【開催見解】金沢競馬 県営第12回[通算第15回]後半(10/21・23 重賞:西日本ダービー)
2018年度・第15回の金沢競馬は前半週が終了。残すは後半週、10月21日(日)、23日(火)。
21日(日)のメイン10Rは「楽天競馬パワーアップ!」(A1-2・1500m)
1番 コスモタウルス 池田敦
2番 オーダシティー △塚本弘隆
3番 ルノートル 畑中信司
4番 ゴールドハリアー 米倉知
5番 トニーポケット 吉田晃浩
6番 メイカーズムービー 平瀬城久
7番 ヒストリーメイカー 青柳正義
8番 ファンタサイズ 沖静男
9番 スガノランバダ 吉原寛人
10番 コウエイバラノマチ 中島龍也
転入後無傷の7連勝ルノートルが初のA1に挑む。これまで以上の追い切りも消化して準備は万端。気性的に逃げられるかが大きなポイントも、この顔ぶれや枠順なら行き切れていいはず。自分の競馬ができて突破と見た。
スケール的には名牝の仔で転入後オール連対ヒストリーメイカーも負けていない。夏休み明けで相手強化の前走も途中から動いて2着にまとめたが、ひと叩きした今回はもっと動けていいはず。ロスなく立ち回れればルノートルを逆転も十分か。
今季の長距離重賞で好走トニーポケットは1500mだと差し届かずのケースが多くなるが、最内だけ有利な馬場傾向が顕著なここ2週を見ていても、上級に関しては道中インにいた差し・追込は台頭。前開催はパスしたが中間の乗り込みや追い切りもしっかりと。ロスなく回ってくれば浮上しそう。
ゴールドハリアーの前走は厳しい展開。最内に取り付けた前々走2着を思えば、立ち回り一つ。メイカーズムービーも前走のように先団のインでレースできれば上位争いに。
23日のメイン(11R)は「3歳秋のチャンピオンシップ 楽天競馬協賛 重賞 第3回西日本ダービー」(3歳・西日本地区6県交流・2000m・リーチザクラウン賞)
6場の持ち回りで実施されている3歳重賞。各競馬場でデビューして移籍していないことが出走馬の条件となっている、いわゆる「生え抜き限定」の重賞。そういった事情もあり、必ずしも各地区のトップクラスばかりが出走するわけではないが、人馬ともに楽しみなラインナップとなった。過去2回の結果は
第1回(園田)…1着マイタイザン(兵庫)、2着ディアマルコ(高知)、3着アサクサセーラ(兵庫)
第2回(佐賀)…1着フリビオン(高知)、2着ムーンファースト(金沢)、3着オヒナサマ(佐賀)
牡馬・牝馬は関係なく、長距離戦ということもあってか、その世代の実力馬が順当に1・2着という印象。
今年の出走予定馬は、ウォーターループ(愛知)、マルヨバリオス(笠松)、ライトスラッガー(笠松)、アゼツライト(兵庫)、コーナスフロリダ(兵庫)、イチノフリオーソ(兵庫)、スピーディダブル(高知)、レマンコ(高知)、エリザベスセーラ(佐賀)、マイメン(佐賀)、エムザックヒーロー(金沢)、ロンプフェイス(金沢)、の12頭が出走予定。(回避馬が出た場合は金沢のシオジスター、カトリーヌエミューが繰り上がりで出走となる)
実績的に優勢は唯一のダービー馬・兵庫のコーナスフロリダ。前走・園田オータムTは兵庫ダービーとは逆で先に動く競馬で目標された感もあるし、その勝ち馬クリノヒビキは18日(木)の笠松・岐阜金賞も制覇。兵庫勢のレベルの高さを証明した格好で、本馬もこの舞台で続きたい思いか。マクり脚質ゆえ、今の最内だけ有利な金沢の馬場がどうかだけ。
同じく兵庫のアゼツライトは、4月の菊水賞ではコーナスフロリダらを相手に逃げて圧勝している。スンナリ逃げたい本馬にとっては強力同型が減るというのは好都合で、今の金沢の馬場にもマッチしている戦法でもある。前走の馬体減は少々心配だが、2ヵ月半ぶりを叩いて順当に上積みがあるようなら好レース可能なはず。
重賞2勝・東海ダービー3着の実績ある名古屋のウォーターループは、前々走のMRO金賞で金沢を経験しているのは大きく、その2着も馬場的に有利な最内を通ったわけでもなく価値が高い。前走の名古屋・秋の鞍は6着とはいえ2着争いからは小差で、サムライドライブや南関東勢もいるレースで先行タイプの本馬は展開的にも厳しかった。このメンバーの方が競馬はしやすく、ここにきての馬体増も充実の証だろう。
地元のエムザックヒーローの頑張りにも期待したいところ。気性的な乗り難しさも以前に比べれば随分とマシで、春の北日本新聞杯2着、石川ダービー6着時よりレース内容は上向き。金沢デビュー馬限定戦の前走は順当勝ちだが、同距離の前々走サラブレッド大賞典の一気に動いた0秒2差3着からも当地トップクラスの能力、そして長距離適性は確か。ロスのないポジションを確保して流れに乗れれば、いいレースになっていい。
佐賀のマイメンも遠征経験豊富で侮れない。前走は佐賀・高知とダービーを2つ勝ったスーパージェットには屈したものの上々2着。先行しても差しても好走ある自在性は今の金沢の馬場では大きな武器になりそうだ。
「レジェンド」「大井の帝王」的場文男騎手の参戦も注目。金沢のロンプフェイスに騎乗するが、「差し」のイメージが強い本馬の違った面を引き出してくれることを期待したい。
(文:競馬カナザワ 大井 明洋)