【開催見解】第16回笠松競馬(12/26~31 重賞:ライデンリーダー記念、東海ゴールドカップ)
26、27日と29日から大みそかまでの5日間の日程で「年末特別シリーズ」が行われる笠松けいば。ここでは各日のメインレースの展望をお送りしていきたい。
初日(26日)はB-1組の「ひいらぎ特別」。前走で勝ち鞍を挙げた馬が4頭いて、好調なこれらが上位争いをする確率は高い。ゴールドブレードは今春には駿蹄賞3着の実績があり、距離が1,800mに延びるのは問題ないし、中間も3歳馬らしい活気ある気配をキープ。順調ならA級上位でも活躍可能な器だけにここは勝機十分だ。マルヨナオミは前走の5馬身差勝ちが示す通り、ここへきて充実一途。「ピークといっても過言じゃないくらい」との声も陣営から聞かれ、体調面は文句なしだ。まだ1,800mにメドはついていないが、今の勢いがあれば克服可能とみる。ナオアンドユリ、アイノシルシも前走の勝ちっぷりはなかなかで状態はハイレベル。どちらも距離は未知数だが、自分のリズムで運べれば好勝負できる出来にはある。
2日目(27日)はA-3組の「岐阜新聞・岐阜放送杯」。ここでの注目は約5カ月ぶりをひと叩きされたナムラカグヤヒメ。調整途上の前走こそ逃げて失速の9着と大敗を喫したが、昨年のこのシリーズでは東海ゴールドカップで3着に健闘したほどの実力馬。一度使われて気合乗りは良くなっているし、息の入りも違ってくるはずで、一変を期待したい。攻め馬で抜群の動きを見せたのがネイバルエンスン。元々攻め駆けするタイプとはいえ、あれだけダイナミックに動けるのは相当に体調がいい証拠。A-2組で2着の前走よりさらに上積みがありそうだ。さらにキョウワマロン、サントノーレといった快速派もいて目が離せない一戦になることは間違いない。なお、計170レースを戦い、全国各地の重賞で活躍した笠松が誇る「鉄の女」タッチデュールがこのレースで引退予定。タフに頑張り続け、ファンも多い名馬のラストランにもご注目を。
3日目(29日)はC-15組による「仕事納め特別」。前走で勝ち鞍を挙げた好調馬ぞろいでハイレベルなメンバーとなったが、1分29秒1と時計面で一歩リードしているのがコパノジャクソン。スタートで少しヨレたが、あっさり先手を奪ってそのまま押し切ったスピードは、中央未勝利で4着しただけのことはあると思わせるものがあった。今後は距離延長への対応がカギになるが、距離が据え置きの1,400mなら特別のここへ入っても好勝負必至だ。2着馬に4馬身差をつけて圧勝したヤマニンゲラノスも勢いは十分。「前走がピークでそこから大きな上積みはないかも」と吉井騎手は自信満々といった表情ではなかったが、少なくとも大きな反動は見られないだけに、連勝の可能性はあるとみた。前走で1分29秒3をマークしたミスターフウジン、同じく1分29秒6のヒルノケープタウンも数字的には大差なく、モマれず先行できれば上位争いに加わる力がある。
4日目(30日)は2日連続重賞の第1弾となる2歳牝馬オープンの「ライデンリーダー記念」。ここは11月のラブミーチャン記念で1、2着を分け合ったチェゴとバレンティーノが実績上位の存在。前者は牡馬相手の前走・ジュニアキングこそ2着に敗れているが、後方から鋭い脚で追い込んで力のあるところは示したし、ラブミーチャン記念よりも時計は1秒以上短縮しており、何ら悲観する必要はない。後者は前走で中央500万条件の芝1,400mに挑戦。スピード的にどうかとの不安がありながら0秒6差の7着と見せ場たっぷりで、着実に力をつけている。そこから約2週間での出走となるが直前の気配を見る限り極端な疲れもなく、自身の力は発揮してくれるのでは。名古屋からは連勝中のウォーターループが参戦予定。まだモマれた時に不安はあるが、逆に逃げれば3戦3勝。笠松で持ち前のスピードがさらに生きる可能性は高い。そのほかにも前走で1分28秒7の好時計勝ちを収めたマーメイドモアナ、転入2走目で気配アップのリボースなど素質十分の面々は多く、例年以上にハイレベルな争いとなりそうだ。
5日目(31日)は古馬による「東海ゴールドカップ」。注目は昨年のこのレースで2着に0秒6差をつけて快勝したアサクサポイントの連覇なるかだろう。9歳になったが、2走前には金沢・北國王冠で2着と衰えは感じられないし、相性のいいこのレースへ向けて調整にも抜かりはないはずで、連覇の可能性は十分。また、この馬のほかにも名古屋からはヴェリイブライト、メモリージルバ、キクノセントロといった今年の笠松オープンで結果を残してきた笠松巧者がズラリと参戦。4年連続で名古屋勢の東海ゴールドカップ制覇となるかも焦点だ。その流れに待ったをかけたい地元勢の大将格は「しっかり調教をつめるようになりました。期待してますよ」と佐藤騎手が語るハタノリヴィール。好位すんなりとはいえ前走の勝ちっぷりは鮮やかで、ここへきての充実ぶりがあれば名古屋勢とも互角に渡り合える。転入時から「実力はかなり」と陣営が期待していたのがダイヤモンドダンス。前走は直線伸びあぐねて3着に甘んじたが「太いせいもあるかもしれませんが、遊んでいるところもある。今回はブリンカーをつける予定です」と筒井騎手。この効果が出れば一変があっても驚けない。さらに2走前に岐阜金賞2着など、3歳重賞戦線で活躍してきた若駒・アペリラルビーが歴戦の古馬を相手にどこまでやれるかも楽しみだ。
(文:競馬東海 寺澤 正勝)