【開催見解】金沢競馬 県営第14回[通算第17回]後半(11/18・20 重賞:北國王冠、兼六園ジュニアカップ)

2018年11月17日

 2018年度・第17回の金沢競馬は前半週が終了。残すは後半週、11月18日(日)、20日(火)。今週は重賞が2つ組まれており、中身の濃い2日間です。

 

 18日(日)のメイン(最終10R)は伝統の長距離戦「農林水産大臣賞典 重賞 第66回 北國王冠」(3歳以上オープン・地方全国交流・2600m・1着賞金500万円)
 過去5年の勝ち馬は…
  2013年 第61回 ナムラダイキチ(牡5)…畑中信司 良・2分32秒8(2300m)
  2014年 第62回 ケージーキンカメ(牡3)…青柳正義 不良・2分51秒0
  2015年 第63回 ジャングルスマイル(牡9)…平瀬城久 不良・2分54秒3
  2016年 第64回 トニーポケット(牡7)…藤田弘治 重・2分56秒2

  2017年 第65回 グルームアイランド(牡6)…吉原寛人 不良・2分56秒3
   ※2013年は5月5日に2300mで施行
 2017年から「全国交流」にリニューアルして他地区馬の出走も可能に。それだけに過去の傾向は参考にならないが、1番人気の好走確率はかなり高く、特に抜けた人気の馬は圧勝するケースが多い(2010~2014年は3連単880円、1380円、710円、720円、1370円と堅い決着が続いた)。3連単導入後は万馬券決着が4回あるものの、いずれも1~2万円台。全国交流元年の2017年も3着が人気薄でも9790円。大きくは荒れていないレースだ。
 例年、レース中盤まではスローな流れ、2周目の向正面辺りからペースアップして上がりの速い決着になることが多い。つまり、長距離に対応するスタミナに加え、スピードや鋭い決め手も要求される。差し一辺倒では流れが向かないケースも多々あり、好位より前で競馬をする馬が有利というのがこれまでの傾向。全国交流になった昨年も同様だった。
 さて今年のメンバー
    1番 トウシンイーグル(兵庫) 永島太郎
    2番 ヒストリーメイカー 青柳正義
    3番 オリンピアスカイ(佐賀) 山口勲
    4番 クラールハーモニー(川崎) 瀧川寿希也
    5番 アクアレジーナ(大井) 佐藤友則
    6番 マイネルリボーン 藤田弘治
    7番 メイジン 平瀬城久
    8番 ドリームズライン 吉田晃浩
    9番 ムーンファースト 吉原寛人
  10番 アサクサポイント(愛知) 加藤聡一
  11番 プラチナバディ 中島龍也
  12番 スーパーノヴァ(佐賀) 兒島真二
 遠征勢は力のある長距離巧者が揃って、昨年より質はグンと上がっている。対する地元勢も好走の可能性がある馬ばかり。力量比較の難しさ、馬場や展開の読みづらさもあり、どの馬も狙える状況にある一戦。例年の傾向は参考にならないだろう。
 目下の各馬が南関東のB1~B2を勝ち切れるかと考えた時、微妙なラインに思える。そういう点でも前走・大井1800mのB1B2を勝っている川崎のクラールハーモニーを狙う手はどうか。体重も増えているように充実期にある4歳牡馬。2着→1着のここ2走の相手も決して弱くはなく、2000m以上での良績も特筆もの。馬場的に差し脚質がどうかだが、道中インを回ってくることも可能なレースぶりと枠順だけに、期待してもいいのでは。
 目下の馬場や展開を考えると面白いのはメイジン。まだ目一杯の仕上げができる段階ではないものの、前走は放牧明けに加えて良績のない控える競馬なら2着でも悲観することはないし、あくまで目標はここと中日杯の重賞戦線。普通に逃げた時は負けておらず、ここは自分の競馬に持ち込めそうな顔ぶれ。この距離での息と後続の出方次第で勝利も十分。
 楽しみなのは底を見せていないヒストリーメイカーの挑戦。距離や相手は全くの未知数だが、まだまだ伸びしろを残す大器。これまでにない追い切り消化で臨む点、好枠、前にも行けて自在に運べる点でも、条件の違いに戸惑わなければ、いいレースになってもいい。
 地元でトップ争いを演じているムーンファースト、マイネルリボーンはロスなく立ち回れるかが浮沈の鍵。共にここに向けてのローテで仕上げは問題なく、特にマイネルリボーンは長距離戦には絶対の自信。展開に尽きる。
 このメンバーと枠順なら兵庫のトウシンイーグルも上位を争える。ダートグレードでも好走した往時はともかく、10歳の今年も兵庫A1で2着2回と健在。前走のように内ピッタリを回って渋太さを生かせれば。
 前走2500mの九州大賞典を勝って長距離適性の高さを示した佐賀のスーパーノヴァも兵庫時はトウシンイーグルに先着しており、厳しい流れになれば浮上しそう。

