【開催見解】第18回笠松競馬（1/23～27　重賞:ゴールドジュニア）

　１月23日から27日まで連続５日間の日程で「睦月シリーズ」が開催される笠松けいば。ここでは各日のメインレースの展望をお送りしていきたい。

　まず初日はＢ－１組による「千両特別」。中心は前走でこのクラス、しかも今回と同じ1800ｍで快勝したヴィレッジダンサー。中間の降雪等で前走時より馬場が軽くなっている可能性がある点は心配だが、安定した差し脚はＢ級では上位。ここもしっかり伸びてきてくれるはずだ。差し脚の鋭さでは名古屋スズカレビンも負けていない。笠松で６勝と抜群のコース相性を誇っているし、時計的には特別に入っても見劣りはなく、末脚不発の危険性は少なそうだ。前走、７馬身差の圧勝を演じたツクバキセキも注目の存在。「ムラな気性だからなあ」と栗本調教師は頭を悩ませるが、「1800ｍは向いているタイプ。期待感はあるよ」とのこと。集中力さえ途切れなければ連勝の目も。そのほかエメラルドクイーン、ソットヴォーチェ、デピュートアゲンと平場を勝ち上がってきた好調馬も多く、目が離せない一戦となりそう。

　２日目はＢ－４組の「葉牡丹賞」。ここでの注目はワイルドジーク。「これまでに比べると体調面の勢いはないかな」とのコメントも聞かれた前走だったが、Ｂ－１特別で逃げて０秒１差の２着なら上出来。出来のピークは少々過ぎたとしても、４組ではスピード上位なのは明らか。同型も手薄で一気の逃げ切りを期待したい。これに素質で対抗するのがセブンサムライ。約３カ月ぶりの今回は「まだ乗り込み不足かな」と大塚騎手が語る通り万全の調整とはいえない。ただ、追い切りの動きは迫力があったし、気の勝った馬でいきなり走れても不思議ないタイプ。初戦から力の違いを示す可能性はある。好調さが目を引くのは前走で勝ち馬と時計差なしの２着だったエイシンジャドゥーと、２走前の勝ちっぷりがよかったパーソナルベスト。どちらもほんの少し流れが向けば上位争いに食い込めそうだ。

　３日目はＣ－18組の「若草特別」。前走で平場を勝ち上がった好調馬の集まるクラスだが、中でも勢いで勝るのは前走で１分27秒７の好時計をマークしたカイシュウキリシマ。これは同じ開催の重賞・白銀争覇に次いで２番目に速い優秀なもの。１ハロン距離は延長されたが、あのスピードがあれば問題あるまい。時計の出やすい馬場ではあったが、２走前の12月８日に１分28秒７をマークしたケットシーは時計面で対抗しうる存在。末脚はしっかりしており、こちらは距離延長が合いそうだ。前走で出遅れながらも４馬身差と圧勝したのがエネルワンダー。現時点で出否は未定だが出てくれば善戦可能な素質を秘めている。

　４日目はシリーズメインとなる「第41回ゴールドジュニア」。今年に入って最初の３歳重賞になるが、今年も兵庫、名古屋、そして笠松からいずれ劣らぬ精鋭が参戦し、ハイレベルな戦いが予想される。兵庫からはセイプレジール、チェリーシャクナゲの２頭が遠征。前者は中央で未勝利戦を勝った素質馬。兵庫への転入初戦となった前走も持ち前のスピードを発揮して勝っており、小回りの笠松でより持ち味が生きそう。後者は勝ち鞍こそなかったがレベルの高い北海道２歳戦線で（０４３２）と堅実にまとめていた。前走で大敗したものの、モマれなければ変わる余地は十分ある。名古屋からはフリーゴーイングが参戦。すでに1600ｍで勝ち鞍があるのは大きなアドバンテージ。前走の８着が気がかりではあるが、重賞の流れを経験できたのはプラス。器用に先行する脚もあるので笠松コースも歓迎だ。地元勢で注目はここへきて３連勝中のグレイトデピュティ。「夏場に無理しなかったのがよかったのか、馬が変わったかのような充実ぶりです。距離もこなせると思うし、前走の走りができれば重賞でも楽しみ」と島崎騎手の表情は明るい。この勢いなら各地の実力馬が相手でも互角以上にやれていい。また、イスタナ、マルヨアキトも1600ｍの重賞を勝った実績があり、流れ次第で十分にチャンスがありそうだ。

　５日目はＡ－１組・Ｂ級以上オープンによる「東海クラウン」。まず目がいくのはキクノセントロ、ヴェリテの名古屋勢。前者は笠松で（２１１０）とまだ崩れたことがない。前走も２組ながら笠松で１分41秒６の好時計で楽々と逃げ切り勝ち。あの内容ならオープンでも好勝負できるはず。後者は前走・名古屋記念でカツゲキキトキトに続く２着。前走ほどの強敵がいないここならあっさり勝つだけの力はある。地元勢ではオグリタイムに期待。前走、白銀争覇では1400ｍでテンについて行けなかったものの、じわじわと差し脚を伸ばして３着に健闘。２走前の東海ゴールドカップ２着時のように好位で競馬ができば、勝機も十分にありそう。そのほかにも積極策で常に見せ場を作っているサンマルバクシン、ここ２走は堅実に差して４、４着と走りが上向いてきたホッコージョイフルとクセ者は多く、ひと筋縄では収まりそうもない。

（文：競馬東海　寺澤　正勝）