」が行われ、13名の若手騎手(西日本地区)が集結。
地方からは、水野翔(笠松)、渡邊竜也(笠松)、石堂響(兵庫)、長谷部駿弥(兵庫)、松木大地(高知)、柴田勇真(金沢)、塚本弘隆(金沢)の7名(兵庫の石堂騎手と長谷部騎手は、それぞれ1戦のみ騎乗)。
JRAからは、荻野極、小崎綾也、西村淳也、服部寿希、三津谷隼人、義英真の6名。
7Rの第1戦(C1・1400m)と9Rの第2戦(B2・1500m)で本戦出場に向けたポイント争いを繰り広げるわけだが、昨今の「最内だけ有利」な特殊な馬場だと、地元・金沢の柴田勇真騎手と塚本弘隆騎手に地の利が大きいような気もするが…。
この日のメイン(10R予定)は「重賞 山口シネマ杯 第5回加賀友禅賞」(3歳牝馬・1300m・1着賞金210万円・JBC協会協賛ラニ賞)
秋の3歳頂上決戦・サラブレッド大賞典の前に短距離で牝馬ナンバー1を決める一戦。まだ今年で5回目。参考になるデータ等は少ないが、1コーナーまでの距離が短い1300mを多頭数で争うという点で、展開的に波乱の要素は大きく、1番人気はこれまで一度も連対なし。過去の成績は…
2014年 馬場:良
1着 2番エトワールドロゼ(金田)田知弘久 1分23秒6 展開111 4番人気
2着 6番セイウンアネゴ(高橋俊)池田敦 1分24秒2 展開333 3番人気
(ハイペースでも逃げ→3番手→2番手での決着)
2015年 馬場:良
1着 1番エムティサラ(鈴木正)青柳正義 1分25秒2 展開754 4番人気
2着 5番アイナ(中川雅) 岡部誠 1分25秒5 展開10109 2番人気
(ハイペースで差し・追込での決着)
2016年 馬場:良
1着 7番ケイティマーヤ(金田)吉原寛人 1分24秒3 展開111 3番人気
2着 9番ウインプリマ(鈴木長)中島龍也 1分24秒5 展開333 5番人気
(ハイペースの離し逃げ→3番手→後方から早目進出)
2017年 馬場:良
1着 8番バンダイクブラウン(中川雅)赤岡修次 1分24秒2 展開111 2番人気
2着 2番ナゲッツ(金田)吉原寛人 1分24秒2 展開775 4番人気
(ハイペース逃げ→差し勢がハナ・クビ差まで肉迫)
馬場傾向も違うため何とも言えない面はあるが、実力馬が逃げれば押し切るということか。3連単はすべて万馬券決着。いずれにせよハイペースで難しい競馬になるのは間違いなく、枠順や当日の馬場傾向が結果を大きく左右しそう。
出走予定馬は、ハーキマーダイヤ(回避の可能性あり)、ロンプフェイス、シオジスター、サツキブライド、アイムホーム、ペニテンテス、カンカン、ホウヨウバルキリー、ビバラエポボン、コスモフェリーク、マナレア、ウインクルゴール。
金沢4戦4勝のペニテンテスに注目。前走1500mは破格の勝ち時計なのは超高速馬場だったこともあるが、逃げて絡まれて超ハイペースを押し切った内容は実に強い。適鞍がなかったことや先週の古馬牝馬重賞も視野に入れていたためレースが開いた格好になったが、乗り込みや中間気配は何ら心配ないもの。他にも逃げたい馬が複数いるだけに、激しくなりそうな先行争いがどうかだけ。
先行激化は避けられない顔ぶれだと「差せる馬」が面白い。該当するのは毎度確実に差してくるビバラエポボン。外から進出のこれまでと違い前走JRA交流3着は内を回ってのもの。その経験がここに生きてくるはず。使い込んでいて上がり目こそないが、維持はしている模様。バラける展開を射程圏なら。
1900m→古馬C1を連勝中のロンプフェイスも距離に対応できれば差し込んできそう。1500mとはいえ4月の牝馬準重賞も差し切っており、中1週続きでも馬体を維持なら。
休養明けをひと叩きしたマナレアも前進必至。北日本新聞杯3着もあるように、この世代では上位ランクの走りをしてきた馬。外を回って甘くなった前回とは中身も違うはず。
実力上位と言えるシオジスター、アイムホームはここ目標の調整だが、共に逃げがベストで、先行争い次第の面がある。前走・MRO金賞は逃げて大健闘の4着ウインクルゴールは控えてもOKで、好位置追走なら上位争いに。転入2戦目のコスモフェリークも前走で当地ダートにメドを立てて、更に前進があれば圏内十分。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)