 

 

 20日(火)のメイン(10R)は「未来優駿シリーズ JRA認定 重賞 中日スポーツ杯 第20回兼六園ジュニアカップ」(2歳・1500m・JBC協会協賛ダノンシャンティ賞)
 このレースは2012年まで、JRA「朝日杯フューチュリティーステークス」(JpnI)ステップ競走の地区代表馬選定競走、東海・近畿との地区交流重賞として9月に行われていたが、未来優駿シリーズに組み込まれた2013年から金沢所属馬だけのレースにリニューアル。2014年からは更に施行時期が遅くなり、距離も1500mに変更、転入初戦の馬も出走可能に。過去5年の優勝馬は
  2013第15回 フューチャースター(牡)…米倉知 稍重・1分30秒3(1400m)
  2014第16回 アロマベール(牡)…平瀬城久 不良・1分36秒0
  2015第17回 ブライトエンプレス(牝)…平瀬城久 重・1分37秒6
  2016第18回 ヴィーナスアロー(牝)…田知弘久 重・1分38秒4
  2017第19回 フウジン(牡)…佐藤友則 不良・1分36秒3
 金沢馬のみのレースになったここ5年の道営出身馬の成績は、
  2013年…2着(出走1頭)
  2014年…1着・2着(出走6頭)
  2015年…2着・3着・4着(出走3頭)
  2016年…2着・4着(出走2頭・JRA出身馬が3着)
  2017年…2着(出走1頭・笠松出身馬が1着)
 好走率が非常に高く、今年も道営出身の2頭には要注目。
 今年の出走馬予定馬は
 カイジンワンダー、ロンギングルック、ビシュラ、シリウスシリアス、アイオブザタイガー、ミリオンピエール、ハッピーフライト、エムザックレガシー、トーセンストレート、チジョウノホシ、ケイコクノビジン。(ハクサンフラワーはJRA遠征予定で回避予定)
 ここまで行われた2つの重賞は牝馬限定戦で、ここは牡馬が出走。重要な前哨戦だったのは前々回10月23日の2歳1組。そのレースを制したアイオブザタイガーが中心。まずハナを切ったカイジンワンダーがペースを落とした1~2コーナーで一気にマクって先頭に立った好判断も勝因だが、なかなか強い勝ちっぷり。勝ち時計に関しても、一旦ペースが緩んだレースゆえ速くならなかっただけの話。道営でオール3着以内の実績は伊達ではなく、例え控える競馬になっても対応できる戦績。中間も順調で崩れる要素はない。
 全国交流のシンデレラC3着のロンギングルックも有力候補。その前走は道営で新馬勝ちの2頭には完敗も、大外枠から上手く立ち回って他に先着した点は評価できる。ゲート入りに苦労して回り道はしたが、脚力や決め手は間違いなく世代トップクラス。
 シンデレラカップでは不慣れな位置取りを強いられたビシュラも、この顔ぶれなら先行可能。前走での馬体増自体は歓迎材料で、展開次第でこれまでの好走を見直せるはず。
 ここ2走で結果が出なかったカイジンワンダーも気配的な下降は見られないし、高性能も疑いない。控える競馬だと味がないだけなのかもしれず、ビシュラを制して好時計で逃げ切った3走前のような競馬ができれば変わり身があっていい。
 道営1勝馬のハッピーフライトも当地入り後は一戦毎にパワーアップしている印象。2組とはいえ前走の勝ちっぷりも良かったし、前々走3着も厳しい展開に泣いたもの。スンナリ運べれば上位争いに加われる。

 

(文:競馬カナザワ 大井 明洋)

 

金沢 カナザワ

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